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 意識は本体の俺に移る。

時神の操り人形になっている俺では、これ以上の助力ができない。

 実況くらいしかできない。


『で、ノア君は消えたわけだけど、マキ君、カロル君、どうなんだい?』

「とりあえず、俺達にはまるで関係無ェな。精霊や神にステータスは存在しない。減る物なんて無い。」

『その通りだが、魔力体の君は魔力を消す言霊で消える可能性がある。そんな無粋な事、あの父がするとは思えないけど。』


 確定事項じゃない。

それは分かり切っている。

 だが、相手の思考回路をトレースするのも大切。

予測と予想は万全にするべきだが、この二人の脳筋にそれができるか。


 まあ俺も出来ないんだがな。


『【射】』

『【重流転魔力砲】』


 全能神の放った魔力の矢が異常な軌道でマキに迫る。

その動きを、時神が追って潰した。

 俺が指示を出した。


ステータスだけじゃない、この魔力効率の高さも、その裏に隠された種も、全能神の持ち技も得た。

この以上な魔力の軌道。この原理も理解した。

 俺は、おそらくだが、全能神の一部をトレースした。


 分身体だったからか、全能神のスペック故か、その両方か。

いくつかの応用技も手に入れた。


『螺旋魔力模倣』


 魔力の分身体そのものをサーモグラフィだか、X線だかの様に透過させ、この空間内の全てをリサーチした。

 その結果、時神と全能神の持つ謎の魔法の原理を理解し、俺の【無】属性魔法に組み込む事に成功した。

 全能神本来の全体割合で言えばカスの様な物。

だが、相手も所詮はカスのコピー。

 今なら、勝てるルートが見えている。


「主導権、返せ。5年分、持って来い。」

『ワガママ放題だが、そのプランには感銘を受けた。時神の名の元許可しよう。』


 俺はこの判断によって、18歳まで魔法が使えなくなる。

が、構わねェ。

 このクソッタレの顔を歪める為なら問題無い。


「『五重魔力砲』ん、んんん『五重螺旋砲』」


右手の指先全部から出した魔力砲を纏めたものの、すこし物足りなく感じ、左手の指先から『螺旋魔力砲』を五本出した物を纏めて放った。


『【散】』

「『潜地魔力弾群』」

『【散】っ、【爆】【散】』


 魔力を霧散されたが、そによって五本のバランスが崩壊、四方八方へと飛び散るという意識の散乱を利用して、地面を伝わる魔力弾の魚群攻撃。

 それも囮。地面の中に潜っている魔力を霧散させるには、一度地面を割ってから直接魔法をぶつける必要があった。その手間分の時間を俺は得た。


「『潜壁魔力弾群』『螺旋魔力拳乱打』」


 無事な壁を潜行する魔力弾の魚群を通すために、俺は五百から千の腕を出現させる。

千手観音スタイルだが、その腕は様々な大きさで統一性が無い。

 まるでチータラの不揃い品。

あれ美味しいんだよな。


 閑話休題。

それらは威力と手数で攻め立てる。

 

『ちょ!?さっ【散】【散】くそっ【天変地異】【諸行無常】』

「諸行無常って四字熟語判定なのか?」

『言霊だから正確に四字熟語じゃなくても可』

「焼肉定食は?」

『可』


 可能なのか。

なんかムカついたから『爆裂魔力拳群』と『粘着魔力拳群』をお見舞いしておく。

 ちなみに粘着質はグリセリン的な物質に変換してあるから、誘爆するぞ。


「『万槍魔力針』」

『ぎっ!?ぼ、ボクの魔力に匹敵する密度。なんだこれは!?』

「時神様の加護だ。俺は5年分の魔力を持ってここにいる。単純に五倍と考えるなよ。五年間、成長した俺が更に成長を続けた結果得た魔力を前借りしているんだ。100倍以上あってしかるべきだろう。」

『だが、今のボクの魔力は無限だ。問題無い。』

「そのタネも時期にぶっ壊せるさ。」

『は?ばっ!?』


 幾万の弾丸を背後に回らせた。

それが万能神の背中を撃ち抜く。


 正確に言えば、背中に配備してやがった無数の文字列。

『無限魔力』『万能語彙』『耐久増強』『制限無効』『形質変動』『ステータス無効』『スキル無効』『属性一部無効』『称号効果無効』『チート無効』『能力増強』etcetc


 そして、その隙間を埋めるように配置された『強化』の文字。

これらによって、コイツは圧倒的な強さを手に入れている。


『ががががあがががあがあがっがががっが!!!?』

「ってことで、6割くらいその文字消させてもらうぜ。お前、それの維持に素の魔力全部つぎ込んでるから、『無限魔力』を確実に消せば、もう魔法は使えねェ。」

『だがっ、ボクも手足で戦うことくらいは』

「できねェよ。『九重魔力拳四極』」

「散々空気になってたが、『精霊魔力砲』!!」


 手足だけを固定した。

その瞬間に、極太の魔力砲が全能神(仮)をぶち抜いた。






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