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 なんやかんやあれこれあって、ついに宣伝と販売の話がまとまり、十分な定期収入を得る事ができた。


月に約銀貨10枚。

割と安いのだが、これが年毎に上がって行く計算になるそうだ。

 

「と、いうことで、恐らく学費は稼げたのではないでしょうか?」

「え?あ、え?あの、えっと、え?」


 さて、ここで問題が発生。

俺としてはかなり予想外だったのだが、現在俺は家にいて、昼食を食べていた。

 そこに突然の来訪者。

まさかのギルマスである。


 その美貌に父が見惚れて母に殴られるなどの事はあったものの、現在は二人とも混乱して頭に『?』のマークを浮かべている。


 そりゃそうだろう、たった五歳とすこしの息子が化粧品の特許を取っているという珍事、いや、大事だろう。

 驚きが勝って怒られていないのが救いだろう。


 俺としても、まさか家庭訪問をされるとは思わなかった。

事前に俺がどうして金を欲しているのかや、家庭環境についての相談をしてはいた。

 それに合わせて、家族にこの事を隠しているという事も伝えたのだが。

 確かに口止めはしていない。


 しかし、まさかこんな寂れた村にギルマスという支部長クラスの重役が来るなんて思ってもみなかった。


「だから、あまり息子さんを責めないでいただきたい。彼はあくまでお二人の苦労を理解したうえで、家族に楽をさせたいだけなのです。」

「......はい。息子にも娘にも気を遣わせて、親として恥かしい限りです。ですが、我々も三児の親、子を心配しない訳にはいきません。」


 ずっと椅子に座って待つのはしんどい。

この時間で訓練もハクとの模擬戦もできそうなのに......


「この子が稼いだお金はこの子の物です。ですが、アナタ方には二つ程のお願いがあります。」

「叶えられる限りであれば。」

「一つは情報の秘匿。この子が商品を作っているという事を隠して頂きたい。」

「構いません。今の所は生産元を開示していませんので、そのままということにします。」

「二つ目は護衛です。この子達に危険が及ばない様に、アナタが信用できる者を護衛に立ててください。」

「分かりました」


 割と放任主義な方だと思ったが、結構過保護だな。


◇◆◇


『【商才】【商人】【小金持ち】を取得したよ~』


......


 ◇ ◆ ◇ 


【商才】知力が1.5倍になる


【商人】知力が1.5倍になる


【小金持ち】金が絡むと自分にやや有利になる。


 ◇ ◆ ◇ 


 またしても微妙な称号を手に入れてしまった。

未だに『知力』の項目を理解していないから、喜べないのも仕方ないと思う。


 しかしまあ、得られるというのなら貰っておくとしよう。


「さて、色々と驚く事が起こったが、ハクとの模擬戦を疎かにする訳にはいかないしな。」

「おーい!ノァ!遅いぞー!」


 遠くで木剣を振り回しながら俺の名前を呼ぶハクの声が聞こえる。

その無邪気な気配にフッと笑い、走り出しながら応える。


「今日も俺が勝つからな!!」

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