だから「待って」と言われたって。
まだ恋心すら抱いていなかった頃。
お兄ちゃんはいつものように私を抱き抱えていた。
同じ血は流れていない。
況して、私は我が儘だった。
血液型の違いなんてどうでも良いとしても、割りと当てはまっていただろう。
独占欲の強い星に産まれた私はいつも追い求めていた。
いくら恨まれようと蔑まされようと気にも止めない。
遠めに見るに飽きたらず、それでも決して悟られてはならない。
狂った愛情だと自分でも気付いていた。
なのに、結婚して我が子を授かったというのに歪む情熱。
魂の矛先は生涯揺るぐ事はない。
狂ってでも ── アナタガスキデス。