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自由市場

自由市場


大抵の都市に設立されている商業区域。元々は商家等では賄いきれない都市圏の食糧を近隣の農家から確保するため、若しくは商魂豊かな農民が自らの余剰生産物を現金化するために路上販売をした(させた?)のが始まりである。

その設置場所については種々の都市によって色々あり、城壁の外に市が並び立つ事もあれば聖堂、神殿等の門前に説法日などにあわせて開かれる。場所に余裕がある都市の大部分では定められた区画に小額の使用料(税収としている所も多い)を取り立てて場所貸しをさせている。

この区画に限り商業組合などを通さずに商売が出来るので、農家の現金収入確保や行商、隊商、資本に自信がない新米商人が良く利用している。(勿論大規模な隊商等は組合に所属しているのが普通である。隊商所属人員の個人的な商いであることが普通である。)


ここで売られているのは主に生鮮食料品や近隣で製作される加工食品・惣菜の類であり、都市内に店を開いている商家や工房が自店の色に合わない商品や格安品、見習の製作した練習作品や反応を見るための試作品等を売りに出している事も多々見受けられる。


有名な自由市場としては【綿羊国北部平原遊牧市場】(家畜やその加工品を主に取り扱っている。)【酒の都 宴会場】(酒国の首都にて酒類の販売で有名である。)【狭間の国王都 酒盛市場】(元々は住民向けの自由市場だったのだが、近隣の産物で一杯やる貴族が屯している。)【寒鱈港 魚市場】(元々は漁港の魚市場、鮮魚の品揃えが圧巻。)



尚、気をつけられたし。人が集まるということは色々騒動があるのだから。



とある道楽貴族の旅行覚書より。

勇者(笑)は茶会に招かれる、そこに訪れた若き王。

「おお、【菓子作る神官】よ。君は難題を持ってきてくれたものだな、我が治世に於いて零れ落ちた者が犯した罪と如何向き合うか等とは・・・・・・・・・・・情に向けば国が傾くであろうし、理に傾ければ人心が離れる。我が老練なる裁判官達が『神殿が関わる事ですので王の裁可を』仕事押し付けてくる。原案自体は用意してくれていたから、署名一つで済んだがな。」


署名一つでさも重労働したかのようにのたまう若き王、それは良い。その決断は国を背負うのだから・・・・・・・・・・・


「陛下におかれましては路上の子供達が為に力添えしていただいたこと誠に有難う御座います。その子供達から感謝の言葉とこちらの物を預かっております。」


と勇者(笑)は一つの城の模型を小僧っ子に命じて持ってこさせる。

小僧っ子は死霊っ子達の力を借りて板に乗せられた城の模型を若き王の前に差し出すのである。


むゆむゆと城の模型を浮かしながら運ぶ死霊っ子、どんな悪路でも車輪や足を通さないから安定した運びようである。尤も城の中だからそんなものはないのだが・・・・・・・


ふわり・・・・・・・


死霊っ子達が注意深く置いた城の模型からは甘い香りがする、勇者(笑)の流れ出しお菓子の城である。


「ほぅ、面白い。」

「まぁ、見事ですこと。」


国王夫妻の感嘆の声にしてやったりとした顔をする勇者(笑)である。

他にも招かれた貴族の御令嬢だの御夫人だのも面白い見世物を見るかのように眺めるのである。

食道楽の多い、西方平原国家でも食べ物を何かに見立てるということはあまりしない。

オムライスに『すきすきおにーちゃん』と書く事もないし、お菓子を作るときに『おいしくなぁれ☆もえもえきゅん☆』なんていう事も・・・・・・・・・・あれ?なんか悪寒が・・・・・・・・


その件は封じておくが良い。流石に世界が痛みで怯えてしまうだろう。(by厨房神)


話を戻すと、菓子自体は勇者(笑)やら浮浪児達の技前を越える者は一山いくらでいるのだが、菓子の家とかを作るとなればそれとは別の技量が必要なのである。それは何か?


