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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第一章 この世界の理
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凍結された時間





私は、リリスと長官、二つの『正義』の間に立ち、自身の『正義』を貫く決意を語った。




「僕は、どちらにも従いません。僕の『正義』は、**誰も犠牲にしない『物語』**を紡ぐことです。そして、そのために、僕は、あなたたちの『物語』を、この手で終わらせます」




私の言葉に、長官とリリスは、信じられないという顔をした。その時だった。




「轟音」




MI6本部から遠く離れたロンドン郊外で、地響きを伴う轟音が響き渡った。アーカイブ室の窓が、衝撃波でけたたましい音を立てて砕け散る。




「何事だ…!?」




長官が警戒するように窓の外に視線を向けた。彼の無線から、パニックに陥った隊員の声が聞こえてきた。




「長官!ロンドン郊外で大規模な爆発が発生!火災が拡大しています!」




「爆発…!?」




長官の顔が驚愕に歪んだ。その爆発はただの事故ではない。まるで、誰かの**『意思』**によって引き起こされたかのような、異様な空気を放っていた。


その混乱の中、リリスが操っていたゾンビ化した男たちが、再び唸り声を上げ始めた。彼らは、まるで何かに導かれるかのように、アーカイブ室のドアから外へと向かい始めた。




「彼らは…!?」




その時、アーカイブ室の砕けた窓枠から、一人の少年が静かに現れた。彼は、何の音も立てずに、まるで宙に浮かんでいるかのように、そこに立っていた。




彼の瞳は、まるで深い氷河のように青く、その手には、まるで時そのものを形にしたかのような、小さな砂時計が握られていた。




「プロメテウスの『絶望』の物語も、リリスの『歪んだ絶望』の物語も…すべては、僕が、終わらせる…」




少年は、そう言って、私とリリス、そして長官を交互に見つめた。


リリスは、その少年の姿を見て、目を見開いた。




「彼は、『プロジェクト・アザゼル』の**『時の紡ぎ手』**。プロメテウスが探し求めていた、物語の時間を操る力を持つ者…」




リリスは、その少年の正体を知っていたようだ。彼は、MI6とヘリオンが作り出した、もう一人の『物語を改変する者』。だが、彼が持っている力は、リリアンやリリスの力とは違う。彼は、**『時間を止める』**力を持っている。




「私は、すべての『物語』を、この手で終わらせる…」




少年がそう呟くと、彼の握る砂時計の砂が、音もなく下に落ち始めた。


その瞬間、アーカイブ室の中の時間が、まるで凍りついたかのように、ぴたりと止まった。


新たな能力者の登場に、私は、この世界の『物語』が、新たな局面を迎えたことを理解した。



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