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⑺『私財を売り払う』
⑺『私財を売り払う』
㈠
私財を売り払うことに、何の悲しみもない訳ではない。それなりに、愛着というものが有り、例えば本ならば、その本を読んで感動したことなどが、想起されるのだが、しかしやはり、売れて手元を去ると、すっきりとするのである。
㈡
とにかく、私財というものは、金銭に変化出来るという点で、資産のようなものである。同時に、それがどれくらいの価値を持ち、また、いくらで売るか、ということを、吟味し、選択して、売り払うのだから、それなりの賭けの様な状態でもある。
㈢
つまり、私財を売り払うということは、一つの、賭け事の様なフィルターを通して、誰かの元へと旅立って行くのであるから、それなりの楽しみとでも言おうか、売り払うという行為に、一種の賭けが、何度も言うが、関わっているのである。