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都を出て三日程が経った。
幾つかの町を過ぎて、経由地点である西の砂漠へと足を踏み入れた。
その間、何匹か目新しい魔物には出会ったものの、苦戦する事は無く、素材と核だけを貰って殺した。
西の砂漠という風に言ってはいるものの、大陸地図から見た所によると、まだ東の方に位置するらしく、帝国自体、大陸の東側を支配している大国というだけらしい。
この大陸について、詳しく説明していないとは思う。
地図によれば、大陸は五つ。大きい順に並べれば、この大陸は三つ目、つまり中間の大きさになる。
そんなこの大陸は、形の特徴を見ると、大きな四角形をしており、その角の部分にそれぞれ国がある。
東が帝国、北と南が王国、西は公国。
そして、その真ん中にあるのが、今向かっている西の砂漠のさらに奥、サハラ砂漠以上の面積を持つ大砂漠、『バンディッド大砂海』である。
一説によると、ここには昔、大きな大きな都市があったらしく、『何かしらの事故』によって大爆発が起こり、周辺を巻き込んで消えたという。
「まあ、よくある設定だと、『ここは現代よりさらに発展していた文明があったが、それが一度滅んで、その跡が残っている』って感じかな。ま、チンパンジーの惑星から着想を得ている人もそれなりに多いって事だろうし、確かにあれの初見は、全身に鳥肌が立ったし、続編も見たけど、ネット小説であっても『へー』としかならないんだよな。」
独り言は元からある癖なので、人前でもたまにするのだが、一人旅の時や、考え事の時には、気持ちをすっきりさせる効果があるから、有効活用している。
これから向かう西の砂漠の更に先、中央砂漠に入ると、西の砂漠の物とは比べ物にならないくらいの大きな遺跡があるらしいし、もしかしたら、そこにしか無い隠しアイテムとかもあるかもしれない。
チートアイテムは唾棄すべき物だが、隠しアイテムはロマンだ。
「暇つぶしに、隠しステータスとか見てみようかな。」
事前に用意していた暇つぶしは殆ど消費してしまい、独り言と考え事しかやることが無くなったため、少し疲労感が出始め、自分の足で歩くのをやめ、新しく作った『魔力車』で自動で走りつつ、隠しステータスを見ることにした。
「げっ、なんだこの無数の項目は」
『それが隠しステータス。不必要だと淘汰された結果、裏面に破棄されたアビリティ達。』
「数も数えられないくらい大量にあるじゃねぇか。」
『一応、特殊システムで順番くらいなら入れ替えることができるから、好きな配置にしたら良いと思うわ。今の状態だと、説明文も一緒になってるから、箇条書きの点をタップしたら折り畳みになるの。』
「べ、便利だけど、夢が無いなぁ」
そう思いながら、次々に収縮させ、スラスラと目を通していく。
そのなかで、特に目についた項目だけを上に上に上げて行く。
『成長率』各ステータスの上昇率
・HP300%
・筋力160%
・魔力500%
・敏捷170%
・忍耐350%
・知力100%
・幸運0%(変動なし)
『被好感度』今まで出会った人間から受ける好感度
・90以上『結婚を受け入れるレベル』 4人
・50~89『親友』 大量
・20~49『知り合い』 少量
・0~19『苦手』 大量
・マイナス以下『ぶっ殺す』 それなり
『運命力』決められた運命に沿って行動してしまう割合
・-200% 何が起きるか分からない。
『属性率』属性への適性割合
・火 0%
・水 0%
・土 0%
・風 0%
・光 0%
・闇 0%
・氷 0%
・治 0%
・金 0%
・病 0%
・聖 0%
・影 0%
・固 0%
・無 2000%
この四項目。
まあ、成長率は特に何もコメントは無い。
好感度については、もうちょっと細かい設定にしてほしいと思う所はあるし、人数の表記が適当な所もどうにかしてほしいが、置いておく。
属性率も、【無】属性だけが2000%とかいう異常な数字なのも認める。
だが、運命力ってなんやねん。
何が起こるか分からないってどういうレベルよ。
つまり、逆に言えば、この数値が高い人間は、その運命が決まっていて変えられないってことになるのか?
この数字が、どんな基準で付けられたものなのかは分からないが、何かの指標になるかもしれない。
まあ、一連の流れが終わって、暇な間をどうにか潰そうと、色々な事に挑戦してみたものの、結局、自作の将棋を、マキやパルエラと一緒にやるくらいしかできなかった。
......ボロ負けしたけど。




