狂文
1件目。
@ 転院するかも
2件目。
@ 今後の事、話した方がいいよ
3件目。
@ 後、お母さん認知症が出てきているかも
最後。
@ いまのままでは心配です
『何だこの狂った文章は。小学生でも書かないな。』
このクソ女は、相変わらず他人事のような気でいるのか。子として自分は何をしてあげようと考えている、というような建設的なことを今まで直接声をかけられたことがない。陰で、俺に任せていると一方的にふれ回っているだけである。
『仕方ない。』
お前も恩返しすることを自覚しろと伝えることにした。そして、文面を送った。
@ 転院する時は、内容を確認することになっています。あなた達も母さんを支える為、何かやりませんか。今まで世話になっているのですから。
と一発かましてみたのである。すると、すぐにでも返事が来ると思いきや、一旦来なくなった。一応、コイツにも少しは自らを省みる心があるのだろうか。そうしてバス停に近付くと、乗車位置にある時刻表の掲示された緑色の標識を先頭に、来車を待機している人達が列をなしていた。
“それでさあ、どうなった?”“明日のことだけど・・・”
一般の人々と共に、リクルート姿の若者達が沢山並んでいる。会社からの帰りで、気持ちが解放されて雑談しているのである。前にも言ったように民間会社の新入社員達である。この駅の近辺には、企業のIT部門の事業所が幾つも建っている。年度初め、どこの会社でも研修期間である。今の場所に移り住んで、バスターミナルのこの光景は、風物誌のようになっていた。
# ピロピロピロ ピロピロピロ
勝手に思い詰めて、また訳の分からんことを送りつけてきたようである。やっぱり無視するべきか否か、本心では関わりたくはない。しかし、このままではこの女の狂業を許したままになるのではないか、言われっぱなしで俺だけが馬鹿を見ることになるんじゃないかと思うのである。
# ピロピロピロ ピロピロピロ
また送り付けてきた。
『・・・しかたない。』
返信の画面を開いた。




