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 グレイとかいう転生者(クソメタゴミチーター)をブッ倒した事によって、何故かそいつのチートである『プレイヤーシステム』とかいう物が手に入ってしまい、軽く絶望している今日この頃。


 ハクやレオナ、ヴィル君の快進撃を見るのも楽しいのだが、それよりもかなり面倒というか、嫌になる気分が強い。


 まさか殺さずにも手に入るとは思っていなかったし、あの学園長(クソジジイ)もそんな事は言って無かった。


 そんなことをうじうじと考え込んでいる間に三回戦。アレクサンダー君の戦い相手は前回大会優勝の三年生。つまりグレイの同級生の女子だった。


「よろしくお願いしますね。アレクサンダー殿下。」

「前回も前々回も言ったが、この学園内で俺に敬称は要らない。なんなら俺のクラスには俺に教鞭を取る同級生がいるくらいだからな。」

「その辺りは存じています。あのグレイに勝った変な少年でしょう?」


 二人の会話を聞いていると、俺の話題が出たらしい。しかし、変と言われるのは心外だ。


「聞く話によれば、あの変な少年は【無】属性を扱うという法螺を吹いているとか。殿下もそんな戯言に付き合う必要は無いと思いますが?」


 聞いた事がある内容の話だな。

基本属性は便利だし、【無】属性という聞いた事の無い魔法を下に見るのは自然の事だ。アレクサンダー君は年の割に大人だ。それくらいのことにいちいち揺さぶられたりしないだろう。


「ほう?俺が認める友人であり好敵手(ライバル)をそんな風に揶揄するだけでなく、俺がこの一カ月、必死に積み重ねた努力を児戯だと言うのか。」


 揺さぶられたりしないと思ったんです......


「まあ、殿下と言えどまだ八歳の子供、友情を取って夢見てしまうのは致し方ないこと。ですが、アナタは皇子、私が目を覚まさせて差し上げましょう。」


 軽いジャブ程度の挑発を交えながら、二人は魔力を煉り始める。

ロドリゲス先輩の時は剣だけで勝敗が決まったが、今回は逆に魔法だけの勝負になるかもしれない。


「女に乱暴をするというのは体面が悪いが、俺としても友人を貶されては面が立たない。」

「ええ、私も殿下が年下とはいえ、全力で叩き潰してみせましょう。」


 いくら学園内で権力が通じない環境とはいえ、普通なら皇族に勝利宣言なんて、簡単なことじゃない。

となると、それだけの自信を裏付ける実力がこの女にある事になる。


「名乗って無かったか。俺はアレクサンダー。今は学生の身として、ただのアレクサンダーとして戦う。」

「でしたら、私も公爵令嬢という立場を置いて、ただのベルナリンドとして戦いましょう。」


 二人の魔力がぶつかり合い、蜃気楼のように空間が歪む。


『勝負開始ィッ!!』


◇◆◇


 残念なことに、俺はその後をちゃんと見てはいない。

アレクサンダー君には申し訳ないが、君が俺の名誉の為に戦ってくれている間、俺は少し自分の事に集中させてもらうことにする。


 控室の中で座禅を組み、目の前にステータスを表示させ、そこに映っている『プレイヤーシステム』の字をなぞる。


『プレイヤーシステム』

・ステータスを自由に書き換えられる。(ただし限界値は低い)

・他者からの好意を受け易い。(ただし限界値は低い)

・【創造】スキルを取得。(ただし汎用性は低い)

・基本属性を全て取得。(ただし成長率は低い)

・他人のステータスを自由に見る事ができる。(ただし一部表示されない)

・自分にとって都合の良い事しか起きない。(ただし格下のみ有効)


 という、見るだけで反吐の出る詳細が出てきた。

つまるところ、ステータス操作に恋愛ゲーム的要素、ラノベ主人公的要素を詰め込んだ。本気のプレイヤーのシステム。

 しかもチート仕様。


 そして、それを誤魔化す様に書かれている()の中の文。

これは恩恵というよりも、一種の呪いだ。


 ということで、こんなシステムを一刻も早く俺のステータスから消すために、合法改造を行う。


 【称号】を大量に手に入れた際、忍耐と知力が一定の値にまで成長したことで、いままで出来なかった『魔力指』というそれなりに高度な技術を身に着けた俺は、その指に纏った魔力でステータス画面に触れる。

 『プレイヤーシステム』を掴み上げ、指先で捏ねると、小さな球状の物体になり、表面には2進数らしき0と1の羅列と、その中に一際異彩を放つ『60P』の文字が見える。


 これが何なのかの言及をするまえに破壊可能かを確認しておく。


「破技『骨砕』」


 指先だけに力を入れ、ナッツの殻割りの様にその玉を割ろうと試みるも、どうやら効果が無かったようで、ぐにゃりとしたスーパーボールの様な感触だけが指に伝わる。


 破壊不可か。物理で破壊できないだけで、条件を満たせば消滅させられるのか?それとも魔法ならできるのか?

 とも思ったが、俺の今の魔法技術では逆立ちしてもそんな並行作業は出来そうにないので、諦めることにした。


 しかし、この玉をそこらに放置したり『ボックス』に突っ込んだりしようとしても、指から離した瞬間にステータス画面に戻ってしまう。


 どうしたものかと適当にぐりぐりしていると『・他者からの好意を受け易い。(ただし限界値は低い)』の部分だけが取れた。


 思ってもいない取れ方をしたため、どうしたものかとステータス画面を見ると、先程まで『プレイヤーシステム』と書かれていたのが、『プレ ヤー ステム』と虫食い状態になっていた。


 取れた『・他者からの好意を受け易い。(ただし限界値は低い)』をぐりぐりと捏ねると、『10P』と表示され......箇条書きは合計6個。


 瞬間、俺に悪魔のささやきが聞こえた。


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