第4話:ネクロマンサーと妹、王都ギルドへ向かう。
無事に依頼表にサインを貰った僕達はレーネの転移でギルドに帰ってきた。
転移石を使おうとしたらレーネが「転移ならボクができるから要らないデショ?」と言ったので。
うん、それはそうだけどキミに負担をかけるのはちょっと…
(ちなみに僕はあれからずっとレーネを抱き抱えたままである)
え?なら報酬として頭ナデナデしながらのキスがいい?無欲だねレーネ。
「ふにゃぁ〜♡」
「…嬉しそうで何よりだよ。
さて!メリュ様、リリカさん。ここは王都の冒険者ギルドだ。
とりあえず報告してくるから中にある酒場で何か飲みながら待っていてよ。」
ちなみに、魔族である2人には申し訳ないけれど、それぞれ魔法使いらしい三角帽子や騎士らしいヘルメットを被って頭部の角を隠して貰っている。
一応戦術的にも魔道士と騎士で通りそうだしね。
…そうなると問題なのは見た目が可愛い女の子と美人な女騎士である2人だけじゃ変なのに絡まれそう、という事、レーネは僕から離れたがらないし残したとしても可愛い女の子だから意味が無い。
ならば………
「…サモン【アーサー】。」
『…おや?お呼びですか我が王、我が姫。』
「…ごめんアーサー、面倒事を避ける為にも2人の護衛をお願い。」
アーサーは僕の事を〖我が王〗、と呼ぶ。
理由を聞いた所、元々の主であった王様が居たからだとか。
今となってはそれこそが初代魔王フェンネル様とアルカ様だった訳だ。
ちなみに、僕はその2人が召喚出来ない。
単純に力量が足りないのか、あるいはー
『ふむ…?これはこれは美しいレディ。
僭越ながらこの私が護衛をさせていただきます。
よろしくお願いします、レディ。』
「……何をしておるのだ桜華殿?」
「た、隊長!?なぜここにっ!?」
『…はて?オウカ…とは…?それに、隊長…?』
ん…?そうだ、それよりこちらの事だね。
アーサーは金髪碧眼の優男風なイケメン。
大抵の人が思い浮かべる〖理想の王子様〗な風貌をしている。
同じく『理想の天使様』な風貌(金髪碧眼の優し気な美少女)のナイチンゲールと並ぶと兄妹に見える様な見た目だ。
…そんなアーサーが現四天王の魔法剣士隊隊長にそっくり…?
てっきり名前的に東の方の黒髪の人物をイメージしていたんだけど。
「……もしかしてアーサーって生霊…?」
『いや、私は間違いなく1000年以上前に死亡しているよ。
恐らくその〖オウカ隊長〗とやらは私の子孫で先祖返り、ではないかな?
となるとこのお方は今代の、かい?』
流石にギルド前、しかも街中に居るからかみなまで言わない。
邪魔にならない様に脇で召喚をしたとは言え目立ってるしね。
というかやはりアーサーはイケメンだから街の女性達が足を止めて見惚れているし。
「むっ…?いや、じゃが桜華殿は女性じゃからやはり別人…じゃな?」
「で、ですね…?アーサー様は喉仏も見えますしあからさまに男性ですし……それにしても隊長にそっくりですが……
「まぁ、あの男装の麗人である桜華殿じゃからのぅ
…。」
なるほど、桜華隊長さんとやらは男装の麗人らしい。
つまり見た目はイケメンな訳か。
『私はそのオウカ隊長に興味が湧いてきたよ。
会える日が楽しみだね。
さぁ、それより我が王は報告だろう?
ここは私に任せて行きたまえ。』
「あ、うん。そうだね…?」
「はっ!?あ、やっほーアーサーさん♪」
『おや、随分可愛らしくなったね。また後でゆっくり話そう、我が姫。』
「はーい♪」
レーネ、キミ今まで蕩けてたのね………
……依頼達成の報告を済ませて報酬を受け取り、魔物の死骸を鑑定してもらう為に預けてから3人が居る席へ行くと…?
『やぁ、おかえり我が王。』
「おかえりなのじゃあ〜♪」
「お疲れ様ですリトさん♪」
「…なんかそうしていると君達は親子みたいだね。」
「だから誰も近寄らなかったんじゃないかなぁ?」
『ん?』
「のじゃっ!?」
「えっ!?」
いや、だって何故か家族団欒の雰囲気だし、メリュ様に至ってはパンケーキなんて洒落たもの食べてるし。
(と言うかこの酒場にそんな洒落たメニューあったの??)
「…作戦成功、なのかな?」
『うん、大成功だね我が王。』
「……ならよし。」
ツッコミだしたらキリがないと察したよ僕は。
敢えて言えばアーサーのポジションが件の桜華隊長なのだろうな、と。
「それで、コレからどうするのじゃ?リト殿。」
「うん、国王陛下に謁見を申し込もうと思ってるよ。」
「ほぅ…?
