120
ゴブリン・キング打倒から、2年が過ぎた。
着実にステータスは伸び、俺は今日、10歳の誕生日を迎える。
『ステータス強制更新。【称号】が解放されます。』
驚きはしない。
一応だが、事前にパルエラから教わっている。
待望の日がやってきたわけだ。
きっと、これからの人生で、これほどまでの解放感を味わう事は、もう出来ないだろう。
◇ ◆ ◇
『解放後素ステータス』
HP:4200/4200
筋力:2500
魔力:7800
敏捷:3400
忍耐:4500
知力:6200
幸運:200
◇ ◆ ◇
『解放【称号】』
進化系列
【上級拳闘士】筋力が1.4倍、敏捷が1.7倍
【上級斧術士】筋力が1.9倍
【上級剣士】筋力が1.5倍、敏捷が1.4倍
【上級斥侯】敏捷が1.7倍
【上級投擲術士】視力が2倍 筋力が1.3倍
【上級棍棒使い】筋力が1.8倍
【上級槍士】筋力が1.6倍
【上級短剣術】敏捷が1.6倍
【上級鑑定士】知力が1.7倍
【上級縫合士】HPが1.3倍 知力が1.4倍 忍耐が1.6倍
【上級治療士】HPが1.4倍 魔力が1.3倍
【超ゴブリンキラー】ゴブリン系統に対するダメージが3倍
【盗賊狩り】称号【盗賊】持ちに対してダメージ3倍
【一騎当千】1000人以上を相手にした場合、敵に対するダメージ5倍
【上級魔法使い】魔力が1.8倍
【上級魔導師】魔力が1.9倍
【上級無属性魔導師】魔力が1.9倍
【上級無魔法使い】魔力が1.8倍
新習得
【外道】蔑称系の総合形態。総成長率が300%アップ
【コレクター】収集に関わる【称号】を得やすくなる
【狂人】一定条件を満たすごとに、知力の1/2を犠牲に他ステータス1.5倍
【バグ】相反する要素が併発するようになる。
【ウルフキラー】ウルフ系統に対するダメージが3倍
【ミミズキラー】ミミズ系統に対するダメージが3倍
【被虐体質】忍耐が2倍
【メンヘラ】忍耐が1/2倍
【魔改造士】####
【キング殺し】キング系との遭遇率5%アップ
◇ ◆ ◇
『上昇率』
HP:4200/4200×1.82+3200
筋力:2500×138.24
魔力:7800×30.29+1500
敏捷:3400×22.84
忍耐:4500×24
知力:6200×10.01
◇ ◆ ◇
『総ステータス数値』
HP:10844
筋力:345600
魔力:237762
敏捷:77656
忍耐:108000
知力:62062
幸運:200
◇ ◆ ◇
「......はは」
数字の羅列に目眩がする。
ルルロラルもキクスも持っていなかった6桁の大台。
あ、いや、一応HPと魔力は6桁だっけか?
とにかく、ステータス的に圧倒的な力を手に入れた。
とてつもない解放感と、圧倒的な快感が俺を包む。
筋力の倍率に至っては3桁を越えた。
0を数え間違えているのではないかと思ってしまう様な膨大な数字。
大量の【称号】と、【幼児】称号による人為的な大器晩成により、俺は更に強くなった。
今なら、イキシア姉や、あの生徒会長にすら勝てるかもしれない。
そんな万能感が全身を包む。
しかしながら、なんともまあ、難儀なことで。
「次は8桁だな。」
なんて、頬を緩める自分がいるわけで。
◇◆◇
俺は二年間、トレーニングと探索を含め、様々な事を行った。
しかし、一番重要な『目立つ』という行為は全面的に拒否し続けた。
理由は簡単、【幼児】が外れ、ステータスが大幅な増加をした後でないと、明らかにパンチが微妙だからだ。
そして、こっちはついでの理由なのだが、
俺の調査した『冒険者』は、基本的に異常な存在だった。
10歳以上が加入できる『冒険者ギルド』にて、複数のランクで区別され、それぞれが様々な仕事をするというあの『冒険者』
その存在自体は、前世から知っている。
しかし、実際は認知していた情報を上回るイカレ集団だった。
以前あったAランク集団どもが、如何に良心的だったか。
キクスに退治させ、調子に乗っていたわけだが、相手が実力行使に出なくて幸いだった。
とはいえ、彼らは俺個人調査の平均の中でも、最下位なので、まあ当時のゴブリン・キングくらいの脅威だろう。
つまり、A~SSSには、俺以上が割とゴロゴロいる。
なんなら、上位の魔物は全部俺より強い。
え?ゴブリン・キングに単体で勝ったのに?
いやいや、集団の王様とか、集団率いてナンボだし、なにより最弱の代名詞であるゴブリンの、それの王とか、そう強い訳無い。
各種モンスターにキングがいるとして、ゴブリン・キングは最下位だよ。
ということで、更なる強化方法を探した結果、俺は現在、バンディッド大砂海の南部にあるそれなりに大きな国、アド王国へと来ていた。
次回、説明回