第12話:ネクロマンサーと妹、狂戦士と共に王城へ。/魔王と女騎士、襲撃犯を追う。〘メリュ視点〙
久しぶりの更新です………
戦闘が終わり、デスペナルティーの影響も無くなって意識がハッキリした僕は、戦後ケアとしてアスクレピオスとナイチンゲールを残してレーネやヴァルと共に王城へ帰ってきた。
「それにしても面目無い……僕だけ後半は何もしてなかったし………
「気にしないでよお兄ちゃん♪
お兄ちゃんの仕事は本来なら召喚した英霊の指揮なんだし!!」
「そうだぞリト!お前の真価は【仲間を死なせない事】だからな!
俺様達前衛とは強さの基準が違うから気にすんな!」
「…ありがとう、レーネ、ヴァル。」
「えへへー♪ボクはお兄ちゃんが居てくれるだけで何時でもフルバフだよ♡」
「…………レーネが可愛過ぎて辛い。」
「うわ。口から砂糖吐きそうだわ。」
アホな事言いながら一先ず謁見室に行ってみた。
するとそこには怪我ひとつなく安心した雰囲気の兄さんと姉さん、ローナやソロモンとシヴァが居た。
…メリュ様やリリカさんは居ないようだけど…?
「ただいま戻りました。」
「ただいまぷっ!?」
「おかえりなさいれーねちゃぁぁぁん♡」
「ーご苦労様、リト。
お前達の活躍のお陰で王都への被害は奇跡的にゼロだ。
…戦死者は多数出てしまったが、な。」
(姉さんはスルー、か………ははは………)
「…一応、アスクレピオスは残してきたから寿命と死体さえあれば死んだ人達は蘇らせれるはずだよ。」
「…そうか。
リトはますます規格外だな。」
「規格外なのはアスクレピオスだけどね?」
まぁ、僕も完全蘇生出来るけどさ。
ただ、アスクレピオスと違って肉塊や灰になってしまった人までは治せない。
あくまで五体満足…少なくとも胴体と両手足が炭化していたとしても近くにある様な死体までだ。
原型を留めていない死体を蘇らせれるのは恐らくアスクレピオス位だろうね。
っと、それより。
「ところで兄さん、メリュ様とリリカさんは?」
「2人はアーサーとジャンヌを伴って今回の襲撃の黒幕を追って行ったよ。
アーサーがリトによろしく、と言っていた。」
「そっか………せっかくヴァルを連れてきたんだけどな………
「ヴァル?そこに居る武人かい?」
「ーお初にお目にかかる。我が名はヴァル。
魔国より参りし魔王様直属の狂戦士なり。」
「…ここには身内しかいない。
堅苦しいのはなしにしたまえヴァル殿。
私はリトの兄であるリシャルドだ。よろしく頼むよ。」
「………ハハッ!やっぱりバレてたか!流石リトの兄貴様だな!!」
「てかかなり違和感があったよヴァル…
「そうか?」
「うん、誰おまだった。」
「それはそれで心外だぞリト!?」
「はは、随分仲がいいね?リトは魔族に知り合いが多いのかな?」
「彼とは…そう、戦友、だからね。」
流石に敵対していた四天王の1人とは言えない。
ヴァルも今は理性が勝ってるからか余計な事は言わず、ただ誇らしげに仲間然として佇んでいる。
「特に今回は彼の活躍に随分と助けられたよ。」
「うんっ!ヴァルさんはまるで英雄譚に語られる英雄みたいにかっこよく助けに来てくれたんだ!!」
「……どうやら我が弟と娘がかなり世話になったらしい。
家族としてお礼を言わせてもらうよ。ありがとう、ヴァル殿。」
「いや、俺様が殺りたくて殺っただけだ!
そこにたまたま友が居たから共闘したまでの事!!
礼は要らないぞ?リシャルド殿!!」
「…分かった。
ではヴァル殿はリトの客人として迎え入れよう。」
「部屋は僕達の近くでいいかい?それとも一応メリュ様達の近く?」
「ん?魔王様達も居るのか?
ってさっき黒幕を追って行ったとか言ってたな。」
「うん。今から後を追うかい?」
「…俺様の足なら位置さえ分かりゃあ追い付けるだろうが、生憎俺様には隠密行動は向かねぇ。
大人しくしとくさ。」
「そうかい?」
「ああ。派手に殺れねぇなら俺様は行かない。」
(それに、今の俺様は離反者だからな。)
「…まぁ、護衛ならアーサーやジャンヌも居るし、ヴァルが無理に行く必要も無いだろうしね。」
「そうゆうこった!」
そう言ってカラカラと笑うヴァル。
理性が勝ってる時は普通に親しみやすい兄ちゃん、なんだよなぁ………
「うふふー♪お菓子、美味しい?」
「うんおいしー♪」
「…………なぁ、リト、あの王后サマがお前の姉貴でレーネの母親、か?」
「あー…うん。そうだよ…?」
「…勇者…もとい、レーネの奴、えらくリラックスしてるな?」
「正直に溶けてるって言ってもいいぞヴァル。」
「あぁ、なんかこう。年相応な顔してんな。
王女と言えど、やはりまだ甘えたい盛りの子供か。」
「…それは間違いないね。」
だからこそブラコンを拗らせて僕の恋人になったくらいだし。
そんなレーネをほっとけ無かった自分も似たようなもの、かな?
