せいじゃの行進
豊穣神殿教団
豊穣神を祀る教団。豊穣神は他の世界より来たとも言われるが来歴は不明、恋愛神・性愛神と共に三姉妹の女神だと伝えられるが知る者は少ない。
出産、繁殖を司る神であり時が経つにつれて農業の神としても崇められる様になる。農業が植物の繁殖活動というこじつけなのだが、当の女神もあまり気にしていない。
神職達は自ら耕す者も多く、試験栽培を行って農業技術の開発をしたり品種改良等もしている。彼等の技術研究で多くの者が飢えから解放されたとも言っても過言ではない。彼等の美称は【実りの子】【耕す者】等農耕に関連した者である。
信者は農業に携わる者が多く、次いで産婆等・・・・・・・・・・・貴族階級には主立っての信者は少ないが農業が国の源である故、敬意を払う者が多い。って、いうか寧ろ払わないと農民階級からの離反が凄い事になる。昔に豊穣神殿で不敬を働いた貴族等は信者である農民達の怒りを買い内乱状態になったと言う史実もある。その時は現地の地方神神殿の仲立ちの元で貴族側が謝罪をして事を収めることが出来たのだが影響は大きくその後数十年程その貴族家は冷飯食いを余儀なくされたと言う。
霜降国元大使卿私塾の講義内容より
街角では浮浪児達が大量の食べ物を持った一団を羨ましそうに見ている。
豊穣神と厨房神、西方平原諸神群の印を象った傍が翻っているのであるが浮浪児達には意味もわからないし判ったとしても関係ない物だと思うだろう。
きゅーくるり
誰かの腹が鳴る。
「はら減ったなぁ・・・・・・・・・」
「ああ・・・・・・・・・」
腹減りの音も力なく
「俺たちにも分けてくれねぇかなぁ・・・・・・・・・」
とガキ大将が呟くも叶う訳がないのは誰もが知っていることであった。
【飢える事なき白金の都】等と称される西方平原国の王都でも浮浪児の類は出るのである。
王侯貴族は多少の例外あれど民に目を配り奴隷ですら肥え太る事を誇る豊穣の国であっても零れ落ちる者が出てくるのである。この子達の出自は色々ある。ガキ大将は他国の出で一族総出で一旗挙げようと着たのだが落ちぶれて離散し、ある娘っ子は住んでいた村が鉱害で耕作不能となり売られるくらいならばと逃げ出してきた。農奴であった幼児は家族が地主の好色の手にかかろうとした所を逃げ出してはぐれたり、町の子だった姉弟も二親が亡くなったら家を追い出されたり・・・・・・・・・・・
勿論、孤児院の類もあるし心ある者はこういった子を見つけたら我が子同様とまでは行かなくとも余力があれば養う事もあろう。だが、善意の網は荒く子供はあまりにも小さかった。
孤児院から逃げ出した子もいるのでその子からの話を聞いて頼る事も出来ない。そういった子達がまとまって群れているのである。
その生活も楽ではなく、病で倒れれば見取る者なく、掠め取ろうとすれば捕まる事も多く・・・・・・・零れ落ちる命のなんと多いことか・・・・・・・・
そんな中でもお互いに助け合い励まし合いで何とか生き延びてきたのである。ゴミをあさりかっぱらい、乞食をしたり年嵩の子達はその身を売って養って・・・・・・・・・・・
町の住民達は汚い者を見る目で見るけれど
実際汚いけどな・・・・・・・・(by処暑神)
そこの神様、黙れ!
汚い目で見るけれど、彼等が本当に悪いのかと思うと・・・・・・・・・
運が悪かった。(by運命神)
お前が言うな!
何とか今まで生きながらえてきた彼等は今日も糧を探すのであった。腹が減って朽ち果てようとする弟妹分に精の付くものを喰わせてやりたいと思いながら。
その様子を見ていたのは神々ではなく小さな死霊である。
そして彼等の物語は転機を迎える。
話を戻そう、如何して豊穣神を始めとした神々の子供達が食べ物を集めていったのかを・・・・・・・・・
事の起こりは勇者(笑)、異世界から誘われた勇者として世界に救いを齎す者となるはずだった。
だが、時代は武力ではなく銭金で戦う時代となり力の象徴である勇者を必要とすることはなかったのである。(ばばばんっ!)
