共闘の誓い
長官が語った『真の原典』と**『終末の物語』の存在は、僕に強烈な衝撃を与えた。僕の『創造』が世界を救う唯一の道であると同時に、世界を終末へと導くトリガーでもあるという、あまりにも絶望的な真実。長官の『管理』が、その終末への『時間』を稼ぐための『延命措置』**だったという事実に、僕は立ち尽くした。
「長官…私の『創造』が、終末を早める…」
僕は、リリアンから託された光の粒を強く握りしめた。これまでの僕の行動、僕の『正義』が、無数の『物語』を破滅に近づけていたというのか。
長官は、僕の苦悩を静かに見つめた。
「君の『創造』は、この世界の『物語の理』を根底から揺るがす。その度に、『真の原典』に記録された『終末の物語』の完成に近づく。それは、この世界の避けられない運命だ」
彼の言葉には、偽りがなかった。彼は、自身の『管理』の偽善性を認め、その上で、世界を救う手段がないという絶望的な現実を、僕に突きつけたのだ。
僕は、深く息を吸い込んだ。この絶望的な状況を打破できるのは、もはや長官の『知識』と僕の『創造』を組み合わせるしかない。長官の『管理』の知識は、終末へのプロセスを理解するための鍵であり、僕の『創造』の力は、そのプロセスを逆転させる唯一の希望だった。
「長官。私は、あなたの『正義』の矛盾を突きつけました。しかし、今、私は、あなたの『延命』という名の戦いを、否定することはできません」
僕は、長官の瞳をまっすぐに見つめた。
「私は、あなたの『延命』の戦いに協力します。私に、**『真の原典』に記録された『終末の物語』**の詳細を教えてください。そして、あなたの『管理』の知識を、私に提供してください」
僕の言葉に、長官は驚きを隠せなかった。彼は、僕が感情に駆られて逃亡するか、無謀な反撃を試みると思っていたに違いない。
「君は…私の論理を受け入れるのか?」
「私は、あなたの論理を受け入れたわけではありません。あなたの**『知識』と『時間』**を、借りるだけです」
僕は、そう言って、長官に手を差し出した。
「私は、あなたの『管理』の停滞を打ち破り、世界を『終末の物語』から解放する、新しい『物語の理』を創造します。そのための時間稼ぎを、あなたにお願いしたい」
長官は、僕の手をじっと見つめ、ゆっくりと頷いた。彼の瞳には、長年背負ってきた孤独な使命が、わずかに揺らぐのを見た。
「わかった。ジョナサン・クラーク。私は、君に協力しよう。君の『創造』は、私の『管理』にとって、最大の**『危険』**だ。だが、この世界に残された、唯一の希望でもある」
長官は、そう言って、僕の手を固く握った。MI6の『管理者』と、世界の『創造主』。
二つの異なる『正義』が、世界の終末という共通の敵を前に、一時的な共闘の誓いを交わしたのだ。




