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余興だから力はいるものであり

氷竜族



生まれながらにして【神殺し】の属性を持ち神々と共に最古の存在として知られる竜の一族のひとつ。

極北諸島の奥地【北の果て】のそば、【氷竜の郷】を中心に【極北連合】各地及び【狭間の国】【魔王領】に居住する竜族系の一種族。基本的な容姿は青もしくは白系統の鱗を持つ竜形。他の竜族と族外婚を推奨しているため鱗色は様々なものが多く、祖先に氷竜族が存在して本人(竜?)が名乗りを挙げればそれで氷竜族と見なされる。

彼等の多くは優れた戦士であり多くの知識を蓄える賢者でもある。其の強靭な鱗は鈍らな刃など叩き折、力に満ち溢れる巨大な体躯は極北の地において敵う者がなく、空を翔る翼と心砕く【咆哮】、様々な属性を秘めた【吐息】の前に一軍を以ってしても勝利を収めるのは困難であろう。それだけでもなく長い年月を生きる彼等は多くの知識を蓄え一体一体が人族の知識人や学者に匹敵する知識を身につけている。

だけど彼等が極北の地において一大勢力を築きながらも制覇していないのは生来の怠惰な性質と数の少なさであろう。人によっては無欲と称されるのだが、自らの勢力範囲においてのんびりと過ごす事を望む彼等は滅多な事では外に出ず力を振るうことは少ない。


彼等もまた竜であることから蒐集癖を持つのだが【氷像竜】と呼ばれる一体の氷像の蒐集物の数々は・・・・・・・・・・・・



【極北諸種族・氏族名鑑】より

「お相手願えるかな【神討ち麺棒】の少年よ。」

【神討ち】の死霊少年に挑むのは氷竜族の若き戦士、其の体躯は少年の数倍を超える。

氷青色のきらびやかな鱗をした竜は手にした酒樽を一気に呷ると少年が入りそうなほどの大きさの樽を放り投げる。挑戦を受けた死霊の少年は渋々立ち上がると

「氷竜の方、どう考えても俺に勝ち目ないんだけど?」

「お前も死霊の端くれならば我等が代表を倒す一撃を出せるのだろ?十分我と戯れるに十分な力量だと思うのだがな。」


先の死霊っ子(聖徒産)と武人の一戦で未だ蹲っている氷竜族の代表(流れ死霊に一撃食らった)を見て言ってくる。

先の死霊っ子の一撃は取り憑いている勇者(笑)から異世界人のないすなぱわぁの力(意味不明)やら勇者としてのえくせれんとなぱうわぁの力(意味不明)を引き出して存在を強化しての一撃で並の死霊っ子である【神討ち】の少年にはできない事である。


「いやいやいやいや、あんな非常識なのは神官様に付き従う死霊っ子達だけだって!俺はまっとうな死霊なんだから竜族が蹲る一撃なんてできないよ!」



「死霊って言うだけで非常識な存在だと思わんかね、苔桃の」

「なんか【西の凍らず】では普通に見かけて慣れてきたが死者は死者で冥界神様の導きに従って祖霊の地だか喜びの園に向かうのが普通であろう。」

「そうですよねぇ・・・・・・・・・・・」

「【菓子作る神官】殿、お主が言うな!この非常識の塊みたいな異世界人が!」

「熊の人!俺は一般人だ!」

「こんな一般人ばかりの世界とは・・・・・・・・・・・・・」

「狼の人まで・・・・・・」

「誰がどう見てもお前は非常識で無茶な存在だ。」

「人日卿・・・・・・・・・・・・」


外野が馬鹿な事を話しているけど気にもせず竜と死霊は戦う羽目となる。

「さてさて、これは面白い取り組みだ。身の内に【神殺し】を宿す氷竜の若戦士と【神討ち麺棒】の力比べだ。さぁどっちに賭ける?」

外野、賭け事中



結局のところ力比べに対して辞退するのは極北男としての矜持が許さないのか、ここまで話が大きくなって引けなくなったのか【神討ち】の少年死霊は戦う羽目となるのであった。基本戯れなんだけどね、何で本気になっているのだろうかとか気にしたら負けである。なんたって極寒の地で血を滾らせるのが彼等の本分なのだから。


つまりは熱血馬鹿?(by大寒神)

どっちかというと脳筋だろう。(by芒種神)

お前ら、我が民を馬鹿扱いするな。(by極北神)

実際の話突撃思考であることは否定出来ぬだろ。(by節制神)