お主がEXランク冒険者、とやらとは道中で聞いたが、王族へ簡単に謁見申請をするなぞ……
そんな権限まであるのかえ?」
「うーん………そうだね、EXランクともなれば国からの緊急依頼に拒否権が無い代わりに僕から国王陛下に謁見申請をするのも自由なんだ。
任務報告もあるからね。」
正直そんな七面倒臭い束縛、あの国王様と王妃様で無ければお断りだよ。
ただ、あの2人………リシャルド国王陛下とアイリーン王后殿下には大恩があるからそうしただけ。
あの2人が亡くなれば僕はこの国を去るつもりだ。
…今の僕とレーネは秘術で〖20歳以降は不老〗だからね。
不死は蘇生魔法で代用可能だし、
死にたくなった時に死ねないのは心が壊れるから要らないんだ。
ちなみに、彼等2人の呼称は心の中では国王様、だとか呼び捨てで、だ。
気軽に呼んでいるのはあの2人と個人的に会う時には向こうが良いと言っているので名前を呼び捨てにしてる訳だし彼等との関係はかなりフランクだ。
うん、魔王様であるメリュ様ともこんなにすぐ親しくなったし、周りの人や英霊が凄すぎて(異界の神やら異界の王族やらが居るので)王族への感覚が麻痺してるかもしれない。
そもそもこのアーサーも異界だと騎士王と呼ばれていただとか…?
異界出身なのに何故か魔王軍四天王、経歴が謎である。
おっと、話が逸れた。
「要するにお主はアルカディア王国の近衛兵、の様な立場だと考えても良いのかのぅ?」
「まぁ、概ねそうだね。」
(厳密にはあくまで冒険者、だし国に所属する義務は無いんだけど。)
「うむ、それは重畳。なのじゃ!
アルカディア王室の関係者には逢えたし、
リリカもこうして生きておる、我ながら幸運じゃな…
「まだまだ運命は私達を見捨てては居ないようですね、メリュ様。」
「じゃのぅ…
してリト殿、アルカディアの国王陛下にはいつ頃謁見出来そうかの?」
「今から申請したら最短で3日後かな?
急ぎの用ではあるけど、城に重鎮を招くとなればあちらの準備も色々あるから。
本来なら到着する1週間前には連絡が行くように行動するべきだし。」
「なるほど、そこはわらわ達とあまり変わらぬな。」
「理解が早くて助かるよ、メリュ様。」
(チラッ)
(!)
「えらいえらい♡」
「にへぇ〜…♪」
僕がリリカさんに目線を送ると、察したリリカさんが僕の代わりにメリュ様の頭を撫でてくれる。
大好きなリリカさんからのナデナデだからメリュ様は満足気だ。
…うん、話してる間、空気を読んで黙っていたレーネがなんか怖いからね。
だからレーネの頭から手を離せなくて。
「それじゃあお兄ちゃん?」
「なにかなレーネ。」
「待ってる間にダンジョンへ冒険に行こう!」
「………レーネはメリュ様とリリカさんは護衛対象だって分かってるよね!?」
「お兄ちゃんの蘇生魔法があれば大丈夫だよ〜♪」
「妹からの信頼の眼差しがいたい!!」
「わらわに異存はないのじゃ!」
「…立場上、私としては反対したいのですが…
「リリカ…?」
「うっ…!そんなウルウルした目で私を見上げないで下さい……!
だ、ダメです!!貴女は隊長と神子様から託された大切なお方…!
危ない事はしてはいけません!!」
『貴女達は私が護るよ?』
「アーサー様が居てもダメですっ!!」
『ならば我も護ろう。』
「ファフニール様!?子竜の姿可愛い…って!
だ、ダメです!!」
『喚ばれた気がしましたぁ〜♡
盾役と回復支援はお任せを〜♡』
「ジャンヌ様!?だ…だめ………
『ならば私の魔術でも守護しようか?』
「ソロモン様まで!!うぅ〜…!!」
『我等(四天王)が揃えば貴女達(魔王様)の守護は完璧では?』
「うぅぅ〜………!!!!」
「涙目のリリカさん可愛い♪」
「ウッ…か…可愛いのじゃ…しゅき…♡」
「コラコラ、困らせない!」
悪ノリが過ぎるよ古の四天王!?
あとレーネとメリュ様ちょっとサド入ってない!?
「とりあえず保護者のリリカさんがダメだって言ってるんだからダメっ!
大人しく街で待つよ!!」
「え〜っ!?
