本との出会い
「彼女を作るための10の方法」
会社からの帰り道、いつも通っているのに今まで気にもかけなかった古本屋、今日は家に帰りたくない。
そんな気分だったのでなんとなしに寄ってみた。
そこで目に留まった一冊の古ぼけたHow to 本
「皮肉なもんだ……」
今日で俺は年齢=彼女居ない歴めでたく30周年を迎えてしまったわけで……
そんな日に、家で1人さみしく過ごす気にはならなかった。
でも一緒に誕生日を祝ってくれる彼女はおろか異性の友達も居ない。
数少ない男友達も連絡してはみたものの、都合がつかず1人で過ごす30回目の誕生日だった。
「無理もないか、今日は2月14日、バレンタインだもんな。」
そう、なんと俺の誕生日はバレンタインデーなのである。
周りを見渡せば、カップルだらけなのに何故俺には彼女が出来ないんだ!
「何故俺はこんなにモテない」
どのくらいモテないかというと、彼女は今までいたことがない女の子とデートすらしたこともない。
極めつけが30年間で1度もバレンタインにチョコレートをもらったことがない……
なに?彼女もいないから当たり前だって?
馬鹿なことを言わないでもらいたい、チョコレートといっても本命チョコのことを言っているわけじゃなく義理チョコだ。
義理チョコですら1度ももらったことがないんだよ!
こんな奴、俺の他に居るのか?
我ながら情けなくってくる。
30回目のバレンタイン当日である今日はもう逆に開き直って
「今日さえ乗り切れれば、これは新記録だ誰も俺にチョコなんかくれるなよ?絶対だぞ、いいな絶対にくれるなよ?」
とまで考えてしまうおかしなテンションだったくらいだ。
まあそんな感じでついに30年間彼女が居ないわけなのでこんな本に目がいってしまったわけだ。
こんな本を読んだところで何が変わるでもないが何しろ暇なんだ、今日は1人さみしく家に居たくないんだ。
そう思いその本を手にとってみた。
それが俺のこれからまでの人生観、これからの人生を大きく変えることになるとはまだ知らずに。