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恋愛なんてバカバカしい。  作者: ぱんすと
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弘前遥

俺は学校の屋上にいた。

なんでかって?

とある女に呼び出されたからだ。

そいつの名前は桜川遥。

見たことも聞いたことも無い名前の女だ。

屋上に呼び出された俺は単刀直入に聞いた。

「こんな所に呼び出して何の用だ」

するとその女は映画の悪役のような笑みでニヤリと不敵に笑って答えてくれる。


「私に恋を教えなさい!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



私立明朗高校。

俺が去年から通っているこの高校は至って普通の進学校だ。

ランク的にも頑張れば国立の良い所に行けるし、まあ頑張らない奴もそれなりの大学には毎年いけているらしい。

ちなみに俺は成績的には中の上をキープし大学はこの地元千葉の国立大学に行こうと考えている。

校則も曲がりなりにも進学校だけあって他の学校に比べると相当緩い。

なんでも理事長の意向で自由な校風を重んじているんだとか。

高校入学当初は周囲の様子を伺って黒髪に、パリっとした制服の着こなしをしていた奴らも一年たつとあら不思議。

茶髪に金髪、制服は着崩すのが当たり前といった様相を醸している。

もちろん俺は二年になっても黒髪で制服はしっかり着こなしている。やっぱり普通が一番だ、何より面倒だしな。よくやるよ連中は。

ちなみに今日は二年生になって初めての登校日。

クラス替えの発表があることもあっていつもに輪をかけて空気が浮ついているのが伝わってくる。

そこらから聞こえてくる会話も

「やった!ゆっこ同じクラスだよ!C組!」

「まじ?超テンアゲなんだけどぉ、二年もまじぶち上げてかね?アゲインアゲアゲってかんじで~」

彼女たちはその後も上げ~だの下げ~だの言いながら校舎の中に入っていく。

他にも仲の良い友達と同じクラスになったなれなかったで一喜一憂しているのが見受けられ、それでもなんだかんだ楽しそうにしている。

それにしてもさっきの子の実家は揚げ物屋さんなのかね。そうでもなきゃ普段からあんなアゲアゲならないだろ。薬でもキメてんのか?

そして俺も周囲に習いクラス表が張り付けられた掲示板を見ようと近づく。C組か。ゲッ、あいつらと同じクラスかよ。

まあ決まったことはしょうがない。教室に向かうか。

するとそこで声をかけてくる奴がいた。

「おはよう陽太!略しておは陽太~!まーた今年も同じクラスみたいだな!よろしく頼むぜ相棒!」

「光…朝からうるせえ。今その高校生活最大の不幸を噛みしめていたところだ。」

「まーた照れちゃってこのこの~これで中学から五年連続同クラだな!それにしても同クラって響きエロくね?」

「知らん。妹に言いつけるぞ」

「いやごめん!それだけは勘弁してまじで!小柚子に嫌われたらお兄ちゃんもうお婿に行けない!!」

「安心しろ。嫌われなくても兄貴は妹の婿には行けない」

この残念なシスコンの名前は清水川光。中学一年の頃に同じクラスになってから三年間ずっと同じクラス。

高校もなぜか同じ所を志望し今に至るまで付き合いを続けている。

世間一般的には親友と呼ばれる間柄なのかね。認めたくはないが。

うざったい事にこの光はシスコンのくせに無駄にイケメンで、シスコンのくせに無駄に運動も勉強もできる優秀なシスコンだ。

シスコンエリートと呼んでも差し支えないだろう。

そんなシスコンエリートと校舎に向かって歩き出す。

「なあシスコン馬鹿」

「ん?なんだ?陽太」

いやお前その呼び名に違和感を感じないだと…?ま、まあいい。

本題に移ろう。

「お前のその妹への恋愛感情ってうちの校則に触れないのか?」

光は俺の問いに対し最初は?とまるでポップ表示が出そうな表情をした後、校舎の正面にでかでかと張り付けてあるそれを見て思い出す。

「ん?あーあれか」

「そう、あれだ。明朗高校校則第一条一項」


「「恋愛したら即退学」」



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