賭け終了。


「ふむ、良き風が吹いている。戦いを前に滾った血を心地よく冷やしてくれる。さぁ、楽しもうか少年よ、神をも打ち据える力が我が身に通じるか試してみるがよい!」

「あのぅ、色々違う気がするんだけど・・・・・・・・・・・・聞いてもいないですよね。」


氷竜が風を受け心地よさげに構える。受けて立つ羽目となった【神討ち麺棒】の少年も得物である麺棒を大上段に構える。

両者見つめあい互いに一撃を加えんと機を窺う、まるで体を動かさずに互いの気がせめぎあっているのが傍から見てもよくわかる。言葉交わさず体動かさずとも幾千の刃が交わされるが如くに膨れ上がった両者の闘気は形となって現れるようである。


「まぁ、実際に【幻影】の術式を使うなりすれば背後に虎の気配とかって出来るんだけどね。」

死霊っ子(聖徒産)お前はよく遊びでそれやっているからだけど普通集中している時にそんな器用な真似できないぞ。後、地の文の描写に茶々入れするな。


両者がにらみ合い、気合の鬩ぎ合いをしているのは唐突に破られる。氷竜が構えた右腕を少年に向かって袈裟に振り下ろしてくる。それを後ろに向かって飛びのくと振り下ろされた右腕の勢いを使って体を回すように尾の一撃が襲い掛かるが空を飛ぶことによって逃れる。

空中から麺棒を構えて氷竜の頭蓋めがけて突貫するも氷竜は額で麺棒の一撃を受け止める。


がすっ!

「ちっ!この石頭が!」

「死霊っ子が空を飛べるのを忘れていたぞ。地を這う人族ならばこれで大抵は終わるはずだったんだがな。」


氷竜に一撃を加えた後距離をとってから悪態をつく【神討ち麺棒】の少年に一撃を加えたことに感心する氷竜、少年は隙を窺うが歴戦の兵である氷竜には付け込む隙はない。

ならばと周りを飛び回り跳ね除けようと振り回される腕をくぐってちまちまと一撃一撃を加えていく。

彼も彼で勇者(笑)一行との付き合いで飛び回り方とかを覚えているようだ。


「見事な立ち回りだな。」

「小兵の戦い方のよい見本だ。」

「惜しむらくは先に一撃を加えた方が勝ちという取り決めをしなかったところか?」

「然し然り、戦うと決めたときから始まっているのだからな。」

「戦いを知らぬ少年に其処まで求めるのは酷であろう、極北の方々。」

「おっ!又一撃を加えるか。今度は脛、あれは痛そうだな。」

「だが効いていないようだぞ。」


「おにーちゃんがんばれー!竜なんかやっちまえ!」

「いけっ!そこだっ!」

「あぶないっ!」

「さけてっ!」


族長連中は杯を交わしながら戦いを楽しんでいるし、子供達は死霊の少年がうまく立ち回っているのを生者死者問わずに応援している。ちなみに倍率は氷竜2に対して死霊7であり、少ない小遣いを死霊の少年に賭けているのもいる。ちなみに孤児っ子は賭けようとしたら孤児院の女先生に止められて涙目である。(行為を物理的(げんこ)に止められて)


攻防はまだ続く!氷竜が背中の翼を使って風を巻き起こせば、両翼が起こす風の隙間をかいくぐり正面から麺棒を叩き付けんとする。が、しかし!氷竜とてそれは計算のうちである、正面に躍り出た死霊少年に対して【竜の叫び】を叩きつけるのである。


ぐおぉぉぉぉぉぉぉんっ!!


質量があるのではという音の壁に吹き飛ばされ、体を風に吹き飛ばされる木の葉のようにくるくると回せながら地面に叩きつけられる。


ばんっ!


