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かんだーら ふたたび

潮目


海流のぶつかる場所、その近辺は流れが急だったり渦潮が起き易く航海の難所として知られたりもするが良漁場としても知られる。

潮目の場所は大体押さえられているが細かい場所については日々変化するので潮見の役にある者は潮目を確認して回避せねばならないので心休まる場所ではないとボヤキが記された航海日誌が多数確認される。

また、潮目を避けながらの航海をする必要があるために極北内海では【極北】側と【北岸(北国)諸侯連合】側とをジグザグに進む航路が一般的である。これにより内海での交易が活発化する一方で双方の陸路での移動時間のほうが早かったりする逆転現象が見られる。

もちろん、直線的な航路もないわけではないのだが潮目や岩礁が多く一握りの熟練した船団以外利用するものは殆どない。ちなみにこの直線航路では大規模な船では利用できず経済性の面からも進んで利用されないのである。

【東の凍らず】を経由して【狭間の国】へと船旅をする勇者(笑)一行。【極北の地】を沿岸沿いに進む【荒野の民】の一行。その到達時間がほとんど同じというのは不思議に思えるのだが、船自体が【極北】と【北部沿岸地域】を行き来しながらと聞かされて納得する勇者(笑)である。

交易と補給を行いながらジグザグに進むことで半月ほどかけて進む。乗客が【極北連合】の族長衆だけだと金にならない。船を仕立てて進めば10日ほどで行けるのだろうが金がかかりすぎる。ジグザグに進めばひと月弱で行けるが途中で交易もできるし補給も楽(北部沿岸地域のほうが食料品の値段が安い)勿論族長連中も途中で寄った港でそれぞれの氏族の為に商談を行うために彼等にも都合がよいのである。

世界は彼等だけで孤立できるほどではないのである。周りの状況をしっかりと見極めてかじ取りをしなくてはならないのである。


「次は寒鱈の港か・・・・・・・・・・・・・・・あそこの港だと魚介の干したのが美味であったな。」

「ええ、族長。今の時期だと鰊よりも鯖が意味でありましょうな。」

「それよりも、今の時期ならば南から葡萄酒が回るのではないですか?私はあの甘いのに目がなくて・・・・・・・・」

「馬鹿者、男なら酒は辛口の大麦の醸造酒一択だ。」

「蜂蜜酒のことを忘れないでください・・・・・・・・・」


表向きの理由が【人族大陸】側との交易であるのは認めるが異国の美味というのも楽しみにしている面は否定できないのである。あまり楽しみすぎると国許で族長交代騒ぎが起きたりするので気をつけなくてはならないのであるが。


そこは随行員を交代することで防げますわ。(by極北諸神群 薊の花飾りをつける女神)

政変の理由が外回りの美味を得るためというのが極北らしいというか(by大雪神)

そんな理由は過去に3例ほどしかない。常日頃からあるような表現はしないように。(by極光神)



複数の船が海を割って進む姿は壮観である。基本風と潮の流れのみで進むので速度が出ないように思えるが障害物のない海を馬車と同等の速度で1日中休みなく進めることができるので陸路よりも有用なのである。それでも、遭難とか海路への忌避感を持つものも存在するために陸路との共存がおこなわれておるのだが・・・・・・・・・・・・・・・


