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話数を間違えました。

私は結構先まで予約投稿してるので、そういったミスを指摘していただければ、一応ホームには毎日来ているので把握できて非常に助かります。

ご指摘してくださった方、本当にありがとうございます。

「相手を殺すつもりなのが『破技』、欠損や後遺症を目的とした『邪技』、受けを前提とした『連技』、回避や移動を効率化する『動技』、それらを弱く便利にした『小技』、自滅必死の『闘技』、これが基本的な技の組みわけだ。」

「自滅してしまう『闘技』を使ったのにノア様は比較的健康体だと思いますが。」

「それはこの世界ならではだ。『魔力糸』で断裂部を縫合して、魔力を込めたポーションで無理矢理接合する。それで基本はなんとかなる。元の世界なら使っている途中に死んでいる。」

「例えば『破技』の中には、同じ様な技が複数ありますが、それは別々の人間が編み出したということですか?」

「一概には言えない。例えば五行破技は同じ人間だが、干支破技は使う当人によって細かく分かれる。十二の動物をベースに、当人がアレンジを加えないと碌に扱えないという訳だが、これも作ったのが一人とは言えないだろ。」

「では、回避や受けではなく、防御を目的とした形態や、魔法と組み合わせて使う技は無いのですか。」

「防御は連技に含まれる。魔法と組み合わせるのが『魔力拳』での攻撃を意味しないのなら、無い。特に俺は【無】属性だから、魔法の付与なんかもできないしな。」


 ホム侍女、自己紹介をして判明したがベド・バトラーとの会話は存外楽しく弾んだ。

これがオタク特有の勘違いとか、一方的に話しているだけで会話が成り立っていると思ってしまうアレなら悲しい事だが、そうではないと思いたい。


 ベドは基本的に動かないが、それでも話はできるらしい、俺がベッドに就くまでの間、凡そ全ての技の技術についてを説明し、ほぼ全てを理解してしまった。


 かなりショックだが、同時に嬉しくもあって複雑だった。

俺の使う技の流派の本質は『受け継ぎ』。

 何代にも重ねて徐々に最適の形にしてきた事こそが誇りだ。

だからこそ、才能ある人間がもっとより良くしてくれるのを期待して、広く様々な人間に教える事が大切なんだ。

 

 そうだな。帰ったらエメルやレオンにこれを教えても良いかもしれない。


◇◆◇


 翌日、王家の闘技場......なんであるんだ?

王家の闘技場に集まった俺と七将軍と女王は、女王の配下の七将軍の配下の精鋭部隊に囲まれて対面していた。


「とりあえず形式は整えた。戦う順番はステータス表記の上から、つまり今日戦うのは『HP』なのだが......」

「僕は代理の副将軍なんです。将軍がどっかを放浪していますので。」


 大丈夫なのかソレ。

ともかく、今はいない将軍の代わりに戦うってことで理解した。


「ルールは相手が気絶するまで。武器及び戦法に制限は無い。先に四勝した方が勝ちだ。」

「よろしくお願いします。副将軍のジャービーです。」

「よろしく。ノア・オドトンだ。十歳児相手だからな、手加減してくれてもいいぜ。」

「君の実力は知っている。将軍でもない僕には全力で戦う他ないからね。」

「そうかい」


 互いに一定の距離をとってから向かい合う。

相図は無い。互いの意思のもと、自由に息を合わせて始められる。

 だからとりあえず、タイミングを無理矢理抑えて不意打ちの様な形で軽くジャブを撃った。


「ぶんっ!」

「え!?」


 完璧にジャブを撃って、鼻血は必至だと思っていたのに、まさかジャービー本人が自分から顔を拳に近付けてきて鼻どころか眼球に拳が触れるくらいにめり込ませてきた。

 

「な、なにをやって」

「はっははっ!!サンドバッグのジャービーとは僕のことですよ!」

「さ、サンドバッグってお前......」


 なんか闇を見た気がする。

あとで女王に問い詰めるか。


「お前のイカレた戦法は分かったが、それならそれでちゃんと戦い方があるんだぜ。邪技『九龍』」

「ごふっ!?」


 各種方向性の違う痛みがジャービーの全身を襲っているはずだ。


「大丈夫ですよ。痛みへの対処法ならいくらでも持っていますからね。」

「チッ、アドレナリンの分泌ってやつか。」

「もっと素敵な物ですよ!」


 体が温まってきたのか、ジャービーは大きな盾を取り出し振りかぶる。

盾がメイン武器?面白いこった。

 なら、


「連技『銅鑼餓者』」


 盾に合わせて衝撃波を通す。

が、どうやら痺れただけで骨が折れたわけではないらしい。

 耐久もかなり高いみたいだ。

副とはいえ将軍ってところなのか。


「破技『髑髏蛇腹』」


 足関節から背中を通して右腕へ、体重移動と関節可動で加速を促す。

突き出した指は大盾の中心に大きな穴を空けて貫通するが、それより速くジャービーは後退して避けた。

 突き出した腕から『魔力弾』を拡散させ、視界を遮る。


「『菩薩魔力拳』」


 当然相手は前からの攻撃を警戒する。

だから、地面から『魔力拳』を突き上げる事で奇襲を謀る。


「手応えアリ!」

「だけど効いてないですよ!!」


 突き上げられて飛んだジャービーは、大きな球体に身を包んでいた。


「【防壁】の【固有】属性。僕がイメージする『防御』を具現化できるんですよ!」

「それで球体かよ。臆病な奴なんだなァ!!」


 飛びあがっている以上、俺も飛んで打撃を喰らわせるのは得策じゃない。

落下地点に先回りして、下からぶん殴るのが吉だろう。


「受けるだけが僕の魔法じゃないですよ!」

「なら喰らえェアア!!」


 下からの直突き、破技『戊』を繰り出し、その球体をブン殴る。


「「?この感覚......」」


 俺の技には当然の様に回転が掛かっている。

右手で殴ったから反時計回りの回転だ。

 それなのに、まるで噛み合った歯車の様に無理矢理加速され、俺は地面から脚が離れ、腕と共に地面に叩き付けられた。


「僕は【固有】属性を組み合わせて使う。【防壁】と【螺旋】。これがなかなかに相性が良いからね。君にとっては苦手な相手になると思うよ。」

「はン!俺にとって得意な相手なんて今までいなかったぜ!」


 地面に横たわった状態で話すと、初心に帰った気持ちになれて良いねェ。

ホント、良いぜェ。


「『螺旋魔力拳』『強化』『超強化』『部位強化』『凝縮』『倍加』『凝縮』『倍加』『凝縮』」


 強化した『螺旋魔力拳』を更に重ねがけて圧縮する。

右手がパキパキと鳴るが、それでも構わない。


「こういうのが大好きでなァ。お前の攻略法は理解したぜ。」

「そうですね。ウチの将軍にも同じことを言われましたよ。お陰で僕は他の将軍直下の副将軍でビリっケツですからね!」

「破技『鬼殺し』」


 屈強で刀も通らないという鬼の体から、心臓を抉り抜く為の拳。

今は、あの防壁という体から、ジャービーという心臓を抉り抜く為の拳。


「最大最硬防御!」

「デリャアアア!!!」


 拳と防壁がぶつかって、勝負が決する。



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