短編・幼馴染みと、バットエンドに落ちる。
初投稿になります。
「ばっかやろおおっ!!
ばか、ばか!いっつも、私が、お前の話を、どんな気持ちで聞いてたかっ、!何も知らねーくせに、私が、お前のこと、どー思ってるかなんて考えたことすらねーくせにっ!!そんなやつに、知ったような口きかれたかねーんだよっ!!!!こんなことになってから、好きだとか言われたって困るんだよ!!!
てめーはばかだよ、なんで今なんだよ。おっせーんだよ気づくのが!!私は、もう、ボロッボロなんだよ、お前のせいでな!……くそ、くそっ……!ほんとばかだよな、お前も、私も。鈍感すぎるやつのこと5年も諦められなかった私と、そのことに気づかずに好きでもねー女とっかえひっかえ繰り返して5年たっちまったお前。
要するに手遅れなんだよ。今更私達の仲がハッピーエンドになんざならねぇんだよ。ならねぇっつーか、なれねぇっつーか。5年間は戻らない、5年間はなかったことにはならない。もう疲れた。
…………先に言っとくが、私が今ここに立っていることは、お前のせいじゃなく私自身のせいだ。無駄だと分かってて無駄にした5年は、私には大きすぎたんだ。もう私自身が癒えることはない。これから生きてても、私にとって意味のなさないものでしかない。と、わかってるから、今手放してしまうってだけだ。……勘違いするな、私がここに立っていることはお前のせいじゃないが、ここに立たなくちゃいけなくなってしまったのは誰でもないお前のせいだ。私は幸せにはなれない。お前の不幸を願う気もない。ただ、私は、あの5年間を経験してなお、お前への気持ちがまるで変わっちゃいないから。
お前が好きだった。
幸せになれ。
それが、お前に出来る私への報いだよ。
じゃあな、…………紅。」
「咲っ――――――――!!!!」
オレは何も言えなかった。
彼女は泣きながら、微笑みながら、清々しく、何十mも先の地面へ落下していった。
オレは何も言えなかった。
この気持ちを自覚してからまだ少ししか経ってないけど、だからこそ、今確実に分かる。
咲のいない世界で、幸せになんかなれるかよ……!
「待ってろ、すぐ行く」
遥か向こうの血塊となった彼女に向かってそう言い、冷ややかな夜の空気へ、また彼女に向かって自らの身を投げ出した。
ああ、さむい、
「…………次です。
今朝○時△分頃、××にある××大学の脇で、××大学に通う坂田紅さん二十歳と、同じく××大生である小川咲さん二十歳が血だらけで倒れていたのを、早朝に出勤した職員によって発見されました。二人は隣合うような形で倒れていて、すぐに病院へ運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました。警察の調べによりますと、校舎との距離や打った箇所などから、共に屋上から転落もしくは心中を図ったと見られています…………」