そして言われた『勇者、お前はお呼びでない!』と・・・・・・・・・・・・
嗚呼、なんと言う残酷な言葉であろうか、生まれ故郷を強制的に引き離され寄る辺なき世界においては役立たず発言。君は世界の敵となりうるのだと・・・・・・・・・・
余人ならば絶望のあまりに世界の敵となり神々の令により討ち取れれるのだろうが、彼は聖者であった。呼び出した者を憎むが許し、世界に対して許しを与え、己が持つ菓子により許されざる者達を許し続け幸いの道を繋ぐ!
幾千の夜を渇望で嘆き続けた者が一つの誠意で幸いの道を開く尖兵になるとは思いも拠らぬ事であろう。己が不幸なのではなく己を取り巻く者も不幸なのだと知るや否や、かの勇者(笑)を呼び出す為に贄となった子供達に幸いを与え、その周りにいた見捨てられた者達をも慰撫し・・・・・・・・・・死者の嘆きに応じて生き残りし子供の保護に力を貸すのである。
そして生者達は幸いを求める者達の声に耳を傾ける。ある者は孤児達の境遇に怒りを覚え管理者達を叩きのめし、またある者は騙され朽ち果てた売春婦の嘆きを下に正義があることを世界に示す、またある者は古の戦の傷が元で千年も呻く者に癒しの手を差し伸べ・・・・・・・・・・・・死者達も彼等のためならばと死の救いを払いのけて不条理に立ち向かう。
それを知った者達は立ち上がる者もいよう、賞賛をするものがいよう、援助する者がいよう、更なる幸いの声を挙げるものがいよう・・・・・・・・・・・
この話においては未だ癒されざる世界の傷を知り、立ち上がる力持たざる者の一節である。
願わくば後に続く者達よ、我等が行いを糧に幸いの道を歩みたまえ・・・・・・・・・・・・・
「所でさ、地の文さん。結構美化過剰表現で誇張もあるけど・・・・・・」
それは【豊穣神殿教団】の【飢餓する亡者への弔い詩】からの引用だし
「しかもその物語が記されたのって未来の事だよなぁ・・・・・時系列が・・・・・・・」
勇者(笑)男が細かい事を・・・・・・・っていうか、地の文に(略)
まぁ、勇者(笑)の話を知った豊穣神殿と厨房神殿有志が我が国に飢えたる者がいるなんてと立ち上がって、その話を聞いた西方平原神殿が一口かませろ(意訳)と出てきて・・・・・・・・
色々な所から善意の輪が広がって一大飢餓撲滅運動が始まったわけである。そこに便乗して先日論争していた上巳卿と門衛卿が死霊の舌にて決着をつけようと調理人を引き連れてなだれ込んで・・・・・・・・・・・
色々遠因が自分に有る勇者(笑)が断りきらなくて参加する羽目に・・・・・・・・・程ほど、巻き込まれ形で騒動が絶えない者であるな。おかげで話の種が尽きないのであるが。
「うん、異世界召喚物だと騒動が絶えないのは否定しないけど俺くらい平穏に暮らしたいって。」
「おにーちゃん、あきらめもかんじんだよ。」
死霊っ子にたしなめられる勇者(笑)であった。
「勇者(笑)、この地でも幸いを願う声があるのです。それに応ずるのが神官としての貴方の役目でしょう。」
「さぁ、行くぞ。お前がまいた種だ。見事に咲かせようではないか。」
「俺が行くとは一言も・・・・・・・・・」
「ふむ、決着の場に舌の確かな勇者(笑)が」
「門衛卿も・・・・・・・・・・」
勇者(笑)連行中
「なんでこうなった・・・・・・・・・」
王都の町並みは白い石造りで火災にも強い、故か古い建造物が多数立ち並ぶ風景を眺めがなら食べ物が満載の荷馬車の上でガタゴトと揺られている勇者(笑)。
その周りをフユフユと漂いながら物珍しそうに眺めている死霊っ子。
「それはおいらが言いたいよ!何で貴族の争いにおいらが参加しなくてはならないのさ!負けたらおいらは首切り(物理)だよ。にーちゃん、どうするのさ!」
