〖追放〗そして始まり
記念すべき初投稿になります。是非見た方は感想等くださると嬉しいです。
「レイノ今日私の部屋に来い、1分でも遅れるなよ。このノロマが」
「はい父上、、、」
俺は日に何度ノロマ、グズ、ゴミ、恥さらしと言われるのだろうか。
兄上、姉上からだけでなくもはや弟にも舐められている。
自分でもそんなにノロマやらなんて思わないのだが、やはり俺の〖等級〗のせいなのだろうか。
そう、この俺たちの住むルードヴィッヒ王国では13歳になると、〖等級審査〗という審査が行われる。
これでもうそいつの人生は9割は決まると言われている。
まぁ審査自体は簡単で透き通った綺麗なクリスタルに手をかざして自分の名前を唱えるだけ(因みに俺はそれさえつっかえた)そして俺の結果が
炎 無
水 無
氷 D
雷 無
岩 無
光 無
闇 無
我ながら大爆笑の結果だ。
因みに無は全くその系統の魔法を使うことが出来ない。
そして等級はFからSSSまでかなり広い幅だ。FからBまではその文字だけ、A以上はA、AA、S、SS、SSSと順に並んでいる。その中でも下層のDに見事大当たりしたのが俺。
基本的には1つか2つのあまり上手く使えない属性と1つ突出した属性がつくのが当たり前なのだが、
因みに姉上は水S、兄上は岩AA、弟は雷SS。
まぁSSなんて出るのが五百万人で一人なのだから凄さが分かると思う。
また、ルードヴィッヒ王国では貴族は17歳になると必ず魔術学校に通わなくてはならない。平民で入るには入学試験が必要である。
そして俺は今15歳。話とはなんなのだろうか。
重い気持ちで父上の部屋に向かう。
「さて、話とはほかでもない。お前のこれからについてだ。お前のその等級では学園に行っても永遠底辺、卒業すら出来ん可能性もある。そこでだ、お前この家名を捨てる気は無いか。」
はぁ、やはりそんなことだろうと思ってたよ。
心の中ではど平静だが、外面は驚き悲しむ表情を作る。
「はい、わかりました。」
「では、お前が家を出るのは1週間後、家のものには私から言っておく。」
「はい。」
かくして俺の14年間の貴族生活は終わりを迎えた。
家を出ていくのにこんなにあっさりとしているのは家の中でも俺はただのゴミ扱いだったのだろう。
母からも言葉をかけてもらった覚えはここ2年ほどない。
兄妹からは冷たい目を向けられ、嘲られ、尊厳などなかったに等しいこの1年間。
1週間後、俺は最低限の荷物を鞄に詰めて家を出た。
不思議と悲しさや寂しさは無かった。
家を出たものの、俺では今は何も出来ない。
とりあえず、どこかで雇ってもらわないと父からの金もすぐに尽きてしまう。一応のたれ死なないように金は少々貰った。
そこで俺は冒険者になることにした。
前々から考えてもいた事だし、近くの冒険者ギルドに向かった。
ギルドは人々の依頼の仲介所でありお金さえ貰えればしっかり働く人達だという噂、さてどんなところなのだろう。
扉を開けるとそこは見たことも無い活気に溢れていた。
食器が飛び交い、下品なジョークに、大笑いする声、大柄の身体中傷だらけの男が殴り合いの大喧嘩までしている。
その奥で受付嬢の方だろうか。名札にキャサリンと書いてある。そのキャサリンさんがタバコをふかしていた。
ぉぉおこれこそ俺の求めていたもの!やったるぜぇ!
気分を上げてとりあえず冒険者登録をすることにした。
「あの〜、冒険者登録をしたいんですが、、、」
「ほう、じゃ等級カードを見せてごらん。、、、D?ほんとかい?それであんた冒険者やんのかい?こりゃお笑い草だね!まぁ気ばんなさいな!」
と言って単体Eクラスという称号とともに俺の冒険者人生はスタートした!
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