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大丈夫だから

℡「はい、やっと連絡が取れました。巡回職員がご自宅に伺いまして、着替えもままならないようで、お会いすることは遠慮したいとご様子を見ることは出来ませんでしたが、電話にはお出になられました。やはりお疲れになっていますが、取りあえず安静にしていらっしゃいます。今なら、ご連絡していただいてもお話が出来ますよ。」

℡「ありがとうございました、心配していたので助かりました。早速、声を聞いてみます。」

℡「よかったですね、今後も引き続き、お母様の見守りを行ってまいります。それではこれで失礼させていただきます。」

 度重なり起こって来た親父とお袋のアクシデントでは、様々な障壁となる厄介者やめんどくさい雑事が出現し、唯一、カミさんだけがその解消の頼れる者となっていた。そしてここで、初めて手助けをしてくれるものが現れたのだ。この時、何と無くであるが、自分に味方となるものは、自ら作り上げる必要があると悟らされたような気がした。

℡「ツルルルル ツルルルル ガチャガチャ “ハイハイ。”」

℡「あっ、お母さん、大丈夫?、大変だったね。」

℡「大丈夫、大丈夫、またさっきの人かと思ったよ。」

℡「病院から聞いたよ、それで、そっちに行こうと思ってるんだけど。」

℡「来なくても大丈夫だよ。あんたは仕事が大変だからね、お母さんは大丈夫だよ。」

 確かに、今やっている仕事に目処を付けてから向かいたいところではあった。明日でなくても大丈夫なら、休みがいつ取れるかを確かめてみよう。それに、このことを主治医に知らせなくてはいけない。

℡「母さん、本当に直ぐじゃなくて大丈夫?」

℡「ああ、大丈夫だから来なくても良いよ。」

℡「それじゃあ、直ぐ休みが取れるか確かめてから行くことにするから、それから、津村先生には風邪のことを話しておくからね。」

℡「そうかい、来なくても大丈夫なのにねえ。」

 今は処方で気分が良くなったとしても、救急で運ばれて、そのまま大丈夫だとは思っていない。そして翌日、期限付きの仕事だけをかたずけようとやっきになって、カミさんには帰省の飛行機の便を取ってもらって、なんとか目処なるものを付けた。

それは昼過ぎであった。

# ♪タンタンタ~ン タタタンタ~ン・・・

 仕事を一休みさせて、袖机に入れている通勤鞄から取り出した携帯電話に、留守電記録が残っていた。


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