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今月は30日が無いので

 全能神は多種多様な言霊で応戦し、時神は俺の体を酷使して大量の魔力を振り絞った。

ちなみに、四肢をもがれた俺の体は、時間逆行とかいう技で基通りになっている。


「精霊......戦士。」

『むぅ?魔力をごっそり持って行ったね。勝ってほしくないの?』

「勝つのは十分可能な範囲だろ。それに、俺の体を加速して強制的に魔力の消費量よりも自然治癒力を増しているクセに、文句を言うのは俺の方だぞ。何年分だ。」

『計算では、この戦いが終わるころには13歳。つまり、あと3年分の魔力を全て消費する事になってしまうかな。』

「お前の加護で肉体を10歳に戻したとしても。」

『まあ、三年間は魔力0かな。』

「チッ、ストックも無いか?」

『無いことは無いけども、たった10万だね。』

「なら良い。今のうちにもう一度『精霊戦士』でマキを出してくれ。」

『はいはい』


 『ボックス』の中身は事前に空にして、アルテラント校長に預けてある。

問題点は多々あるが、日常生活に不自由は無いし、ある程度補えるようにホムンクルス達は作ってある。


「でェ、どうすんだよ。今は弾幕で相手からの攻撃が届いてねェが、今に破裂させる言霊で爆発させられるぞ。」

『神には完全停止が効果を成さない。時間と言う概念が曖昧すぎて、停止しても止まらないんだ。』

「ってことだから、全身を切り刻む。耐久値が設定されているだろうから、それが限界を迎えるまでタコ殴りにする。」

『君達を加速させることはできない。各々頑張ってくれ。』


『話し合いは終わりかな?【散】』

「チッ、ただの舐めプかよ。」

「『分身』」


 雑兵扱いの雑魚分身、消費魔力10を1000体を創り出す。

それぞれ、闘技を一回ずつ使えるくらいの耐久の自律型にした。


 これで、どうにか時間稼ぎは出来るだろう。


『時間稼ぎなんてさせないよ。【ばk】......!?』

「時間稼ぎなんてしない。闘技『華乱枯乱』」

『時間逆行』


 耐久が本体に比べて著しく減った俺の分身は、闘技一発で死に至る。

その為、衝撃はのみに重点を置き、直撃ではなく遠距離攻撃を狙う事にした。


「霊技ィ『迦乱虚乱』」


 マキのパクリ技が披露されるかと思ったが、どうやら俺の指パッチンとは違うらしい。

上段蹴りにも見える異常な股関節の関節可動域を生かし、脚二本を一本の棒の様に見立て、地面から突き上げるように全能神の顎を叩き上げる。いや、蹴り上げるか。


「全然内容違うけど、なんで同じ名前にしたんだ?」

「阿呆、音にすりゃカランコロンだろ?棒が倒れりゃそんな音だろ。」

「そっか。」


 どうでも良い話は置いといて、マキがここまで来れたのは、分身が50体も犠牲になった結果だ。

一撃を入れる事にこれだけの犠牲が必要になるだけでなく、これから更に何度が高くなる事が予想されるという、無理ゲー。

 呑気に駄弁ってないとやってられるかよ。


「『混沌螺旋砲』」

「『精霊魔力砲』」


 俺とマキの魔力砲をデコイに、時神が全力の魔力を込める。

今の俺じゃ絶対に出せないレベルの魔法を使う以上、タメは長くなる。


『【散】』


 全能神の魔法によって魔力が霧散されるが、『混沌螺旋砲』はそもそもが大量の魔力砲をぐちゃぐちゃのコードの様に絡めたモノ。そんな程度の魔法で崩せると思って......


『【反】』


 いるのかと息まいていたら、まさかの反転。

貫通性の高い魔力砲同士がぶつかり合い、【散】で霧散させるよりも少ない手で消されてしまった。


 だが、マキの『精霊魔力砲』は健在だ。

込めている魔力の質が違う。マキのモノも【無】属性ではあるものの、精霊が扱っているというだけで意味が変わってくる。

 俺の使っている魔力が織物なら、マキは水。

それも粘度の高い水飴の様な状態だが、まるで真水の様に何も通さない。

 当然の様に【反】も【散】も受け流す。


『あんまり使いたくなかったんだけど、【七転八倒】』

「文字数を増やしただけじゃないみたいだなななななななな。」

『はっはっは。ただの四字熟語じゃない。これから君には様々な不幸が訪れる。ステータスの幸運値を0にしたんだよ!』

「回転させる能力ではないということか。それと、使いたくなかったというのは?」

『ノア君が大嫌いなチートみたいで、怒らせたくなかったんだよ。』


 減らしたのは幸運値らしい。

つまり、あと数パターンに渡りステータス減少系の言霊魔法が来る。

言動を察するに多用するつもりは無いらしいが、確実性は無い。

 警戒する必要はあるが、筋力やHPを0にされたらどうなるのかが一番気になるが、それは受けないと分からない事だ。幸い、俺自身は本体じゃない。であれば、いくら減らされても構わない。


「だが、『精霊魔力砲』は健在だぞ!」

『そいつはどうかな?』

「あ?んなっ!?」


 余った『混沌螺旋砲』の一部が『精霊魔力砲』に当たり、軌道が180度変更、俺の方向へと向かってくる。


『【無為無能】』

「へぁ!?」


 全身から力が抜ける。

この感覚、筋力か敏捷を消された。

 名前通りに知力を消されたら一大事だったが、これならまだマシだ。

『精霊魔力砲』の直撃を受けるだけだからだ。


「新技を、本体より先に出すのはどうかと思ったんだがな。『螺旋魔力』......」


技名を言い切る前に、俺の意識は消え去った。


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