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ケアマネ

℡「大丈夫大丈夫、母さんはもう年だからね、独りで親父の面倒を看てるんだから疲れれいるのは当たり前だよ、気にしなくていいよ。」

 そう言いながら、お袋を孤立させていることをすまない、これからは俺が何とかしていかないと思っていた。

 それから数ヶ月経った頃のことである。親父の入院している病院から、電話が掛かってきた。

℡「以前電話致しました、ケアマネの山田ですけど。」

 用件は、入院している親父の今後についての話であった。その主旨は、別の病院に転院させたいということである。病院とは、入院患者の病状が安定してくると、だいたい3ヶ月程でこういうことを言ってくる。救急病院や診療専門ならともかく介護病棟を持つ病院であってもである。建前では医療制度上仕方ないことだからということであるが、特に経営面に力を入れて診療を行っている所には、新規の患者を受け入れていかないと制度上収益が上がらなくなり採算が合わない事になるという訳である。こちらとしては、そんな内情など知ったことではない。此処に転院させた病院がその辺りの情報をくれても良さそうなものだが、他の病院の事情に触れることはタブーになっているんだろうか。

℡「実は、お父様の当院での状況を踏まえまして、容態が安定しましたので、他の病院への移転が宜しいかと。」

『えええ、どうして?、親父の診療状態が確定して儲からなくなったから出て行けということか?』

すると、ケアマネはこんなことを言ってきた。

℡「先週、お姉様が当院においでになりまして、お父様の容態をお聞きされました。」

 さすがのあの女も親父をないがしろにしようとしたことに気が引けるのか、これまで何度か、親父の顔を見に来ていたようだ。何故こういうことを言うかというと、親父は昔からの不摂生が祟って、70代になって緊急事態で病院に担ぎ込まれるようになった。この病院に移る前は、救急対応の病院だったのであるが、そこに入る前から本当にヤバイ状態を繰り返していたので、俺もいつかはその日が来るかもとは覚悟していた。その救急病院に入る時は丁度正月を過ぎた頃、お袋から電話があった。

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