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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第二章 プロジェクト アザゼル
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塔に眠る真実





ロンドンの下水道。冷たい水が、僕たちの足元を静かに流れていく。僕は、テオと二人、リリアンを抱えたまま、静かに身を潜めていた。彼女の体は、まだ透明なままだ。脈はかろうじて打っているが、その生命の光は、風前の灯火のようだった。




「リリアン…」




僕は、彼女の冷たい頬に触れ、その名を呼んだ。だが、彼女は、僕の声に答えることはなかった。




「僕のせいで…」




テオが、悲しげに呟いた。彼は、リリアンが自分を救うために、その『存在』を削ったことを、理解していた。




「違う。君のせいじゃない」




僕は、そう言って、テオを安心させようとした。


その時だった。


リリアンの唇が、かすかに動き始めた。




「…ジョナサン…」




僕は、耳を澄ました。




「…塔へ…」




彼女は、そう呟くと、再び、深い眠りについた。




「リリアン…!」




僕は、彼女の言葉を、必死に噛み締めた。『塔』。それは、テオが日記に記された暗号を解読して見つけ出した、**『物語の支配者』**が潜む場所。




「彼女は…僕たちが、その『塔』へ向かうことを、望んでいる…」




僕の言葉に、テオは静かに頷いた。


その時、リリアンの手から、小さな光の粒が、宙に舞い上がった。それは、まるで星屑のように、キラキラと輝きながら、僕の目の前に集まっていく。そして、それは、一つの絵を形作った。




それは、見慣れたロンドンの地図だった。だが、その地図には、僕が知っているロンドンの街にはない、不自然な『空白』が、一つだけ存在していた。




「この『空白』は…」




僕は、テオと顔を見合わせた。




「…この『空白』に、『塔』は隠されている…」




テオが、静かに言った。


リリアンは、最後の力を振り絞り、僕たちに、新たな手がかりを残してくれたのだ。彼女は、僕たちが『物語の支配者』を見つけ出し、この世界の『物語』を、希望に満ちた結末へと書き換えることを、心から望んでいた。




「行くぞ、テオ」




僕は、リリアンを抱きかかえ、立ち上がった。




「僕たちは、この『塔』の謎を解き明かし、この世界の『物語』を、僕たちの手で取り戻すんだ」




僕たちの旅は、今、始まったばかり。



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