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 闘技大会の当日。

 俺達1年Sクラスは、学園の中に設置されている訓練場の更に奥、第二闘技場に来ていた。

訓練場の1.5倍程度の大きさの建物であり、観客席には初等部の生徒や、教師の姿、そして外部ギャラリーの姿が見える。


 曰く、他国の重役や、大組織のお偉いさんが、優秀な人材を発掘するために来ているらしい。

 しかし、そのために、こちら第二闘技場の観客席には人が少なく、高等部が闘技大会を行う第一闘技場は、満杯の観客がいるそうだ。

 生徒の中にはスカウトされるのを目的として、この大会に出ている者もいるらしい。


『やってまいりました帝立マグナイト学園闘技大会初等部門!開会のあいさつをそこそこに、今、選手が入場します!』


 開会式や閉会式が無いのは素直に嬉しかった。

どうやら、これから戦う生徒が、緊張感や危機感を抱かない為にも、迅速な大会の進行が求められるらしく、学園長の挨拶などが無いらしい。


 俺としては日本の学校の様に、特に意味の無いダラダラと進むだけの式なんてストレスがたまるだけなのでマジでやめてほしかったので、非常に嬉しい。


 闘技場の中には合計28人の選手が入り、それぞれ学年順に並んでいる。

見れば、俺達よりも身長の高い上学年達。

 魔力の量もなかなかに多くて、全員身体のどこかに傷くらいはいくつか持っている様な、歴戦の兵のような、そんな感覚。


 それでも尚、負ける気はしなかったし、俺達が勝つと思っていた。


 ......やっぱり、


 やっぱり俺には、才能なんて、なかったんだよな。


◇◆◇


 選手紹介が終わり、それぞれの選手がそれぞれのクラスの座席に戻った後に、闘技大会初等部門のトーナメント表が発表された。


 俺はBブロックの3戦目。

アレクサンダー君とヴィル君は俺よりも先で、ハク達は俺よりも後に試合がある。


 そして、Aブロックの1戦目。

我らがアレクサンダー君の試合である。

相手は前回大会優勝者(シード)ではない方の3年。

 11歳にしては背が高く、170cmはあるんじゃないだろうか。

 得物も大きな両刃剣と、身体に合わせた剣を使っているらしい。


『我らが帝国の第一皇子ィ!1年Sクラス、アレクサンダー様がお見えになられたァ!対する勇者は3年Sクラス、ロドリゲス君ッ!!』

『アレクサンダー様は大きな魔力と【火】【光】属性を巧みに操る天才にして、第一近衛騎士団団長であるエルロード様に直接剣を教わったという鬼才の少年です。対してロドリゲス君も、騎士の家系に生まれ、この日まで邁進してきた努力の天才。家系に伝わる謎の【固有】属性には目が離せませんね!』


 実況と解説が二人のプロフィールを読み上げる。

これは、試合の公平性を強くするために行われ、事前情報によるハンデを少なくするために行われている。

 どうやら、アレクサンダー君の最初の相手は【固有】属性の持ち主のようで、流派的にも属性的にも観衆の趣旨に合う最適の相手だった。


「よろしくお願いします。先輩。」

「よろしくお願いします。殿下。」

 

 互いに礼、本部に礼。

形式上の挨拶を終え、二人は構える。


「下級生相手だ。礼を尽くす必要など無いと思うが?」

「相手が普通の1年ならそうするかもしれません。しかしアナタは皇族、将来仕える者に無礼は働けませんので。」


 ロドリゲス先輩はかなり厳つい顔をしていながら、かなり礼儀正しく、アレクサンダー君という二つ下の子供を前にしても油断しない。

 11歳という【幼児】の称号が無い状態で、ステータス上の差は10倍以上ありながら、本心から警戒している。


 なんという鋼の様な男だろうか。

あんな男なら、戦ってみたかったのだが。


『試合開始ィ!!』

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