空間把握能力と言うか数学的な物である。これとこれを組んでこの形にしてとか・・・・・・・・

四角を張り合わせるだけでも面倒になるのである。だからある程度の図面が出来ているものを作ることはあっても自ら一から作るのは・・・・・・・・・・・・面倒臭くて手をつけたがらないのである。


石組み代わりにロッククッキーを重ねた城壁にソフトクッキーで城壁の上部分の移動路を造り、城自体は卵白をメレンゲしたシフォンケーキのような土台を組み合わせそれにクリームをぬったりクッキーを貼り付けたりした代物である。無骨な城壁に白亜の城の組み合わせはとても手間隙かかっている。

それだけの子供達の本気具合が良く判るのである。


「いやはや、見事なものであるな。」

若き国王陛下も素人の割には見事な出来栄えの菓子の城を見て再び感嘆の言葉を発するのである。

「これを作るのには苦労いたしました。主につまみ食いを防ぐのが・・・・・・・・・・」

「「「「「そっちっ!」」」」」


「ええ、子供達も日頃ろくなものを食べていないものでありますし、甘い菓子など見た事もないという者ばかりで・・・・・・・・・・・・・」

「ふむ、それは確かに・・・・・・・・」

「妾も幼き頃、厨房にもぐりこんで菓子をくすねたことが・・・・・・」

「おや、草露伯夫人、貴女にもそのような事をする時期があったなんて・・・・・・・・・」

「後から母にこっぴどく怒られましたわ。」

「そう言えば杯戸伯の末息子も・・・・・・・・数をそろえた返答用の菓子をつまんで・・・・・・・・・・」

「夫人、その話は・・・・・・・・・・遥か昔の話でしょう。」

「美味なる菓子を前にして手を出さない平原の民は何処にあろうか?いや、ない!」

「そういえば陛下も・・・・・・・・・・・・顔中クリームだらけにして前の草露伯の菓子を奪い取ったことが・・・・・・・」

「そこでそれをばらすか衛士男爵夫人。あれは草露の爺やも笑い飛ばした事ではないか!王として命ずる、その話はするな!」

「で、神官様はそれについて対策をなされているのでしょう。」

「はい、王妃様。単純に一度、満腹させるのです。そうすればつまみ食いは減りますから。」

「おおっ!それは確かに!」

「そこの死霊っ子達なんかもつまみ食いをするだろうしな。」

「子供はいいんだけど厨房神殿の調理人達とか豊穣神の神職達が・・・・・・・・・・・批評をしてやろうとか言って・・・・・・・・・・おいら、これ焼き上げるのに5回竈を見守ったよ。奴らったらひどいんだぜ、好き勝手言いながら出来上がった城壁を崩していくんだから・・・・・・・・・・・子供達の中にはふてくされたのがでて・・・・・・・・」

「ある意味、子供等に対する罰になったと・・・・・・・・」

「自分の物を奪われることの意味合いを学ぶいい薬か・・・・・・・・・」

「そんなきれいごとで纏めないでよ!如何して厨房神だの豊穣神だのの信徒は惨い事をするのかが・・・・・・・・・信じられないよ。」


所々色合いが違う城壁にはそんな理由が・・・・・・・・・



「まぁ、他にも盗賊神が・・・・・・・・」


ふむ、この菓子の城は盗む価値があるものだ。城を盗むというのは一度やってみたかったしな、はははっ・・・・・・・・・・ぐえっ!(by盗賊神)


いきなり出てきた盗賊神は勇者(笑)の菓子の一撃を食らうのである。


酷いではないか!(by盗賊神)

「盗賊神様?菓子を用意したはずですが・・・・・・・・・・・」

そ、それは・・・・・・・・・・・戦神だのに食い尽くされた・・・・・・・・・(by盗賊神)


神域で目をつけられて共に喰おうではないか朋よと言う流れで盗賊神がゆっくり味わう前に欠食児童どもの胃袋に収められたのである。


欠食児童言うな。(by戦神)