「まっ、何にせよこれで王国は大丈夫だな!
俺様もたまにはのんびりさせてもらうわ!」
「ん?珍しいね、戦闘狂のヴァルが休憩なんて。」
「………まぁな。」
(俺様の『直感』が、今はここを離れるべきじゃねぇと囁いてきやがるからな…!
無事でいてくれよ、魔王様方よォ…!!)
→→視点変更→→メリュ
………わらわ達は今、ある者を追って王都から離れておる。
それと言うのもー
~1時間前~
「それは、本当なのじゃ?」
「ええ、間違いありません。」
「…そうか…あやつめ…………
『メリュ様〜どうしましたぁ〜?♡』
『何か問題が起こったのかい?メリュ様。』
「ジャンヌにアーサーか、此度はご苦労さまじゃたのぅ。」
『いえいえ〜♡わたし達のお仕事ですのでぇ〜♡』
『それより、何があったんだい?』
「うむ。実はな……リリカが今の四天王…いや、元・四天王であった【グスタフ】が今回の魔物大量襲撃の元凶だと言うてな。
あやつの魔力の残滓も感知したそうなのじゃ。」
『グスタフさん〜?♡』
『……ソロモンに連なる者、かい?』
「そうじゃな。
【知略のグスタフ】。
あやつはお父様の代の時、その様な位に居った。」
「ですが、先代魔王様がお亡くなりになった時にグスタフ様はコキュートスから出奔、その後行方不明になっていました。」
「じゃが…なぜ今になってアルカディア王国へ攻撃なぞ…………
『ふむ…とにかく後を追い、捕縛して尋問、かな?』
「ですね。アルカディア国王には私が手紙を送っておきます。」
『ではでは〜♡直ぐに追いかけましょ〜♡』
(…………。)
まぁ、生前のお父様からはある程度の事情は聞いておる故、出奔した理由に関しては分かるのじゃが。
それにしてものぅ…?
こんな事をしたってオルデン神官長は喜ばんのにのぅ…?
して、ジャンヌ殿の追跡能力の高さからあっさりと件の犯人…グスタフを見つけ出したわらわ達は、
わらわの用意した符で姿を隠しながら後を追っておるのじゃ。
ジャンヌ殿…流石悪魔、と言っておくのじゃ………
『褒めてもなでなでぎゅーっ♡しか出ませんよ魔王様ぁ♡』
「や…辞めぬかジャンヌ殿…あふ…のじゃぁ〜♡」
「………メリュ様、チョロいですね。」
『(これがチョロインかな……?)』
※違います
『んふふ〜♡
さてさてぇ〜…悪魔の追跡からは逃れられませんよぉ〜☆
わっるぅ〜い方はぁ〜…この悪魔聖女様が許しませぇ〜ん♡』
『悪魔なのに正義感が強い所がジャンヌの魅力だね。』
「あ、はい。惚気は後にして下さいアーサーさん。」
『ふふっ、私の扱いに慣れてきたねリリカ。』
「…………ええ、それはもう桜花隊長とオルデン神官長で慣れてますからねぇ!?」
『悪魔聖女、分かっちゃいました〜♡
そのオルデン神官長はわたしの子孫ですねぇ〜♡』
『だとしたら、オウカ隊長は私の子孫だと思うし、子孫同士がまた恋人とは中々に奇妙だね?
私とジャンヌの子から遠い血筋に別れてまたひとつに戻るだなんて。』
ちなみに、そんなくだらない会話はアーサー殿の無駄に高性能な隠遁スキルによって遮断されているのでグスタフには聞こえていないのじゃ………
アーサー殿、お主頭良いのにアホではないのかのぅ?
なに?魔術の良い師匠がおった?
ソロモン殿ではなく??
『おや、そろそろ目的地かな?』
「………洞窟、ですね?」
『ジャンヌさん、あの洞窟には仕掛けがいっぱいだと思いますぅ〜♡』
『ジャンヌ、それは可愛過ぎるから止めて?』
『酷いですね旦那様♡』
「もう本当にいい加減にしろこの夫婦。」
「リリカが黒いのじゃ…!?」
『あん♡怒らないでリリカちゃん♡』
「……………………………………………[【リリエンカリス】、推して参る]。」
「真名覚醒する程なのじゃ!?」
「いや、気合いを入れ直したんだ。
行きましょう、魔王様。」
「の、のじゃぁ…?」
『…からかい過ぎたかな?少し自重しようかジャンヌ。』
『はい〜♡』
さて、洞窟探索じゃな。




