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第13話 女子会。

「で?あなたたち、どこまでいったの?」

「え?」


今日は無礼講なので、3人とも寝間着姿。

エルって…こじんまりとした子なのに、胸が大きい。ふっくら幼児体型なのかと思い込んでいた。…気が付かなかったな。

これは…狙われるわね。確かに。幼げな顔とのギャップが萌える。

カルラが私の視線の先に気が付いたらしく、お酒を飲みながらニヤリと笑った。


「ディー様とですか?カフェとか、ケーキ屋さんとか…。いつもご馳走してくださるんですよ。うふふっ。」


エルはチビチビと甘いお酒を飲んでいるが、もう顔が赤い。


「いや、そうじゃなくて。抱きしめられたとか、キスとか?」

「え?いえ、そのようなことは…。あの方は、いい友人ですから。」

「へ?」

「ふっ。いやあ、18歳の頃のアンドレアス殿下に見せてあげたいですね?お嬢様?盛りのついた犬みたいでしたからね。引き離すのに苦労しました。あははっ。」

「・・・・・」


カルラ…その節は世話を掛けたわね。

カルラが注いでくれたシャンパンを飲む。


「ねえ、エルちゃん…20歳になったら婿を取って、ご自分の領地を再建する話、保留にしたんでしょ?」

「・・・はい。」


「あなた、領主になりたくはない?」


「・・・結婚して、その婿が、でございますよね?」


「いいえ。あなたが領主になればいいのよ。そもそも、女だというだけで、継承権がないのがおかしいのよ。私たちが変えていくのよ。父親が早くに亡くなって、仕方なくあの義父を婿にとって、あなたの母親が領地を守ってきたんでしょう?女だって領地管理が出来るのは、あなたが一番よく知っているのじゃなくて?」

「・・・え?そのようなこと…」


じっと私たちの話を黙って聞いていたカルラが、切り出す。


「・・・お嬢様?この国はまだまだ女は男に従属する《《物》》です。子供は親の物、嫁に行ったら夫の物、年老いたら息子に服従。これがこの国の道徳で、美徳です。男も女もそれが当然だと《《教育》》されて育ちます。そして…それがおかしいと声を上げる女は、処罰されるでしょうね、《《物》》として。これが現実です。僕は理想論をかざすのは好きではありません。」


「カルラ…あなた…。本気で言っているの?」


「ええ。だから、準備は過ぎるくらいに慎重に。特に、初代の女領主になる人間は、厳選しなければなりません。失敗すれば、そこですべてが終わってしまいます。男ならやり直せることも、やはり女では駄目だったと。そう叩かれて、お終いです。」

「・・・そうね。」

「ここで、迷っているような方には任せられないと僕は申し上げているんです。」

「・・・・・」

「これは最初の一歩です。お嬢様は女性がものを言える時代を作って行かれるのでしょう?まあ、軽く100年くらいはかかりそうですがね。」

「そうね。」


カルラ…酔ってる?

目が座ったまま…今度はエルに向き合う。


「エルも疑問に思わないか?例えばあなたが事務官になったとして?仕事を続けている女性事務官は皆独身だ。男の事務官は結婚して家庭を持っているのに、だよ?しかも、出世していくのは常に男。なぜだと思う?」

「・・・能力、の問題でしょうか?」

「それがね…能力以前に、養う家族がいるから当然なんだってさ!?」

「・・・・・。」

「能力、以前に、男だから。なんだよ!」


カルラが熱弁を振るうだけ振るって、寝てしまった。カルラの後ろに転がっている酒瓶の数を見れば、まあ…寝たくもなるわね。

カルラにそっと毛布を掛ける。短く切った茶色の髪をそっと撫でる。この子は髪を伸ばそうとしない。


「珍しいわね。ここまで怒りを出すなんて。うふふっ。エルちゃんが羨ましくて、じれったかったのね?」

「・・・羨ましい?ですか?」

「この子はね、元々はとある侯爵家の4女なの。男が生まれないことに怒ったその侯爵殿が怖かったんでしょうね。母親が、男の子として育てたのよ。」

「え?」

「もちろん、成長の過程でばれたわ。母親は自殺。この子は、死んだことになったの。」

「・・・・・」

「うちの父がたまたま保護して、うちの執事長の娘にした。名前も付けた。この子は…カルラ、になったけど、髪はまだ伸ばせないのよ。自分が何者か、未だに納得していないのかな?そこに来て、あなたに爵位を継承できるようにするっていうのが…。」

「・・・・・」

「まあ、気を悪くしないでね。爵位の件も。あなたが最初の希望通り事務官になりたいというなら、手続するから。」


「・・・・・」











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