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第6話・デートは計画的に〜買い物編〜

 とりあえず、麗華さんは怒らせたら怖い。とゆーか痛い。

 これからはあまり、からかわないようにしようと学習した、寿君でした。

 今久しぶりに俺の名字が出てきて、びっくりした人がいるだろう。

最近麗華さんに『タクナリ』って呼ばれているからみんな忘れていると思うが、俺の名字は寿だ。忘れないようにしてくれ。


 なんとか麗華さんを落ち着かせることが出来、(興奮させた原因は俺なんだけど)気が付くとかなりの人に注目されていた。

 それもそうだろう。麗華さんが来た時点でかなりの人の好奇心を集めていたのだが、そこからの俺達の言動、最後にはあんな戦闘まで繰り広げていたら、人間以外の動物だって興味を持つに違いない。


 さすがに俺と麗華さんも恥ずかしくなって、逃げ込むように近くのカフェに非難した。


 俺達が逃げ込んだカフェは駅前にある小さな店で、なんとも女性が好きそうな、可愛らしいお店だった。


 店内に入り、俺がアイスコーヒー、彼女はアイスティーを頼むと、注文したものが飲み物だけだったので、すぐに来た。

俺の元にアイスコーヒーとミルクとガムシロが一つずつ。麗華さんにも同じく、アイスティーとミルク、ガムシロが一つずつ置かれた。


 んー…俺ガムシロいらないんだけどなー。


 俺がミルクしか入れないのに気づいたのか麗華さんが、話しかけてきた。


「ガムシロ…使わねーの?」


「あ…はい。……使いますか?」


「おう!!私甘党なのさー」


 そう言いながら右手をヒラヒラさせる麗華さん。

 うーん。それっぽいっちゃそれっぽいし、ぽくないったらぽくないな。

 カチャカチャとストローでかき混ぜながら、俺はふと疑問に思ったことがあった。


「そういや、俺の家の場所誰に聞いたんですか?」


 麗華さんが俺の家に来るのは初めてだったのに、なぜか場所を知っていた。麗華さんは昨日コンビニ人に教えてもらった。としか言わず、俺はそのことを聞こうと思っていたのだが、なかなか聞くタイミングがわからず(ただ忘れていただけ)いつ聞こうか考えていた。


「あぁ。名前…なんだっけなー?覚えてねーなー」


「なんかこう…特徴とかありません?」


「特徴なら覚えてるぞ!一人がだな…ロングの髪を二つに結んだ、小さくて、空気の読めない女の子。」


「空気の読めない……?」


「そうそう。他にも、興奮すると前が見えない女の子。とか、恋する純粋な女の子。とかそいつはいっぱい特徴があったな」


「ん〜?わかんないなあ…。」


「あの女、可哀相。タクナリに覚えてもらえなくて…よっぽど影が薄いんだな」


 そう言うと麗華さんは、彼女の癖でもある、ハッと言う笑い方をした。


「そんなこと言っちゃダメですよ。俺の記憶力が悪いんですから」

 

「いやいや、色んな意味で可哀相だと思うぞ?私は」


 そう言うとクックッと笑う麗華さん。

本当に楽しそうに笑ってるな、この人は。


「……で、その人だけだったんですか?」


「んあぁ。もう一人がーあいつだ。ほら、この前一回私が見かけたことある、いつも寝てる奴!」


「えぇ!?新田さんですか?」


「そうニッタ!やーっと思い出した。そいつだよ」


「あのニッタさんが…。つーかあの人起きてたんだ」 

「いんや、多分トイレで起きてたんだと思う。だって私に地図書いてくれたらさっさと走って、トイレの中入ってったぜ」


「そんなことだろうと思っていましたよ」


「でも…ひとつ気になることがあるんだよな…」


「はい?なんか言いました?」


「いんや、なんでもねぇ」


 そう言うと、麗華さんはがははははっと笑う。でもいまいち意味がわからない俺は笑うことは出来なかった。


 しばらく他愛もない話をした。いつもコンビニと話すときとは、時間も場所も違うせいか会話の内容も大分違かったのがまた新鮮に感じて、飲み物一杯で随分と長居してしまった。 店員にすればすごく迷惑な話だろう。


「うっわ。結構喋ったな。もうこんな時間だよ」


 麗華さんの言葉に反応して、店内の時計を見ると店に入ってから一時間近く過ぎていた。


「そろそろ行きますか。店員さんの視線も怖くなってきましたし」


「あー…確かに、な」


 そうゆう麗華さんは、どこかおもしろそうに、ハッと笑った。



 さて、場所は変わって先程の待ち合わせ場所に戻った俺たちは、次にどこにいこうかと考えていた。



「うーん…」


 デートに切り出したくせに、何も考えていなかったことに少し後悔。ただ単純に、麗華さんといろんなことを話してみたいと思ってたので『そこら辺、ブラブラするぐらいでいっかー』という甘い考えでいた俺は、今の状況は少し焦る。

最近は『女性とデートをする』なんて生活とはかけ離れていたせいか、デートと仕方なんてすっかり忘れていた。

 余談だけど、俺は中学3年から高校2年にかけて、人生誰しも一度は経験するであろう『モテ期』で、かなり調子にのり、いろんな女の子とっかえひっかえした時期があった。言ってしまえば、その日だけ。つまり、ベッドの中で一夜過ごしたらポイなんてことも、何度かあった。まあ、その浮気癖がたたって、高校3年になってからは、女の子との付き合いはめっきりなくなったんだけど。