「潮風を浴びていると海に立っているんだなとおもえてくる。」

「僕らは海の上に浮かんでいるんだけどね。」

「しおかぜがべたべたするー」

「客人方、そろそろ部屋に戻ってもらえませんかね?潮目(海流がぶつかるところ渦潮とか起きやすい)が近いんでね。」

「見物できないんで?」

「落ちたら面倒くさいんで・・・・・・・・・」

甲板で変哲もない景色を楽しんでいる勇者(笑)に部屋に戻るように願う船員であった。



海路で3日ほど、船団は【寒鱈港】に到着する。

「なぁ、船団長。どうして神官様がお乗りになれれている船から旨いものの匂いが流れてくるんだ?」

「気のせいではないのか?そりゃ持ち込みの食糧で食事されているのは否定しないが・・・・・・・・・・・」

「ふむ、ならば船団長、そのひげから漂ってくる美味なる匂いとか、船員達の全身から美味しいものを食べて幸せそうな雰囲気とかはどう説明されますかな?」

「まぁ、神官様が我々にも施しをくださってだな断るのは悪いだろ。」

「なるほど自分達だけ美味しいものを食べたと・・・・・・・・・・・・・・」

「船長諸君、この船団長はどう思う?」

「ああ、許しがたいものですな。我等は苦難を共にする戦友である、その戦友が粗末な保存食で我慢しているのを尻目に美味をむさぼっていたなんて・・・・・・・・・・決して私が航海中に美味を楽しみたいなどと言っているわけでもないですよ。ですけどね、海の上で楽しみがないの状態でこれ見よがしにおいしそうに食べられていたら船員達の士気に関わるんですよ。」

「兄弟よ、俺は美味しいものが食いたくて言っているわけではないんだ。そこは履き違えないでくれ。だがな、自重しろや!俺だってこんなことは言いたくないんだが粗末な保存食で飯済ましている中で旨そうな匂いを漂わせるのはなんという拷問だ?神官様はいいぞ、尊き方々の一人で俺らの客だ。だがお前等まで一緒になって食うことはないだろう?」

「え、えっと・・・・・・・・・・・・誘われて断るのは礼に反するというか・・・・・・・・」

「船団長の船の船員もうっとりした顔で酒場で吹聴していたぞ!じっくり煮込まれた野菜と肉の美味さを・・・・・・・・おかげで船同士で喧嘩沙汰になりかけていたぞ!」

「おれはうまいものがくいたいぞぉぉぉぉぉ!せんだんちょうだけずりぃぃぃぃ!!」


約1名本音がダダ漏れの船長がいたのだがそれはそれとして笑い話としておこう。正直は美徳である、得をするかどうかは別として・・・・・・・・・・・・

一時にわたる喧嘩腰の論戦の末に、勇者(笑)が乗る船が1航路ごとに交代することで決まるのである。本人不在で決めるかねと思わなくもないが船団の結束と船員の士気向上の為に我慢してもらおう。旨い飯は力の源なのだから。それに伴って材料費くらい出さないとまずいだろうとかという話になるのは律儀なのである。

「旨い飯、金払う価値ある。」

「私等は船乗りであると同時に商人ですからね。ただで何かしてもらうというのはよくないことなのですよ。」

「うちの連中の食べる量を考えたら金払わねぇのは気が引けるだろ・・・・・・・・・・・どうせ銀貨数枚だ。船長の器量というものを・・・・・・・・・」


船長達の言や立派である。だが地の文に(略)

さらに極北の連中の間でも船の飯の旨い不味いで同様のことが起こっていたのはどうでもよいことである。


その頃、勇者(笑)は懐かしの・・・・・・・・・とはいっても二月弱ぶりなのだが市場を散策している。

【ぶっかけ】様として顔を覚えている連中も多く、さらには療養神殿に分けた香辛料の世話になったものも多く色々と声をかけられたり、美味しいところを取り分けられて用意されたりするのである。

同道している死霊っ子だの孤児っ子だの小僧っ子だのはそのご相伴にあずかったりしてうまうまとほほをほころばせている。勇者(笑)も試食食べたら買ってしまう性格なのかちゃんと金を払っていくのである。そうした律儀な行動にカモだとかと思ったかどうかは知らないけど下にも置かない扱いをする店主連中なのである。


