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Invitation to MI6  作者: 徳田新之助
第一章 この世界の理
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歪んだ再会





私がリリアンから差し出された日記に手を伸ばした、その瞬間だった。


教会の外から、甲高い爆発音が響き、ステンドグラスがけたたましい音を立てて砕け散った。月の光が、粉々に飛び散ったガラスの破片を照らし、まるでダイヤモンドの雨が降っているかのようだった。


「何事!?」


リリアンは、警戒するように身構えた。私もまた、拳銃を構え、周囲を警戒した。


「グルルルル…」


砕け散ったステンドグラスの窓枠から、一人の男が、這いずるように入ってきた。その男の顔には、まるで獣のような牙が生え、瞳は虚ろだった。牧場で私と戦った、ゾンビ化した男だ。


だが、彼だけではなかった。


その後ろから、同じように痩せこけた男たちが、次々と教会に侵入してきた。彼らは、牧場の男と同じように、まるで誰かの命令に従うかのように、一糸乱れぬ動きで私たちに迫ってきた。


「ヘリオン…!なぜ、こんな場所に…!」


リリアンは、驚きと怒りが入り混じった表情を浮かべた。


「私の『駒』は、あなたに捕らえられたはず。どうして…?」


その時、男たちの背後から、一人の男がゆっくりと歩み寄ってきた。黒いコートを纏い、顔には深い絶望を宿している。


「ようこそ、リリアン。そして…『物語の紡ぎ手』」


男は、そう言って、私とリリアンを交互に見つめた。彼の声は、まるで地の底から響いてくるかのように、冷たく、重々しかった。


「プロメテウス…!」


リリアンは、敵意をむき出しにして、男の名を叫んだ。


「その呼び方はよせ。私は、世界の『真実』を紡ぐ者だ。そして、お前は、その真実を隠蔽し、偽りの『正義』を主張する、裏切り者」


プロメテウスは、リリアンに一歩ずつ近づいてきた。彼の周囲の空間は、まるで時間が止まっているかのように歪んでいる。


「この世界の『物語』は、悲劇的な結末を迎えるべきだった。だが、お前は、その結末を勝手に書き換えた。私が作り出した『絶望』という名の物語を、お前の『希望』という名の偽りの物語で上書きしようとした」


プロメテウスは、私に目を向けた。


「そして、お前は、私に捕らえられた『希望の太陽』。お前は、私の『物語』を破壊する存在だ。だから、私は、お前たちの『物語』を、ここで終わらせる」


プロメテウスは、両手を広げ、彼の背後に控えていたゾンビ化した男たちに、冷たい命令を下した。


「お前たちの『物語』を、ここで終わらせろ」


男たちは、唸り声を上げながら、私たちに向かって襲いかかってきた。リリアンは、私を守るように、私の前に立ち塞がった。


「彼は、あなたを狙っている。あなたの『物語』を、この世界から消し去ろうとしているのよ!」

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