小僧っ子の言に
「流石に見習に対して負けたからって無体するほど腐ってないだろう。出世の嫌がらせはするかもしれないが・・・・・・・・・・」
「ちょ、そっちも駄目だろう!」
「そん時は俺が雇ってやるから、心配するな。」
「でも、おにーちゃん魔王領行き。」
「これっていせかいごでしぼーふらぐというんだよね。」
「小僧っ子のにーちゃんごしゅーしょーさま。」
「うん、勝てばいいのか。勝つ!勝って出世して・・・・・・・・面倒事とはおさらばするんだ!」
「でも上に立っても面倒事とは縁が切れない気がするけど。」
「おいら普通の料理人でいたかった・・・・・・・・・出来れば兵士志望だったのに・・・・・・・」
「世の中ままならないものだよ。小僧っ子。」
「何澄ましたように言っているんだ元の元凶がぁぁっぁぁぁぁぁ!」
小僧っ子は雄叫びを上げるのであった。
でも、よく考えてみよう。勇者(笑)に教えてくれと頼んだのは小僧っ子なのである、小僧っ子は自ら選び選択した結果ここにいるのである。
「まぁまぁ、色々な縁故と経験が出来るから・・・・・・・・・・」
「いいさ、こうなったら色々な料理を学ぶんだ。ついでににーちゃんの弟子として名声を・・・・・・・・」
開き直った小僧っ子、そのやり取りに飽きたのか死霊っ子達は他をふらふらと彷徨い出て行っている。
迷子になるなよと思うのだが、取り付いている勇者(笑)の居場所は判るらしくその心配はないらしい・・・・・・・・
「そうでなかったら風呂とかトイレとか・・・・・・・・・・・小さいとは言え女の子に四六始終見られるんだぞ。風呂くらいならばまだしもトイレなんて・・・・・・・・・・」
それならそれで目覚めてしまいそうな気がするが・・・・・・・・・・・後、地の文に(略)
巻き込まれて息巻いているいる小僧っ子をなんともいえない顔で見ながら、今回の合同作戦の出資者の一人である豪農氏が勇者(笑)に話しかける。
「【菓子作る神官】様、本日はお付き合いいただき・・・・・・・・・・・」
「礼や挨拶ははいいって、俺いなくても皆さんだけで十分出来ると思うんですけどね。」
「それでも、なんか巻き込まれて不満気でしたんで。」
「豪農氏、神官様は単純に面倒くさがっているだけだから気にしなくて良い。そこの小僧っ子は門衛卿と聖徒の騎士様の争いに巻き込まれて・・・・・・・・・・・・それは哀れとしか・・・・・・・・勝っても負けても・・・・・・・・・大変だろうが強く生きろよ。」
「ちょっと!豊穣神殿の神官様!」
「うんうん、なるべく遠くに逃げたほうが・・・・・・・・丁度俺と一緒の旅路だしどっかに亡命するか?」
「にーちゃん!」
「貴族様の醜い見栄っ張りにも困ったものだな。こんな小さな子が無碍にされるなんて・・・・・・・・」
「豪農氏さんおいら粛清確定!」
「貴族様本人通しでは手打ちが済んでも下の者まではねぇ・・・・・」
「んだんだ」
「何ならうちくる?ほんのちょっと厨房神様にお仕えしておいしい料理を作るだけの簡単なお仕事、【死霊慰撫する菓子】を作る幼き料理人。こっちも知名度上がって信者も増えてうっはうっは、あんたも偉い神職様だと崇められて安心安全よ。」
小僧っ子を大人達で弄り回しているのに混ざって勧誘する厨房神殿の神殿付き調理人の女丈夫。小僧っ子の太股くらいある腕はちょっとした棍棒くらい軽く振り回せそうだ。
「なんて魅力的な誘いなんだろう・・・・・・・・西方平原の厨房神殿ならば料理修行も出来るし・・・・・」
「はははっ!今決めな。」
「神殿料理人さん、俺の弟分持ってかないでくれよ。」
「守れないのが何を言っているんだい!丁度あたしも可愛い息子が欲しかった所だから良いだろ。」