「にーちゃん、これうまいな。」

「はぐはぐ・・・・・・・・麺麭に色々挟むのって初めてだけどおいしいね。」

「鰊の酢漬け・・・・・・・・・酸っぱいだけだと思っていたけどこうして食べると意外にいける。」

「おにーちゃん、つぎこっちたべたい!」

「ちっこいの?これか?」

「こらこらものくいながらはなすなはしたない!そっちはボロボロこぼさない!口に食べかけがついているぞ!」

「神官さん、あんた食べてないでしょう。こらこっちの麦酒でも飲んで一息つけたらどうだい?どうせ子供達が食べても大した額じゃないんだろあんたにとっちゃ。」

「ああ、どもどもありがと・・・・・・・・・・・・って、ビール売りの姐さん!」

「なんだい、そんな怯えた顔をシテって・・・・・・・・・・・ひどいねぇ、こんなか弱い乙女なのに?」


後ろのほうで、ないない、それは絶対ないという男衆が複数存在するけどそれににらみを利かせて。

「まぁ、あんときは悪かったよ。」

以前の白雪髭の求婚騒動で殴ったことを謝るビール売りの姐さん。勇者(笑)の頬に幻痛が襲った気がするが

「・・・・・・・・・・ビール一杯で手を打ちますよ。姐さん。あんときは本当に痛かったんだが・・・・・・・・」

「悪かった、悪かった・・・・・・・・」

大杯にビールをなみなみそそいて渡しながら謝り倒す姐さん。思い返せば白雪髭はともかく勇者(笑)はとばっちりなわけで謝り倒すしかないわけで・・・・・・・・

周りの市場の衆も先の騒動を知っているからか生暖かい微笑みを浮かべているだけである。一部、姐さんの鉄拳の味を知っている連中は同情の視線を送っていたりするのだが。


「なぁなぁ、あのおば・・・・・・・おねえちゃん神官様に何をしたの?」

「それは・・・・・・・・・・・ということがあって・・・・・」

「白雪髭さんのせいじゃない・・・・・・・・」

「そういえば白雪草の族長が白雪髭さん締め上げていたね。」

「やっぱそれって・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・だろうな。おいらたちはその件には関係ない。そういうことだから分るな。」

「「「「「わかった。」」」」」

「めんどうくさいものねー」

「おじちゃん、こっちおかわり。」


子供たちは生存本能からか知らないふりをして市場の美味を楽しむのである。

勇者(笑)も謝罪を受け入れたからか多少の嫌味は言うもののどうでもよいと流すのである。




その日は港で過ごすすることになる。色々船団の荷物の積み下ろしやら族長連中も商談やら物資の買い付けやらがあるらしく1日では終わらないらしい。場合によっては二三日必要だとか・・・・・・・・・

このパターンだと暫くいる事になるのかな等と思ったりもするのだが、さすがに日程がずれ込みすぎているので人日卿が許さないだろう。その人日卿も、宿の一室に籠って報告書やら何やらをつづっている。

極北から送ると時間も金もかかるので、人族大陸にいる間に送れるものを送ってしまおうと・・・・・・・・

貧乏国家というな、実際の話、倍くらい時間も金も違うのならば安く上げるのは当然だろう。彼は旅を楽しんでいるようだけど派遣されてので窓際コース。この分だと旅が終わるまでの何年かかることやら・・・・・・

家人が国許で守ってくれているのは頼もしいが帰った時に顔忘れ去られてしまいそうだなとか家にいる場所あるのだろうかとか思ってしまうのは仕方がないことである。

その聖徒の騎士を守るかのように猫達は侍っているのである。


ぶな



翌日、灰色の空と湿った風が港を覆っている。


あーさー(by太陽神)


太陽神の宣言も雲に阻まれて誰も聞く者がいない。


ちょっと、それだけのために天候を・・・・・・・・・・・(by太陽神)

落ち込んでいる太陽神は置いといて

その日もいろいろと行うべきことが多く次の寄港地に送ってもらいたいものやら買い付けてほしいものとかの予約やら注文やら船員連中も荷の積み下ろしやら家族がいるものは一時帰参、暇なのは子供達と戦士達。人日卿は書類仕事を片付けて猫を引き連れ釣りに出かける。

忙しくはないのだがやるべきことを行わなければならない連中もいたり・・・・・・・・・・・

この港の名物姐さんである麦酒売りの姐さんに詫び入れに行く極北の白雪草の一族である。


「そういえば神官殿、昨日かの女性と会われたとか?」

「白雪髭が求婚した姐さんね。市場であったよ、仕返しでも考えているんかい?」

「いやいやいやいや、あれはどう考えてもそこの白雪髭(ばか)が悪いんじゃ。詫び入れに行かねばならんだろうから仲立ちを頼まれてくれんかね?」

「うーん、とはいっても何をすればよいのか俺はわからないぞ。」

「まぁ、麦酒売りの女性を紹介してくれればよい。こっちが謝罪の意を示せればよいのだから。」

「そういうことならば・・・・・・・・」


完全武装の極北戦士達、武具には不戦の意味を込めての封がされており物々しさとは別に粛々と街を練り歩いている。先導するは神官服をまとった勇者(笑)、その後を白雪草の族長と白雪髭が歩いている。白雪草氏族の女性達も武装した戦士達の間に守られるが様についてくる。

