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第7話 裏口就職?替え玉受験?

元々噂はあった。

金を積んだら、王城の事務官に就職できる、というもの。

たまに、あまりにも仕事のできない子が疑われていたが…。あるかもな。


貴族の跡取り以外の、次男坊や三男坊に事務官職や騎士職は人気。分け与える領地があればいいが、無い場合?いい婿入り先を探すか、就職になるよね。

女の子にも実は人気がある。家の意向に振り回されずに自立できることと、人によっては…いい嫁入り先を見つけることが出来ること。



さすがにディーの答案用紙は加工された跡はない。

そうよね。一大事になっちゃうわよね。殿下に正面切ってケンカ売ろうって奴はいないはず。


答案用紙一式寄こせ、と、言った段階で、工作した人たちはおびえたか?もう逃げていないかも。ばれるはずないと思ってるかな。さて、どうするかな。


とりあえず…エルちゃん、じゃないほうを捕まえてみるか。エルって子が不正にかかわった気はしない。いや?家の借金のために答案用紙売った?無くもない?


何年か前に、替え玉受験、といって、本人を騙って、髪色まで似せて違う人に受験させる、というのが流行したらしい。その防止のため、口頭試験が導入され、試験はもちろんだが本人確認もする。そしてその口頭試験の試験官が、筆記試験の会場にも詰めている。もちろん、全員の顔と名前を憶えているわけではないが、抑止力にはなる。


「ちょっとこの書類にサインして。」

殿下の執務室に戻って、目の下に隈が出来ている我が婚約者にサインをさせる。

「・・・この男、何やらかしたの?」

「んーー。捕まえて見ないとわからないのよね。ちょっと待ってて。」


カルラはモーニカ嬢の聞き込みに行っている。

さあ。どうでるかな?



*****


「俺は頼まれただけだ!!!」


捕まえて見たら、平民?いや、一昨年首になった王城の元職員。今は下町に住んでいる。


「金を、金を積まれて。普通に受験してくれるだけでいい、って。だから、普通に受験しただけだ!!」

「・・・受験するのは構わないけどね。金を積まれた段階で、おかしいと思わない?」

「・・・いい仕事だと思った…。」


・・・頭はいいけど、倫理観が欠如しているタイプ?


「で?あなたにお願いしてきたのは、誰かな?」


たまたま持っていた扇子で、拘束されているその人のあごを上げさせる。触りたくないし。



*****


「モーニカ嬢を観察してまいりました。」


カルラの仕事はいつも早いわねえ。入れてもらったお茶を飲みながら報告を聞く。


「どう?」

「合格したのがかなり嬉しいらしく、あちこちで言い回っておりました。近々王太子殿下の秘書官になって、恋に落ちて、王太子妃になって、王妃になるらしいです。」


ぶはっ、と、隣でお茶を飲んでいた殿下がお茶を吹き出す。


「・・・かなり面白い子ですね。どうですか?殿下?」

「どう、って?イングリット…。何が?」


「王太子殿下は私の知り合いだから、お手紙書いたら届けて差し上げますよ、って言ったら、書いてくれました。サイン入りです。こちらです。」


どれどれ?


・・・下手くそな字だな???





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