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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第三章 終焉と創造のプロトコル
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もう一人の『W.O』





長官は、僕の『創造』に賭ける決断を受け入れた。彼の瞳に宿るのは、自身の『管理』の終焉と、世界の『終末』を回避するという、新たな使命への冷徹な覚悟だった。




「わかった。君の**『創造』に、私の『知識』と『時間』**を、惜しみなく提供しよう」




長官は、そう言って、部屋の隅にある通信パネルに手をかざした。




「君が**『真の原典』に接触し、エイドリアン・グレイの『物語』を再構築するまでの間、MI6の監視を欺き、必要な情報と設備を整える『協力者』**が必要だ」




長官は、そこで一旦言葉を切り、僕をまっすぐに見つめた。




「彼は、MI6内部で『物語の理』、すなわち私たちの『正義』に最も深く関わり、そして同時に、最も深く疑問を抱いている人物だ」




通信パネルの画面が起動し、一人の男の顔が映し出された。彼は30代前半に見え、眼鏡の奥から鋭い知性を感じさせる目つきをしていた。




「彼のコードネームは**『006』。そして、彼の名はウォレス・マッケンジー**。MI6の最重要情報分析官だ」




長官は、ウォレスに語りかけた。




「ウォレス。この人物が、ジョナサン・クラークだ。彼に、MI6のすべての情報網へのアクセス、そして、**『プロジェクト・アザゼル』**の最終プロトコルへの道筋を開け」




画面の中のウォレス・マッケンジー(006)は、僕を見て一瞬表情を硬くしたが、すぐに冷静な顔に戻り、深々と頭を下げた。




「了解しました、長官。ジョナサン・クラーク。私はあなたの『創造』が、長官の『管理』を乗り越えることを願っています」




彼の言葉には、単なる忠誠心ではなく、MI6の現状への不満と、僕の『創造』への微かな**『希望』**が滲んでいた。


長官は、僕に最後の指示を与えた。




「ウォレスは、君の『物語の書き換え』に必要な、**『真の原典』への物理的なアクセスルート、そして、長官である私自身でさえ完全に制御できないMI6の『監視の目』**をかわす術を提供する」




「彼の指示に従い、まずはMI6の管理外にある**『隠された研究施設』へ向かいなさい。そこで、君は『終焉と創造のプロトコル』**の準備を開始する」




長官は、そう言い残すと、通信パネルを閉じた。僕と長官の共闘は、エージェント006という新たな協力者を得て、MI6の内部へと深く潜り込んでいくことになった。



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