絶縁エンド
「宇羅手伝って」
あなたもわかってるでしょう。
無言で肩を貸す彼女と一緒に、最後の仕上げに向かう。
おわれないおわれないおわれないおわれない。
理不尽から生まれた狗の神の叫びが響いた。
身体を不条理な暴力で潰されようとその怨みは消えず、
命を喰らっても、喰らっても満たされない渇きからは逃れられない。
だから。
なおも飛翔しようと足掻く。
それが幽霊屋敷「乾森学園」
渇きを癒すことが。
と。
消滅を目前にして、自分の願いと向き合った時。
それは初めて違和感を覚えた。
《《 違う》》。
《《違う、自分の願いはそうじゃなかった》》。
庚の毒は確実に浸透していた。
怨嗟に囚われた存在に、致命的な疑念を植え付けるほど。
あるいはそれこそが祓い。救いであるのなら。
「お待たせ」
そして。
数多の命を喰らってきた幽霊屋敷に、
終わりをもたらす者が訪れた。
白い蚕蛾の残骸の中心部にそれはあった。
祟り殺すために祟り殺す怨霊は存在しない。
なら森白学園の大量殺戮の目的は殺戮ではなく
「見つけてほしかったんでしょ。杭であたりを打ち込んだのも、音を立てるためだった」
杭打ち。
杭を撃つ。
貯水槽の中で朽ちていく自分の居場所を伝えるために。
「まあ犠牲者にとっちゃ頭ハッピートリガーな殺人鬼だろうと何だろうと変わりはないし、
許すとかは私の言うことじゃない」
だから。
「とりあえず、あなたはあなたの怨みを喰らい尽くして消えなさい。そして私たちの血肉になれ、乾森学園」
その宣告と共に、
もうすでに影のように辛うじて形を保っていたソレは完全に灰となって霧散した。