なんだよぅ…女の子に生まれ変われたらお兄ちゃんと2人きりで冒険出来ると思ってたのになぁ〜…
お兄ちゃんったらお人好しだからまぁた女の子の護衛なんて紳士ムーブしてるんだもんなぁ〜……?」
うっ……それを言われると弱いなぁ………
確かに僕だってレーネと2人きりにはなりたかったし……
「…………。アーサー?ジャンヌ?」
『分かった、私とジャンヌが護衛に残るよ。』
『お2人でダンジョンへどうぞ〜♡』
「…ソロモン。」
『分かった連絡は私が承ろう。』
『ふむ…?今回は我の出番は無しか?』
「うん、流石に街中やダンジョンじゃあ君は無理かな…?」
『そうか。残念だな。』
「ごめん。」
『なに、我が勝手に出てきたのだ。気にするな。』
「ありがとう。それじゃあ後は任せたよ!」
「わぁい♪お兄ちゃんとダンジョンデートだぁ〜♪」
「お気軽だなぁ………
レーネじゃ無かったらダンジョン嘗めてるのかって感じだよ全く……
とりあえず必要な物を買い足すかなぁ………
ダンジョンに行くには遅い時間(昼過ぎ)だけれど、最低でも2日は泊りがけ前提だしそこは気にしない。
「むぅ…わらわもダンジョンに行きたかったのじゃ………
『あらあら〜♡
その代わりこの王都をジャンヌお姉ちゃんが案内しますからぁ〜♡』
『美味しいものや楽しい物もあるから期待すると良いよ。』
「よろしくお願いします、アーサー様、ジャンヌ様。」
「…うむ、よしなに頼む。」
『さて、では私は通信手段を準備するとしよう。』
「あっ…ソロモン様、お手伝いは要りますか?」
『いや、簡単だからそれには及ばないよ。
ただ、メリュ様に教育する機会や知恵が必要になれば頼ってくれたまえ。
準備は直ぐに終わるから正直後は暇なのでね。
私で良ければ教師役を承ろう。』
「『私で良ければ』だなんて恐れ多いです…!
最高の先生ですよソロモン様!」
「えー…ここに来てまで勉強はいやなのじゃぁ…
「メリュ様?そんな態度では城に帰った時に神子様に叱られてしまいますよ?」
「うっ…あのゆるふわ系で優しい神子殿が怒るのは怖いのじゃ…仕方ない、帰ったら勉強するとしよう。
よしなに、ソロモン殿。」
『承ったよ、楽しんで来なさい、メリュ様。』
「よし、それじゃあ僕達はダンジョンへ行こうか?レーネ。」
「うんっ♪」
皆が話してる間に準備を整えた僕とレーネはダンジョンへ
アーサー達を護衛にしたメリュ様とリリカさんは街へ繰り出したのだった。
さて、レーネと2人きりの戦闘は初めてだ!
とりあえず英霊に頼らずに何処までやれるか試してみよう!!
【オマケ】騎士王と悪魔聖女が素で会話するって話。
※アーサーとジャンヌがキャラ崩壊しているので嫌な方は読み飛ばし推奨
ジャンヌ:(うーん……私ってば英霊としては特異な〖分霊〗だし、もしこの王都で本体に会ったらどうしよ…ふぅ……)
アーサー:…ジャンヌ?
ジャンヌ:(!)はぁ〜い♡なんですかアーサーさんっ♡
アーサー:私の前では無理して〖悪魔聖女〗を演じなくても良いんだよ?
ジャンヌ:はてぇ〜?なんのことですかぁ〜?♡
アーサー:……無理するな、ジャンヌ。
生前にお前の夫だった“僕”として忠告するよ。
(低音イケボォ)
ジャンヌ:ふぇっ!?
……ご…ごめんね…?旦那くん。
そう言われると弱いんだよぅ…
アーサー:ははっ♪惚れた弱みってやつかな?
ジャンヌ:貴方が言わないでくれる!?
アーサー:……今ここに居るのは魔王様だ、素で接してみてもいいと思うよ?
ジャンヌ:…聖女がこんな感じで引かれないかな?
アーサー:大丈夫さ、僕から見て素のままの君が素敵だよ。
ジャンヌ:っ!?
ぎるてぃぃっ!旦那くんぎるてぃぃっ!!♡
アーサー:うん!やはり素のままの君が好きだっ!!
(抱きしめる)
ジャンヌ:ばかぁぁっ!しゅきぃぃぃっ!!♡
(全力でハグ返し&頬擦り)
ソロモン(この2人が実はマスター(リト)やその妹さんと同類だとバレるのはいつの日だろうか?)
メリュ:(なんじゃ、最初はふざけた奴じゃと思うておったがやはり神子殿のご先祖さまじゃなあやつ。)
リリカ(寧ろ素のままの方が良い気がしますよジャンヌ様!?)
メリュ(と言うかまんま隊長殿と神子殿じゃなコレ。)
リリカ(と言うかほぼ桜華隊長とオルデン神官長の会話ですねコレ。)
※本編とはあまり関係……ない……のか………???




