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格段に強くなったキクスのステータスがコチラ。
◇ ◆ ◇
キクス ♀
HP:320000×3
筋力:110000
魔力:80000
敏捷:120000
忍耐:70000
知力:99×2
幸運:900×2
称号:【合成獣】【人型の魔物】【時神の配下】
加護:【時神の加護】
◇ ◆ ◇
うん、見たくなかった。
心を折られることは無い。
だが、もしも俺があの空間にいた時に、時間の事を知っていれば、あの空間に残って、戦闘の試練を受けたとだろうと、少し後悔した。
くっ、カロルの口車に乗せられたか。
『そうでもないわよ。あなたのステータスもご覧なさい。』
◇ ◆ ◇
ノア・オドトン 八歳 男
HP:280/280×1.4+2500
筋力:130×29.7
魔力:560×11.3+1200
敏捷:201×13.3
忍耐:380×15
知力:550×8.2
幸運:200
~省略~
◇ ◆ ◇
「ま、魔力と知力、それに、幸運が上がってる!?」
今まで、碌に【称号】で補正が付かなかったうえに、自力で上げる事が不可能だった幸運。
それが今までの二倍に増えている。
しかも、魔力や知力までも二倍近く増加している。
『あれ?あんまり......いえ。ほら、あなたも成長していたでしょ?』
「ああ、あの空間に行っただけでこんなに成長するなんて思って無かった。ボーナスステージか?」
もう何回か挑戦したいところだが、どうやらそうもいかないらしい。
俺の直感が、すでにアレがただの箱だと認識している。
ただの勘ではなく、いわゆる擦り込みの様に、どうやら開けようとしても虚脱感が襲うらしい。
「まあ、あと二ヶ所ある。そっちで少しわがままを聞かせれば良い。」
聞かなかったら、虎の威を借る。
◇◆◇
『妾は何度も言ったのじゃ!あの邪神には関わってはならぬ!』
『だから言ってんだろォ?何にも問題無く、なんなら二人を強くしてくれたじゃねェか。』
『強さの代わりに魂を奪われたのじゃ!うわあああ!!』
「やかましい!」
イムの頭を、魔力を纏った拳で殴る。
とりあえず、この精霊と契約を結びたい。
ここまで来た二つ目の目的なのだ、無駄骨は避けたい。
『痛いのじゃ!やっぱりお主は洗脳されてるのじゃ!』
「『魔力弾』から拳骨に変わっただけで、暴力に差は無いだろ。何言ってんだ?ほら、俺と契約しろ。」
『嫌じゃ嫌じゃ!』
どうしたものか......
マキなら世界を回るという約束で契約したのだが、コイツはそれを魅力的に感じないらしいし。
「遊びならどうだ?」
『っ......!』
おっ、反応があった。
前に退屈していたと言っていたから、娯楽に飢えているのではないかと思ったが、意外とビンゴだったらしい。
「おもしろい玩具があるんだがな。なあ、マキ。」
『あァ。ノアは弱ェけど、中々面白ェゲームを持ちこみやがる。どうよ。やりたくないか?』
『っ......!そ、そこまで言うなら、ゲームだけでもしてやろう。じゃ、じゃが、まだ契約はせんぞ!何度かやってルールを覚えたら勝負じゃっ!もしも妾が負けたら、契約をしてやろう!』
『おお、そうだな!俺達が勝ったら契約で、お前が勝ったらそのゲームをボードごとプレゼントしてやるぜ。』
『な、なぬっ!?し、仕方ないのじゃ!』
チラッと見せたボードをチラチラと見るイムに、俺とマキはにちゃっと笑った。
互いに軽く引くくらいの笑みを浮かべて、俺達は準備を始めた。
◇◆◇
出したのは三種類のゲーム。
将棋、リバーシ、トランプだ。
それぞれ、パルエラ、マキ、俺が担当し、キクスは見学、三種全てをイムと闘う。
が、アマチュアの試合なんて面白く無いので
全カットォォォオオオオオ!!!
『ゲハハハハ!!ザッコ!ザッコ!イムは雑魚だけど、それにも負けたノアは更に雑魚!!』
『あんまり言わないの。ノア君はこういうのが苦手なのよ。』
『キィイイイ!せめてマキとパルエラがノアレベルなら良かったのじゃ!』
顔を真っ赤にして笑うマキ。
顔を真っ赤にして微笑むパルエラ。
顔を真っ赤にして怒るイム。
「てめェら。覚悟しろや。」
魔力を解放し、ドロドロと垂れ流しながら指を鳴らす。
「いやぁ、久々にキレちまったよ......!」
『ひひひっ、いや、すまん、っふっふふふふぅうううう!!』
『落ち着いて、ふふっ。ゲームが弱くても、ふふふふっ。ノア君はカッコいいわよ?ぷふっ』
『ぬうう!!約束は守るのじゃ!契約でもなんでも好きにせい!』
「......」
魔力でイムを縛り付け、契約を交わす。
『【熱の精霊の加護】を獲得したわ。とりあえず、魔力に温度を付与できるようになったわ。』
『鑑定』で詳細を確認する。
ふむふむ、消費魔力がちょっと増えるが、0から前後100までは弄れるらしいな。そう考えると、多少便利だろう。
使い方は後々考えるが、あった方がいい能力なのは助かった。
「これから頼むぞ、イム。」
『むぅ。契約したからにはよろしくするのじゃ。』
こうして、新たに二人の仲間を加えた俺達は、砂漠をあとにした。