今俺がこうして普通に思いだせるのも、俺自身が充分、後悔や反省を繰り返したからだと思う。


 話が大分逸れたけど、俺が言いたいのはその『モテ期』に比べたら、女性の扱いが全然慣れてないということ。更に話を縮めると、やっぱり俺は困っていると言うこと。

 こんなことになるなら、少しは麗華さんを見習って、コンビニかどこかでデートマニュアルみたいなのを、読んで来るんだった。



「なあ、もしかして行くところ迷ってる。って感じかい?」


 まさかの図星をつかれてドキッとする。でも、変に嘘をつく必要もないので、素直に答えることにした。


「あー、まあそんなところです」


 ハハハと苦笑いしながら答えると、麗華さんは『じゃあさ!』なんて言って俺にある提案を出した。






「おっ、これも安いなあ」 


 え、えーと……。


「安い安い!これも買いだな」


 今目の前では、麗華さんがとても楽しそうに駆け回ってる訳で…。


「あーとは…あぁ!アレだ!」


 まあ別に、彼女が喜んでいるならどんな場所でもいいのかなあ。なんて思っているのだが…。


「あと…あ!これも安いー!!すげーな…」


 でもさ…ここ。


「あ!砂糖安い!さすが特売日は違えよな」


 あの…スーパーなんだけどぉ!?


「あ?どーしたタクナリ。ボーッとしてよ」


「いやいやいや。いやいやいやいや!!え?……ちょ、えぇ!?」


「落ち着きなさい。なにをそんなに慌ててる」


「慌てるっつーか、驚いてるっつーか、驚いてるっつーか…」


「いや、だから落ち着けって。ホラ!深呼吸!」


 麗華さんが『スー…ハー…』と言うのに合わせて、ゆっくり深呼吸する俺。いくらから落ち着いたので、ゆっくりと麗華さんに尋ねてみる。


「だ、だって俺デートでスーパー来たの初めてなんですけど」


 例えば、

『これから、おまえの家行って手作り夕御飯でも食べに行こっかなー』

『んもう、いきなり何言ってるのぉ?』

『しょうがないだろ?おまえともっといたくなったんだからさ』

『ったく〜。なにが食べたいの?』

『ハンバーグ…かな。そのあとは、もちろん。ね?』

『…………もぅ。じゃあ今から材料買いにいこう?』 みたいな流れで買いに行くならわかるんだけどさ。

でも、ね?だってホラ……。


「タクナリ……おまえ、かなりキモい。全部声に出てる」


「嘘おおおおぉぉ!?」


「いろんな意味でがっかりだよな。まず一番の問題は、妄想力が中学生並みっつーことがさ…」


「うるさあああい!!ごめんなさい!俺が悪かったです!」


「しっかしタクナリがそんなこと考えているとはなー。そーゆーことがお望みなら、タクナリの為に裸にエプロンで―――」


「ほんっとに!!ほんっとにいいですから!ちょっと調子にのっただけですから!」


「そうか…。いや、別に無理をしてるわけじゃないんだぞ?」


「麗華さんが無理してるしてないじゃなくて、俺が無理なんです!この話題が耐えきれないないんですよ!もう、この話題やめません?ね!やめましょう!!今すぐに!!」


「はいはい。あー楽しかった。タクナリいじりも楽しいな」


 心底楽しそうにいった麗華さん。そりゃそうだろう。終始ずっとニヤニヤしてたもん、この人。



 しかし、この人に弱みを握られたら、本当に終わりだな…。気を付けよう、うん。


「じゃ、タクナリのためにも、エプロン買わなきゃなあ…」


 もう握られてたああぁ!!

しまったあ!あれは完璧な弱みだ!!


「れ、麗華さん…この話は、もう…終わ―――」


「アイス」


 『り』という前に彼女は一つの単語を発した。それはこの時期になると、一度は食べるおいしいデザートで……。今この状況で、彼女の言葉を聞いて、なんとなく、というかほぼ言いたいことはわかった。まあでも、ここは聞き返すのが、自然な流れであり、暗黙の決まりなのだと思うので、薄々気付きながらもきちんと聞き返す。


「……はい?」


「この話題をやめてほしかったら、アーンド、他の人に言われたくなかったらパゲちゃんアイスおごれや」


 やっぱりそんなことだろうと思った。『アイスをおごるだけ』というのは、随分と軽い内容なのだが。

ちなみに、麗華さんが言っている『パゲちゃんアイス』とは、コンビニやスーパー等で、他のアイスと並んで売っているも、ちょっとだけ格別扱いされている、あの値段が少しだけ高いという『ハーゲ〇ダッツ』のことである。初めて聞いたときはかなり驚いたが、何回も聞いていれば嫌でも意味がわかるので、俺はもういちいちツッコまない。


「そんなことだろうと思いました。本当に好きなんですね」


「もうヤバイな!アレは。神だよ神!!ネ申と書いて、神だよ!」


「それ、前から聞いてますから。この間も同じこと何回も繰り返してましたから!」


 とりあえず、その『パゲちゃんアイス』を五つほど奢るということでこの話はなんとか落ち着いた。

俺としても、それだけでこの話を終わらせてくれるなら、ありがたい話である。


 その後も、麗華さんはなんとも嬉しそうに値引きされている商品を、どんどんとカゴ入れていった。

 なぜここに来たかったのか彼女に聞くと、今日はポイント二倍の日らしい。



 なんともまあ…家庭的な人だ。

第6話ですね。「6話目にして、もうデート?」思う方がいらっしゃると思いますが、あまり寄り道をせず、ススス〜と進んでいこうと考えております^^まあ私は文才がないので(汗)遠回りしてしまう可能性も大いにありますが^^;暖かい目で見守ってくださると嬉しいです^^

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