市場につくと目的の姐さんはすぐに見つかった。

麦酒売りの姐さんは完全武装の極北戦士達を見かけると白雪髭が仕返しに来たのかと身構えるがそれを制するが様に勇者(笑)が

「姐さん姐さん、白雪髭ん所の族長さんが姐さんに話がしたいって。」

「なんだい、物々しいね。口上を聞こうじゃないの?」

「初めましてとなるかの御嬢さん。わしは極北の地は東の大氏族に属する白雪草の一族を束ねる凍てつく滝じゃ、先だってはわしの甥孫である白雪髭がお前さんに対して不埒な行為をした件で詫びに来たんじゃ。」

「え、えっと・・・・・・・それを言うならばあたしだって・・・・・・・・・・思い切り殴り飛ばして・・・・・・・・・顔中ぼこぼこに・・・・・・・・・・・したからお相子だと・・・・・・・」

「いやいや、鼻の骨が曲がったりして男振りが上がってちょうど良いくらいだ。というのは冗談としてあの一撃(一撃ではありませんby地の文)は名を貶められたお前さんの当然の反撃だから我等としては納得しておる。それどころか女性の扱いを知らない白雪髭(ばか)に対して命を残しておいてくれていた礼をせねばならん。これをお納めくだされ。」

と白雪草の族長が合図をすると戦士達が手に持った袋を姐さんの屋台にどすっと置く。姐さんが中を改めると・・・・・・・・・・

「ちょ、ちょっと!それは多すぎだって!竜鱗が袋一杯とかどんだけよ!」

「ふむ、お嬢さんの婿金が金貨5枚と聞いておったのでな少し多めに・・・・・・・・・・・・・」

「多けりゃいいってもんじゃないでしょうがぁぁぁぁぁぁ!」


姐さん姐さん落ち着いてと周りが言いそうな絶叫を発する麦酒売りの姐さん。

袋一杯の竜鱗、金貨換算でどう見ても五枚以上ありそうである。そんなにもらって詫びを受け入れたら姐さん行かず後家決定である。ただでさえ(ぎんっ!)で妹はもう(ぎんっ!)で同い年の女友達にまで(ぎんっ!)・・・・・・・・・・えっと、姐さん眼力で地の文の妨害するのはやめてください。そして私をにらむのは・・・・・・・・・・ゾクゾクするじゃないですか!

まぁ、貰われるのに難癖付けて金だけせしめたみたいな評判がたったら誰も貰いたいと思いませんよね。特にとし(ぼくしっ!)

だから地の文に対して暴力行為は・・・・・・・・気持ちよくなったらどうするんですか!ハァハァ・・・・・・・・・


えっと、地の文。自分の性癖を晒すのはやめるよう。(by記録神)


失礼いたしました、どうせ甚振られるならば死霊っ子の年上の少女、勇者(笑)に思慕を向けている少女の方が・・・・・・・・・・・・


あうとぉぉぉぉぉぉぉ!(by幼女守護神)

後で裏までおいで。(by節制神)


まぁ、軽い冗談は置いといて麦酒売りの姐さんは如何したものかと悩む。

どっちを取ってもいかず後家、行かず後家と言うなぁぁぁぁという叫びが聞こえそうだが、聖徒王国では60代処女が若い連れ合いを得た例があるので強く生きてくれ。


その癖、妙齢の聖女に連れ合いがいないのはどういう事なのだろうか?(by光明神)

それを言うならば啓蟄地方のの姫摂政殿下とか・・・・・・・・・・【狭間の国】の王妹殿下とか・・・・・・・・(by暗黒神)

ぜんぶ腐っているじゃないですか!(by発酵神)

人族ではないけど魔王領の第五王女とか雷竜姫とか・・・・・・・・・・・(by光明神)


えっと、色々と問題ある掛け合いはやめてもらえませんか?神様方・・・・・・・・・・・・・

話を戻すと麦酒売りの姐さんは戸惑っている。金を貰っても貰わなくてもイキオクレ、住まいにはイカズゴケが生えてしまう羽目になる。

彼女は少なくとも婿取りが出来るくらいの状況に持っていきたい、どう見ても完全武装の戦士達が姐さんの傘下に・・・・・・・

こうなったら力を背景に婿取りだ!押し倒せ!奪い取れ!