確かに我は見た目子供だからあっているが・・・・・(by剣神)

美味であったぞ。(by斧神)


盗賊の技も筋肉の前では無力だったのである。

流石に悪神とは言え目の前で美味しいお菓子を食べられるなんていう非道(西方平原の民視点)を受けた身に同情のひとつくらいは・・・・・・・・・・

「陛下、こちらの客人神も・・・・・・・・」

「ふむ、歓迎しよう盗賊神。盗むなよ。」

はははっ!王よ、客人としてきたときくらい行儀良くするぞ。まぁ、お呼ばれしようではないか。(by盗賊神)


そして茶会は続いていくのである。

「所で神官様?何処から切り分けたら・・・・・・・・・・・?」

「考えていなかった。」


そして、盗賊神は去り際に


王よ、茶を馳走になった。礼と言っては何だがこの城に外部犯の盗賊が来ないように加護を与えよう。(by盗賊神)



城に降り注ぐなぞの神様わうわーの力(意味不明)

白の王城は盗賊神の加護を受けるのであった。


「良く考えてみたら内部犯のほうが盗んでないか?」

横領とかは我が裁量にあらず。(by盗賊神)







そして次の日、勇者(笑)は孤児院・・・・・・・・・・・・ならぬ厨房神殿に向かう。

孤児院は担当の子供達に対する虐待が表沙汰になって閉鎖、光明神殿は今頃聖徒の神官が大鉈を振るっているのであろう。




えっと、正確には聖徒の神官と西方の神官と西方の神殿長の三者が聖水撒き(こんぼう)片手に浮浪児の少女に無体した神職を再教育している所である。(by光明神)


そうですか・・・・・・・・・・・聖水撒きなんか持ち出して原形止めていると・・・・・・・・・・・


「ふふふっ!これは教育ですよ。傷つけるわけないじゃないですか。」(by聖徒光明神殿神官)

「ふんっ!!導くべき子供を蔑ろにするとは・・・・・・・・ワシは情けなくて涙が出てくる!」(by西方光明神殿神官)

「・・・・・・・・・・・いやですねぇ・・・・・ こんな屑の血肉で神殿汚すなんてするわけないでしょう。袋詰めにして土中深く沈めてあげるわ。」(by西方光明神殿神殿長)

「もがもがもがもが・・・・・・・・・・・・」(by西方光明神神殿神職)


猿轡されて簀巻き・・・・・・・・・されている神職達・・・・・・・達?


「複数で嬲り者にして銅貨10枚だと!!」

「しかも初物ですからこれは詐欺といっても・・・・・・・・」

「もがもがもがもが・・・・・・・・・・・」「ぐぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・・・」

「如何考えても許しがたいことですね。」

どかばきどかどか・・・・・・・・・・・・・・


神官達による私刑がすんだ神職達は逃げ出して王城に訴えるも

「我等敬遠なる神殿の信者が温和で堅固なる神官様に逆らえるわけないだろう。」

他の神殿(豊穣神殿)に訴えるも

「ああっ!お前があのガキ共を嬲ったのは!」

と鉄拳制裁され・・・・・・・

更に他の神殿(西方諸神群神殿)に逃げ込もうにも

「貴方方がうちの馬鹿とつるんでいた愚か者達ですか!」

と目の前に同罪の馬鹿が逆さ釣りにされた状態でぶら下がっているのを見るのである。

そして西方神殿の高位神職が連れてきた衛士に連行されて・・・・・・・・・


「何で俺達が!」「不逮捕特権は?」「オレの親は・・・・・・・・・・・ぐへゅ!」

「では高位神職様、こちらの者達が浮浪児とは言え少女を嬲り者にした上で向こうから春を売ったと言い張る不埒な輩ですね。」

「はい、世俗の者の手を煩わせる事になるなんて神殿の恥なのですが・・・・・・・・・・」

「高位神職様、我等に世俗の法は・・・・・・・・・・・」

「だまらっしゃい!お前等をのさばらせて置くと信徒が離れて寄付金が減るだろう!この害悪が!この時をもってお前等を除名する!ああ、世俗の法の定めに従って彼等の処遇をお願いします。願わくば今まで神々に仕えてきた功に免じてに免じて命ばかりは助けてあげてもらえないでしょうか?」

