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それでいいのか魔王国?

勇者歓迎定型集


魔王領軍部に伝わる冗句本、異世界勇者達が喜びそうなセリフ回しの一覧が載せられている。

これを読んで

「ぶひひひっ!最初に弱兵を当ててやられたら帰るなんて戦力の分散逐次投入過ぎるにも程があるだろう!」

だの

「ああ、あるある。人からやられると卑怯に思えても、自分らがやれば正当な策だものな。」

「一騎打ちでもないのに名乗るとかどうやって声を届かせたりしているのかな?」

「ハーレム勇者は巣に帰れ!」

と様々な反響と笑いを提供してくれる。


冗談で四天王とか演じてみたら

「な、なに四天王最弱だと・・・・・・・・・・・この(個人名削除)より強いのが三人だと!」

と反応してくれたり異世界人弄りの教本として使われている。


大事な事なので繰り返すとこれは冗談本である。

この著者は【異世界人の弄り方シリーズ】でも有名である。

勇者(笑)一行が霜降国で足止めを食らっている間、魔王国では


「魔王様、確認を願います。」

「ふむ、計算間違いはないようだな。検算者は【狭間の国王都孤児院】出身の狸系獣人の丸顔坊主か。あやつならば信頼おけるな。」

「あの者は本当にこちらの所属であることを強く言って正解でした。中々計算能力が高くで私の補佐に欲しいくらいです。」

「こらこら、オレの補佐なんだからもっていかねえでくれよ。」

「獣人兵団団長、いくら獣人つながりだからって全部持っていくのはやめてください。」

「良いではないか。オレ達ははっきり言って事務能力に劣っている。弱点を補うのは大事な事だろう古妖精(アールブ)長老。がははははははっ!」


黒毛の獅子頭から豪快な笑みを発した獣人兵団団長は自身の弱点である事務能力の欠如を隠すこともなく狸系獣人軍部事務官見習の活躍を認めている。それに対して魔王も


「黒獅子、お前が脳筋であるのは周知の事実だが我の所も人が足りていないのだ彼を含めて【狭間の子供達】を手伝いに提供するのだ。」

「馬鹿言っちゃなんねぇよ。そんなことしたら餓鬼どもがつぶれちまうじゃねぇか!なに恐ろしい事言っているんだ?」



「黒獅子、どれだけため込んでいるのか教えてもらえませんかね?」

「え、えっと・・・・・・側近殿。ほんの半年分くらい・・・・・・・」

「ええ、獣人兵団の所属隊員から給料がもらえないのですけどという相談が・・・・・・・・・まさか、貴方それを処理しないでため込んでいるんじゃ・・・・・・・・・」

「いやぁ、ほんの半年くらい・・・・・・遅れた程度で獣人の寿命は長いし・・・・・・・・・うおっ!あぶないじゃないか!」


ぶるん!


「そうですか、子供達はその後始末に奔走と・・・・・・・・・・うんうん、反省の色もありませんし馬鹿獅子を教育しなおさないといけませんね。」

「きょ、教育って・・・・・・・・・・それ物理攻撃!当たったらオレでも無事じゃないから!」

「大丈夫、脳筋の獣人兵団だったら頭を挿げ替えても動けるはずですから。」

「ちょっ!それって言外の死刑宣告!魔王様助けてくださいよ!!」

「あーあー、側近。血で汚れると書類がやり直しになるから他でやってね。」

「魔王様まで!古妖精(アールブ)長老!兄弟分が殺されそうになっているのに黙っているのかよ!あのとき【狭間国境】で共に巨乳のおねーちゃんとウハウハした仲じゃないか!」

「その後に私よりモテなかった腹いせに我が婚約者に告げ口しておいて何を言っているのです。とは言え、兄弟分が惨いことになるのは忍びないので、側近殿この馬鹿に【士官教育】のやり直しを命じる命令書を金毛猿猴元帥経由で発行してもらいますか。」