って、言うか責任取ってもらって白雪草の一族やらその類縁から良い男を見繕ってもらうのも・・・・・・・・


「姐さん、姐さんだいじょうぶかい?」

「お嬢さんやわしらの詫びを受け入れてもらえぬかのぅ・・・・・・・・」

勇者(笑)の問いかけも耳に入ってこない族長の話も聞こえてない。

「もしもーし、あねさーん!」


そしてその騒動はあきれ返った市場の衆が呼びつけた衛兵達に仲裁するまで続いたのであった。


結局の所、姐さんの麦酒を皆で飲んで騒いで仲直り・・・・・・・・・・・

売り上げに少し色つけたくらいで話が決まったらしい。

それでも姐さんの麦酒は美味だったらしく白雪草の族長は自分用に樽を20ほど予約したり、自らの郷に連れ帰ろうとしていたのは笑い話である。

販売したのは姐さんだけど醸造したのは姐さんの実家(もちろん姐さんも一通りの作業を仕込まれて手伝っている。)、口説きに来た戦士達を見て両親が姐さんにやっと良縁がとか誤解されたりとか父親が醸造家としての腕を請われて来たと知ったときの落胆ときたら・・・・・・・・・


「ふむ、極北戦士を叩きのめした話を聞いているから縁がないものだと覚悟していたから喜んだが・・・・・・・・・・」

「ちょうどいいわ、あの子を白雪草の郷に向かわせましょう。そうすればあそこでよいご縁が・・・・・・・・あるのかしら?」

「ちょっつ!父さん母さん!何勝手なことを!」

「だって・・・・・・」

「なぁ・・・・・・・・」

「いい年して男の影もなくて、浮いた話もないし・・・・・・・・・」

「どこか良い話ないのとお願いしても断られるのよ・・・・・・・・・・・・」

「だったら、少々遠くても請われて行く所に向かって探したほうが族長さんこの子の夫となる男を世話してもらえませんか?」

「うむ、この凍てつく滝しかと心得ましたぞ御母堂。幸いにもうちの男たちは頑丈で少々強くやりすぎても大丈夫だし単純だから少々気が強い娘さんでも美人さんと番になれると聞けば二つ返事で受け入れるじゃろうって。」

「ねぇ、あたしの意見は?」

「では、娘をよろしくお願いします。」

「娘や遠くに行っても元気でやるんですよ。母はこの地であなたの幸せを祈っていますからね。」

「あたしの話をきけぇぇぇぇ!」

「だって、お前の妹が子供生むからこの家も手狭でねぇ・・・・・・」

「婿も麦酒職人として跡継ぐことが決定しているし、片付いてくれるとうれしいかなぁって・・・・・・」

「お前を嫁に出すものか!と怒鳴っていたのがどうして・・・・・・・・・」

「(ぴー)才越えるとさすがに売れ残っているのが心配で心配で父さんは神様に祈りに・・・・・・・・・・」


あれは真剣な祈りであった。(by小雪神)

子を思う親心だな。(by大雪神)

きっかけだけは用意しているんですけどねぇ・・・・・・・・(by恋愛神)


「酷い!みんな酷い!」


誰も聞くものがいなかった。

結局、醸造道具一式と共に旅立つことになる姐さんである。

「姐さんも災難だねぇ・・・・・極北の連中は酒が好きだから姐さんもてるよ。」

「ねぇ、神官様あたしがじゃなくて酒がもてるみたいな言い方しないでよ!」

「悪い悪い、美人で酒造りの巧い姐さんだからみんなほっとかないよ。」

「やっぱ酒かい!」


姐さんの幸いを祈る。


遅くなりましたって、待っておられる方居ないですよね。

さて、飲みますかね。新秋刀魚は高いからいわしでも焼いて・・・・

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