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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第二章 プロジェクト アザゼル
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声なき声


僕たちは、『物語の原典』を見つけ出した。それは、この世界の『物語』のすべての始まりであり、すべての結末でもあった。


「これが…」


リリアンが、震える声で言った。


「これが、エイドリアン・グレイの『物語』…」


僕たちは、その分厚い本を開いた。中には、見慣れない記号や、暗号が記されていた。それは、この世界の『理』を、言葉にしたもののようだった。


「私たちは、この『原典』を使って、彼の意識を救い出す…」


リリスが、そう呟いた。

その時、テオが、本のページを、かすかに震える指で指差した。


「これは…」


僕たちが、そのページに目を凝らすと、そこに記された文字が、まるで生きているかのように、光り始めた。そして、それは、僕たちの頭の中に、直接、語りかけてきた。


『…私の…物語を…終わらせないで…』


それは、**『物語の支配者』**の声だった。だが、その声は、感情を一切感じさせない、まるで機械のようだった。


「彼は…僕たちに、語りかけているのか…?」


僕が尋ねると、リリアンは、静かに頷いた。


『…私の…物語を…終わらせないで…』


再び、同じ言葉が、僕たちの頭の中に響く。その声は、どこか悲しげで、そして、強い意志を感じさせた。


「彼は…僕たちに、彼の『物語』を、この手で、終わらせてほしいと、願っている…」


リリスが、そう呟いた。


「なぜだ…?」


僕が尋ねると、リリスは、僕を見つめた。


「彼の『物語』は、MI6の『物語』に、深く囚われている…彼は、この世界の『理』を支配する力を持つ、ただの『道具』だった…」


彼女は、そう言って、涙を流した。


「彼は、僕たちに、彼の『物語』を、MI6から、解放してほしいと、願っている…」


僕たちは、**『物語の支配者』**の真の願いを知った。彼は、MI6という『物語』から、解放されたいのだ。


「私たちは、彼の願いを、叶えなければならない…!」


僕は、そう言って、リリアンとリリス、そしてテオに目を向けた。


僕たちの『物語』は、MI6の『物語』に、深く絡み合っていた。だが、僕たちの『物語』は、彼らの『物語』を、終わらせる力を持っている。


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