ふらふらになりながらも立ち上がる死霊の少年に

「見事だ、見事な闘志だ少年!竜である我を前にして立ち向かい、心砕くとされる我が咆哮を受けて尚立ち上がるか!」


氷竜の賞賛に少年は無言で麺棒を構えるのである。体は痛み、心は砕けそうになりながらも踏みとどまって更に一撃を加えんと・・・・・・・・・・・


竜を相手にここまで見事に立ち回り、闘志を失わぬ少年は息を乱しながらも竜に向かって弾丸の如くに飛び込んでくる。

「全力を持ってくるか、ならば我も【氷の吐息】でもって相手しよう!」


氷竜は全身の力を喉に溜め、氷の力を導き出す。そうしている間にも少年は竜に向かって飛び込んでくる。氷竜は口中に溜まった物を少年へと勢いつけて吐き出す。

そう、【氷の吐息】!氷竜族固有の攻撃法にして大抵の生き物だと凍りつき耐えることが出来ない大理不尽!それが少年の身に襲いかか・・・・・・・・





















おげぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







襲い掛かったのは吐瀉物であった。【吐息】襲い掛かろうとも先ずは一撃と勢いつけて飛び込んできた死霊の少年は直撃を避けて懐に飛び込む。

それでもはねたおつりをいくつかかかってしまったが・・・・・・・・・・・・鳩尾の辺りに一撃を加えることに成功する。嘔吐しているところに腹への衝撃、竜の【吐息?】は更に吐き出される。


えろえろえおろえおろ・・・・・・・・・・


あたりに漂う酸臭、混じっているのは酒と肴の混合物。観衆も堪らんと風上に向けて逃げ出すが何人かの者は飛び散ったものを・・・・・・・・・・・


少年は【氷の吐息】ではなく吐瀉物が頭上から襲ってくるのを見て実体化を解き直撃を避ける。

間一髪吐瀉物の直撃を避けた死霊少年は風上に遠く離れ、審判役の賭けの胴元に

「すいません!降参します!」

と飛び込むように負けを認めるのであった。






「氷竜の戦士さん、結構飲んでいたよねー」

「樽いくつ転がっていたっけ?ひーふーみー・・・・」

「しこたま飲んで、暴れれば・・・・・・・・・・・酔いが回って・・・・・」

「ゲロっとしちゃうよね。」

「【氷の吐息】?だか知らないけど酔っている時に喉に力入れれば込み上げて来て・・・・・・・・【酸っぱい吐息(げろ)】となってしまったという落ちか」

「僕相手にしなくてよかったぁ・・・・・」

「取りあえず、くさいからもっと離れない?」

「確かに」「そだねー」「後始末は誰するんだろう?」


勇者(笑)に死霊っ子に孤児っ子達を含めた一団が酸鼻極まりない光景から逃れようと移動しているのに対して、族長連中のお付は後片付けに駆り出されるのであった。

「くせぇよぉ・・・・・・・」

「誰か【発酵促進】か【消臭】の呪法使えないか?」

「取りあえずこの馬鹿竜に水ぶっ掛けるか【水分凝集】・【水弾!】」


ばしゃっ!


「おいっ!こっちに飛沫来るだろう!」

「すまんすまん!誰か穴あけてくれ、ぶつを水で流すぞ。」

「わかった【落穴】!本当に手間かけさせやがって、人が気持ちよく酔っているところをさ。」

「まったくだ。」




極北戦士達が後始末をしている所から少し離れたところでは

「なぁ、氷竜族の名を汚すとはどう落とし前つけるのだ?」

「すんません・・・・・・・・・」

「力なき死霊の少年に戯れで挑み、良い様に立ち回られた挙句に【吐息】?やり過ぎにも程がある!しかも【吐息】を放つと見せかけて吐瀉物とは・・・・・・・・・郷に帰ったら一族会議だ!覚悟しておけよ!」

「はい・・・・・・・」


氷竜の代表に絞られる氷竜戦士の姿が見られるのであった。

「代表、代表・・・・・・・・・・取りあえず、戦士の旦那にこれを飲ませませんか?どうも悪酔いしているようなので」

絞られている氷竜の戦士に対して酔いどれの対処に手馴れている極北戦士が差し出したのは・・・・・・・冒涜的なまでに濃厚な色彩が混ざりきっていない水薬・・・・・・・・・・療養神殿謹製、二日酔い用胃腸薬その他混合液である。それを竜の体にあわせて鍋一杯にたぷんたぷんと満ち満ちている。味覚が死にそうになるほど酷い代物を前に氷竜の戦士は躊躇していると

「折角、悪酔いしているお前を案じて用意されたものだ。好意を無駄にするのは良くないぞ、ぐいっといけ!ぐいっと!」

と氷竜戦士の口元を押さえつけると鍋の中身を流し込むのであった。


其のときの悲鳴は遠く【西の凍らず】にも聞こえたという。



飲酒後の激しい運動はやめようねー(by酒精神)



汚いオチですいません。反省はしているけど後悔もしているかも。

さて、酒を飲もう。

今日も仕事で明日も仕事だ、今月休みいつだっけ?

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