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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第二章 プロジェクト アザゼル
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失われた支配者





「君の『物語』は、この『物語』の、最大の**『バグ』**だ」




**『物語の支配者』**が、そう言って僕に歩み寄ってきた。彼の瞳は、虚無を宿している。僕は、リリアンを抱えたまま、この絶体絶命の状況を、どう切り抜けるべきか、必死に考えた。


その時、僕の腕の中で、リリアンの体が、かすかに震えた。




「リリアン…!」




僕が彼女の名を呼ぶと、彼女はゆっくりと目を開けた。彼女の瞳は、まるで希望そのもののように輝いていた。だが、彼女の体は、まだ透明なままだ。




「彼は…本物じゃない…」




リリアンが、かすれた声で言った。




「どういうことだ…?」




「彼は…『物語の支配者』の、『抜け殻』…」




彼女の言葉に、僕は息をのんだ。




「彼の意識は、すでに、この場所にはない…」




リリアンは、そう言って、彼の瞳をまっすぐに見つめた。




「彼は、MI6に、彼の『物語』を支配された…彼は、この世界の『理』を支配する力を持つ、ただの『道具』だった…」




リリアンの言葉は、僕が持っていた、この事件のすべての常識を、覆した。MI6が、**『物語の支配者』**を操っていた。彼らは、彼の能力を利用して、この世界の『物語』を、彼らの都合の良いように書き換えていたのだ。




「そして…彼は、その支配から逃れるために…」




リリアンは、そう言って、涙を流した。




「彼は…自身の『存在』を、この世界の『物語』から、消し去った…」




**『物語の支配者』**は、自身の『物語』を、自らの手で終わらせることで、MI6の支配から逃れたのだ。




僕たちの目の前に立っている男は、その『支配者』の、意識のない抜け殻だった。彼は、MI6が、彼の能力を使い続けるために作り出した、ただの『操り人形』だった。




「だから…彼は、僕に、何も感じていなかったのか…」




僕がそう呟くと、リリアンは、静かに頷いた。




「彼の意識は、すでに…この世界の『物語』から、消え去っている…」




その時、男の体が、音もなく崩れ落ち始めた。まるで、砂のように、彼の体が、地面に吸い込まれていく。




「彼は…自身の『物語』を、完全に消し去った…」




リリアンは、そう言って、彼の消えゆく姿を、悲しげに見つめた。


MI6が追い求めていた『物語の支配者』は、もう、この世界には存在しなかったのだ。




僕たちの戦いは、新たな局面を迎えた。僕たちは、MI6が、なぜ『支配者』の意識を隠蔽したのか、そして、彼の『物語』の真実を、探さなければならない。



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