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 試金石に、優秀組の3人を使う。

アレクサンダー、ヴィル、ラルフだ。

 俺が去ってから、学園長であるアルテラントが発見した地下型ダンジョン。

順調に攻略が進んでいる中、30階層で強敵と言うべき魔物が出現した。


と、ここでダンジョン、もしくは迷宮と呼ばれるモノについての説明をば。

 これらは基本的にこの大陸の北東部に集中し、内部で大量の魔物を発生させる。

基本的には搭型と呼ばれる上に登っていくモノと、地下型と呼ばれる下に降りて行くモノ。


 中の魔物は指定されたエリアからは出て来ず、どこから湧いたか分からない魔力の塊の魔物は、殺せば魔力に戻り霧散する。

 しかし、その霧散した魔力の中には、核とその魔物の種類に準じた素材が手に入る。

外に発生する魔物よりも得られる部位は少ないが、その分、純度の高い素材が手に入る。

更に言うと、ここで素材素材と呼称するのは、『装備品』に使えば更に高性能なモノが作れるから。


 で、なんの話だっけ。

そうそう、ダンジョンには、10層毎にボスが出現するらしい。

 再出現はしないうえに、確率で手に入る『アイテム』が貴重な物ばかりで、たまにダンジョンで死んだ人間のステータスと人格を反映した『ホムンクルス』が出る時もあるそうだ。


 さらに、最深部にはダンジョンマスターなる運営者がいて、そいつを倒すと手に入る『コア』は、破壊した者を人為的に覚醒させられる機能がついているが、破壊するとダンジョンが崩壊するとか。はたまた、ダンジョンマスターが高い知能を持っている場合は、利益を高められる様にダンジョンを改造してもらうこともできるらしい。

 

 で、アルテラントの迷宮は、まだまだ未踏破。

魔技大会まであと一週間。

 踏破は流石にできないが、30階のボスとSクラスの面子を戦わせるのも良いかもしれない。

覚醒への裁量なんて分からなかったし、プロミネンスドラゴンで俺が覚醒できたのも偶然。

 カムは俺に出会うまでに、何人もプロミネンスドラゴンの生贄にしているらしい。

俺はそんな風にならなければいいが。


 とはいえ、覚醒条件の大半は根性。

負けん気が強ければ良いのだろう。


「ってことで、やってまいりましたアルテラント迷宮。」

「ノア、本当に俺達だけで攻略できると思うのか?」

「......できなくはないだろ。ここの魔物は魔法を使わない人型ばかりらしい。来年か再来年からは、対人戦や人を殺す訓練のために使われるそうだ。」


 話が物騒過ぎる。

んんん。


「一応皆に『装備品』を支給する。『いたいこだれだ』は自然治癒を促進し、即死攻撃でも一回は防いでくれる。が、即死攻撃の場合はその後壊れてしまうので注意。自然治癒は装備している間いくらでも続く。」

「はーいッス。」

「はい、ヴィル君」

「覚醒を促す『装備品』を作ることはできなかったんですか?」

「できない。設計まではできたが、実行は神サマに止められた。」

「カミサマ?それって、義神教の?」

「違うな。同一視はすこし不快だったので、ヴィル君だけ少し難易度上げます。『鈍重の指輪』」

「げぇ!?」


 スピード戦法を得意とするヴィルにはこれが効く。

得意を生かしきれない程の重りじゃないのがミソだし、なによりこれなら嫌になった時に外せる。

 簡単に言えば強制縛りプレイだ。


 本日数度目のちなみになのだが、俺はこれでも、あの包帯男を神と崇めている。

ある種、俺の長年の夢を叶えてくれた張本人で、好ましい性格をしており、尊敬するには及第点を遥かに超える存在だからだ。

 故に、この世界にあの包帯男を奉る宗教が無く、その系譜ですら無い別の存在が神として在ることが、地味に不快だったりする。


「命の危険は常にある。もしかしたら、予想だにしていない強敵との遭遇もあり得る。注意は十分にしておけ。いくぞ!」


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