「それは良いですねぇ、古き者(古妖精長老の美称)よ。その書類はお願いしてよろしいですか?」

「ええ、できれば教官にそろそろ隠遁したいと願っているところで悪いのですけど鳥人の軍曹殿に乞いましょうか。」

「嗚呼、彼でしたら厳しく教育してくださるでしょう。」

「ちょっとまてよ!それってオレの死亡決定じゃないか!」

「あー、大丈夫だ。君ならどこでも生きていけるから。」

「さて、そこの馬鹿獅子。貴方のお仕置き(しょけい)がまだ終わってませんよ。」

「おいっ!側近!何でルビに処刑と入っているんだ!」

「ああ、すいません。言い間違えました。馬鹿獅子の処分をしませんと・・・・・・・」

「余計に悪いわ!」


どたばたどたばた・・・・・・・


「あーあー、君たち。部屋を散らかさないでって・・・・・・・・そこの護衛、書類を持って退避だ。」

「はっ!」




魔王陛下の政務室ではドタバタ騒ぎが起きている。

文官の執務室では

「またやっているねぇ・・・・・」

「懲りないことで。」

「たぶん原因は僕たちがやっているこの書類なんでしょうが。」

「子狸、お前のそれって・・・・・・」

「【獣人兵団俸給申請書(先々月分)】です。これが処理されないと軍団の皆さんの給料が・・・・・・・」

「そりゃ、側近様も怒るで。」

「我等も手伝うか・・・・・・・・とっても緊急度が高いじゃないか!」

「あと少しで終わるんで・・・・・・・・・・・・・・・っと、先々月分は終わりで・・・・・・・・先月分が」


どっかり・・・・・・

白い山がまだ残っているのである。

「やっぱり手伝ってください。」

「ああ、ちっこいのが粋がるのはよくないぞ。」

「あれを見て身に染みました。」

「黒獅子の旦那ももう少ししっかりしてくれれば・・・・・・副官の銀月狼様がいればこんな事が・・・・・・」

「そういえば副官様はどうしているので?」

「子鬼、あのお方は今療養中なんだ。あの方はいい年だろう、それなのに新兵と混じって水練したんだが水から上がった途端に腰を・・・・・・・・」

「年寄りの冷や水・・・・・・」


子鬼誰がうまいことを・・・・・・



黒獅子団長が放置していた重要書類はその日のうちに文官総出での作業で片付いたのである。

見習である子狸や子鬼の活躍は誰にも語られることがない事である。

その日の夜、珍しく側近様より褒美の金が(黒獅子団長の財布から出されたものである)くだされ、文官総出で城下の酒場に繰り出すこととなる。

色々雑多な種族が歩いている様はある種の国際都市といった風情であろうか、同じ種族でも出身地方によって服装が異なり別の種族に見えてくるから不思議なものである。


色々な種族がいるといっても酒が入れば馬鹿話が出てくるのはどこも同じで

「そういえば人族連合で【勇者】が現れたとか・・・・・・・・・・」

「僕も聞いてますね。【狭間】にいる師匠や黒髪の兄ぃが手紙で教えてくれてました。彼自身は戦とかと無縁の生活をしているし【狭間】までは挨拶に来るみたいなんで、そこで雷竜公様と面談して人となりを判断してもらえばよいのでは?」

「そうだな、現れてから一年近くたっているけど軍の動きとかないみたいだしな。」

「【狭間の商会公】様のもとで奉公している兄弟分は【西方平原】で孤児を使って商売しているのを見た。と手紙に書いていたよ。」

「子鬼、それは報告して欲しかったぞ。」

「何でも、孤児達に料理を教えて屋台を開いたりで盛況だとか・・・・・・・・・勇者じゃないよね。おすすめが【牛肉の甘煮の入ったクレープ】なんだって・・・・・・・・・・・」

「うん、なんというか・・・・・・・・・勇者じゃないだろ!」

「二本角さん、だから兄弟分も言っているじゃないか。なお、文芸神様とか芸術神様を菓子で叩きのめしていると・・・・・・・・・・・・」

「そういえばあのろくでもない菓子を送りつけらえて魔王様と側近様が頭抱えていたな。」

「第五王女殿下の趣味を見てしまったんだろ。頭も抱えたくもなるさ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・狭間の王妹殿下とか啓蟄の姫摂政殿下とか・・・・・・・・・ろくでもない交友をくんでいるからねぇ・・・・・・・・極め付けが聖徒の聖女様でしょう・・・・・・・・・・・師匠も彼女達に捕まらないようにと自決用の短剣と毒薬を用意してくれた時があったよ。」

「そんなひどいのか向こうは!!」


いえ、そこまでひどくありません。

むしろ彼女らは見目は麗しいので儲けと考えておけば精神衛生上・・・・・・・・・

「この場合はのら犬にかまれたとか・・・・・・・・・・・」

子狸それはそれで正しいが地の文に(略



「なぁ、それはそうと勇者が来るのならば四天王とか用意したりするのか?」

あまりに腐な会話に流れを変えようとする文官某(長耳族と猫獣人の混血)、それに乗ってくるのは同席の衆。

「ふむ、四天王となれば【黒獅子団長】に【火竜翁】、【金色夜叉民部長】、【単眼巨人神官】あたりか?」

「違うだろう【古妖精長老】に【雷竜公】【雷竜公女】【第五王女】・・・・・・・・・・・」

「それでは八分衆じゃないか!」

「ねぇ、長耳猫さんその八分衆の字が」

「ああ、子鬼。お前は知らない方がいいのだろうけど八分にしたい変態の事だよ。」

「なるほどって・・・・・・・こんなのが聞かれたら僕の出世どころか生命まで・・・・・」

「大丈夫だ、そのくらいなら魔王国では物理制裁位ですむ。お前らつぶしたら泣くのは奴らだし。」

「うへぇ!もしかして仕事の面でとか?」

「それ以外に何があるというのだ。」

「それはさておいて、後はどんな面子が四天王にふさわしいかな?」

「ふーむ」


文官連中は夜遅くまで馬鹿な四天王談義を行っていた。次の日、二日酔いと寝不足で使い物にならなかったのは笑い話であり、側近の雷が落ちたのは別の話である。





ふむ、間違って別の作品にこれを綴ってしまっていた。

恥ずかしいものだ。そして突込みのないことに悲しみすら覚える。


一升しか飲んでいなかったのがまずかったのか答えはなく。


窓8もう少し融通きかせてくれればよいものだが、窓に期待するのが間違い?

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