「その辺は裁判官の裁量なので何とも申し上げることが出来ませぬが優しき神職様の言、必ずお伝え申し上げておきましょう。」

と衛士達の長が頭を垂れて元神職達を連行するのであった。因みに実家との兼ね合いもあって、罰金と王都近郊からの放逐で済まされる。また、彼等の実家の方から口止め料込みの賠償として少なからぬ金が神殿に流れていたのは勇者(笑)も浮浪児達も知らない話である。





そして、話を戻して厨房神殿。

勇者(笑)は子供達に王の言葉を伝え、現状が幸いである事を喜んでいる。

「お前等!今まで盗みしていたろう。謝りに行くぞ!」

「お前等の事を許してもらえるようににーちゃんが仲立ちしてくれるからしっかり謝るんだぞ!」

「「「「「はいっ!」」」」」

「盗みは良くないな・・・・・・・・・・・・」「どんなものだってちゃんと・・・・・・・・・・・手間隙かかっていたから・・・・・・・・それ盗られたら怒るよね。」「うん、悪い事しちゃったね。」


盗み食いする神職達が経験という教育を与えたのだろう、子供達は神妙に反省している。

「神官のにーちゃん、本当に大丈夫なんかな?」

「ああ、心配するな。陛下が下した罰以上に罰を与えるのは不敬だからな。多少の持ち合わせも有るし弁償くらいは立て替えてやる。」

「ごめんよ、助けて貰って更にここまで・・・・・・・・」

「まぁ、見捨てたら俺の体面にも関わるからな。気にするな!」


と、主に浮浪児達がかっぱらいをしていた自由市場に向かうのであった。



勇者(笑)一行移動中。

子供を従えた神官というのは人目を引くものである。いや、死霊っ子か・・・・・・・・・

悪目立ちするも自由市場に向かい、そこの顔役に子供達が謝罪をする。

その辺は神官の仲立ちもあり、盗まれた金額が小額であったためか謝罪を受け入れられるのである。

その罰として奉仕作業としての市の掃除なども含まれているので市場管理者としては受け入れられることである。

その後、子供達は市場の清掃をしながら盗みをした店に謝罪をするのである。

一応(ここ強調)神官である勇者(笑)が睨み効かせているので殆どの者は謝罪と弁償で話を受け入れていくのだが一件だけ近郊の農家の強面の親父が


「おうっ!ガキ共!事情は判ったが盗みは良くない。お前等のけつを神官様に拭いてもらうのは筋違いだろう!」

と強面の親父がガキ大将に拳骨を落とす。

「いてぇ!」

と呻くガキ大将に対して

「お前等のケツはお前等が拭くんだ!神官様に弁償させないで自分で稼いで返しに来い!!」

と凄む。

子供達はおびえて


「「「「はいっ!」」」」

と返事をする。

「まぁ、オレだって鬼じゃないんだ。利子も期限も決めないからきっちり稼いだら返しに来い!」

と強面の男は怖い笑顔でけじめをつけさせて、朝詰んだばかりの木苺をおやつ代わりに子供達に渡すのである。


その男の被害額は銅貨20枚程度、一月もしないうちに返済するのだが、返ってこないだろうとあてにもしてなかった男は感心して子供達が市場に来るたびに

「もってけ!」

と取れたての果物をおやつとして渡していくのである。



さて、昼飯だ。酒と肉・・・・・・・・を我は欲する。

とは言え、あるのが馬のションベンなボジョ○ーとサーモンだったりするのだよな。

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