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 【竜化】は、取り込んだ竜の力の一部を再現できるというもの。

カッコいい姿になれるのは勿論、ステータス自体が大幅に上昇するため、かなりの切り札になり得る。


 その中で、一番最初に倒した『プロミネンスドラゴン』の力は格別。

全身を超高温の熱が纏い、大気が熱せられる。


 いわば、俺自身が太陽みたいな状態なので、近くにいる人間の安全を考慮して、【竜化:プロミネンスドラゴン】は五秒程で終了させた。


「多分、お前と同等の力を持つ『プロミネンスドラゴン』は俺が倒した。つまり、正面から戦っても俺はお前に勝てる。どうだ?」

『良かろう。』


 ブラックホールドラゴンの体が、黒い光を放って収縮する。

いや、これは、収縮に際して、周囲の光が少し吸い込まれているのか。

 

「我は、この子を育てる場所が欲しかっただけだ。お主に似ているこの者達とも、それを話していた。」


そう言って目を向けるのは、瀕死の分身達。

 『装鉱』は無事だが、その外傷の種類から察するに、このドラゴンではなく、後ろのパーティ共がやったのだろう。


「そこの者達は、突然我に攻撃を始めると、庇ったこやつらを容赦なく殺そうとした。」

「そうか、大体分かった。」


 ドラゴンだけを信じる。というのは語弊があるだろう。

コイツら分身達の傷を見るに、魔法や剣での切り傷でほぼ死んでいる。

 具体的に言うのなら、ブラックホールドラゴンが切ったのなら、もっと大きいか、もしくは平行にもうニ、三本ほど傷があるはず。


 そして、【闇】属性系には無い光線の魔法は、馬鹿みたいに【光】属性を使っていたコイツらしか使えない。


 【闇】なら、もっと歪で醜い死体や、体が半分消失した死体になる。

こんな貫通した様な傷は、光線(レイ)しかありえねえ。


「集合」


 号令をかけたと同時に、『分身』達は元の魔力の塊に戻って俺の中へ還っていく。

それと同時に、記憶も統合される。


「ほーん。ブラドラ、少し待ってろ。」

「ぶ、ぶらどら?そのような名前で呼ばれたのは初めてだな。」


 ズッこけるブラドラを横目で流して、パーティ共に向き合う。


「で、私有地でこんな事して、どういうつもりだ?」

「お、俺達は悪いドラゴンを退治しに来ただけだ!悪い事なんてしていない、早くこれを解いてくれ!」

「私達は、この世界に呼ばれた勇者なの!」


ほーん、勇者ねぇ。

 

「そうだ、そこの男を除き、我々は全員が『チート能力』を神から授かった、偉大な勇者なのだ。」


 ほう......


「具体的にはどんな?」

「俺は『ブレイバーシステム』。アンナは『マジックシステム』。カイは『スキルシステム』。ユーリは『クラフトシステム』だよ。」

「あの男は?」

「あいつは、知らない。」


 コイツペラペラ喋るな。

っていうか、学園長と同じチートのヤツがいたぞ?

 

 それに、俺が日本語で喋ってるのに、違和感を覚えるヤツが一人もいない。


「で?どこの国の勇者なんだ?」

「そりゃ、公国の勇者だよ。」


 罪状に領域侵犯も加えるか。


「お前らは私有地での死闘行為を行い、挙句他人の飼いドラゴンにも手を出した。ここでの裁量は全て俺が持てる訳だが、弁明はあるか?」

「なっ、飼いドラゴン!?君は今そこでそのドラゴンと初めて会ったって言ったじゃないか!」

「そうだが、それは俺本体の話だ。俺の分身が許可している。という事で、お前らを準強盗及び不法侵入と殺人未遂で逮捕する。」


 そう言った瞬間、何故か陰鬱男が暴れ始め、顔全体に脂汗を滲ませて苦しみ始めた。

が、そんな様子など無視して、光の剣男は俺に抗議する。


「横暴だ!それに俺達は知らなかったんだ!知らなかったんだからしょうがないだろ!」

「そうよ!それにここがあなたの土地だなんて嘘に決まってる。あなた大きく見ても15歳とかそこらへんじゃない!」


 なんか杖女の方も言い始めたな。


「この国じゃその山のドラゴンをぶっ殺した人間がその地域の支配権を得る。俺は既にここを根城にしていた『ムーンリットドラゴン』をぶっ殺している。」

「証拠を見せなさいって言ってんのよ。口だけで言っても意味無いわよ!早くこれ解きなさいよ!セクハラで訴えるわよ!」


 なんか、杖女見てると学園での一コマを思い出すな。


とは言え、ムーンリットドラゴンをぶっ殺した時には、ちゃんとした剥ぎ取りも出来ず、手に入った素材は3割程度。牙や爪等だけだった。

 ドラゴンは取り込まれて消えるとか言っても、多分信じないし、爪と牙だけじゃ、証拠不十分とか抜かしそうだし。


 うるさいしなァ。黙らせるか。


「『魔力壁』」


 完全な密閉空間を作り、このまま騒ぎ続けたら酸欠で気絶するようにした。

因みに生命云々は気にしない。


「そっちの女は多分無口キャラで通すつもりだから、気にしないけど、痛い男はどうだ?なんか喋るか?」

「ふっ、狼少年の貴様と話す事等皆無。」

「あっそ。」


との事なので、二人とも『魔力壁』で閉じ込める。


 残ったのは光の剣男と、陰鬱男か。


「で、何かある?」

「俺達は勇者なんだ!お願いだ。公国には何人もの、俺達の帰りを待つ人がいる。それに、今はまだ装備調達イベントの最中なんだよ。こんな所で躓いてちゃ魔王は倒せないんだ。」


 魔王?

魔王軍の事か?

 公国が魔王軍の構成メンバーの正体に気付いて、同じ地球人を使って同士討ちを狙ってるとか?


「じゃあ、話を変えて、なんでブラドラを襲った?」

「ドラゴンなんて悪いと相場が決まってる。まして、小さな女の子を誘拐しているなんて、卑劣なドラゴンを放っておけるわけないだろ!」

「このドラゴンはこの子の親代わりだそうだ。懐いているのが良く分かるだろう。」

「洗脳されているのかもしれない。もしかしたら、誰かを人質に取られているのかも。」


 そんなかもしれない思考はマジで捨てた方が良いと思う。

ともかく、コイツはダメなタイプの人間だな。


 先に言った準強盗、不法侵入、殺人未遂で衛兵に渡すか。


ってことで、光の剣男も『魔力壁』に閉じ込める。


「さあ、話そうか。」



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