「神殿調理人の養子か、娘しかいなかったから判る気がする。」
「豊穣の、分かるかい。糞生意気な娘ばかりで口を開けばババア、ババアだぞ。それに比べて小僧っ子なんかは礼儀も弁えているし技前も悪くない。そこの死霊っ子達も生きていれば養子に迎えたいくらいだしな。あんくらいの子が一番可愛いねぇ・・・・・大きくなると反抗的で可愛くないね。」
神殿調理人の剣幕に子育てを終えた豪農氏も豊穣の神官も頷く。
もっとも、豪農氏はごつい息子とごつい娘ばかりで小さくて可愛がり甲斐のある子供が欲しいなと妻と共に思っていたり(その反動が側仕えの者は線が細いタイプが多い)神官も子育てが終えているのだが子供達が孫を作ろうとしないので不満だったり・・・・・・・・・・・
その辺は勇者(笑)も小僧っ子も知らない事情である。
大人達の事情は知らないが、愚痴愚痴言い合う大人達に仕方ないなと小僧っ子に対して
「そういえば、小僧っ子。今日は何を作るつもりだったんだ?」
「いきなり勝負に駆りだされて『絶対門衛の西方野郎に勝つんだ!負けたらどうなるか判っているんだろうな!』と上巳の旦那に脅されているし、聖徒料理って見栄えもしないしねぇ・・・・・・面倒だから携帯職を粥にしていこうかなって・・・・・・・・・・・何年も食べてないだろう。胃にやさしいものから与えないと。」
「いいんじゃね、一椀の粥にすべて注げば。どうせ門衛卿は大人気なく本職をつぎ込んできそうだし。」
「あっ!すまん門衛卿に頼まれたのあたしだった。」
「・・・・・・・・・・おいら、詰んだ。」
「・・・・・・・・・・・・うん、そうだな・・・・・・・・・・強く生きろよ。」
「・・・・・・・・・・・・なんか悪い事をした気が・・・・・『聖徒の味覚音痴に西方の美味を叩き込んでやれ!』って焚きつけられて二つ返事でうけちまった。」
「あははははっ!」
小僧っ子の敗北が確定しそうな対戦相手(西方厨房神殿付き調理人。そこそこ高名)に心折れる。
「うん、今日は余興という事にしておいて貰うか。」
「あたしはそれで構わないよ。」
「ほんとなんて無茶振りだよ・・・・・・・・・・おいらに対する虐めか?」
「判定はワシ等も入るんだよな。豊穣の」
「そうですね豪農氏、でも私は信者にうそはつけても自分の舌には嘘はつけないんですが・・・・・・」
「そりゃワシもじゃ。」
あんた等最低だ・・・・・・・・
しかもその科白何処の美食家だよ!
えっと、普通順番逆でしょう・・・・・・・・・・(by豊穣神)
そうしているうちにフユフユとあたりをうろついていた死霊っ子達が戻ってきて
「おにーちゃん、きてきて!」
「たおれているこがいるの?」
としきりに袖を引っ張って何処かへ連れて行こうとする。荷馬車の上にいるから転げ落ちそうになる勇者(笑)。
「ちょっとまて!馬車から落ちてしまうだろう。」
「はやくはやく・・・・・・・・・」
勇者(笑)は馬車を止めると死霊っ子に連れて行かれるように街角の奥にすすむ。小僧っ子もつられて付いていく。
「えっと、先に進めておいて貰えますか?死霊達の飢えは皆さんだけでも大丈夫なんで・・・・・・・・・・最悪弔い人たちに手助けしてもらえれば・・・・・・・・・」
「あいよ!あたしに任せな。」
「わしがよろしく伝えておこう。」
と神殿料理人と豪農氏が請け負うと豊穣の神官が
「では、私は【菓子作る神官】殿に付き合おう。子供達には手当ての技はないだろう。」
「助かります。死霊っ子達案内して」
「わかった。」
「こっち」
「はやくはやく・・・・・・・・・・・」
死霊っ子達に導かれるように路地の奥に向かうと突き当たりに襤褸切れに包まって幼い子供が倒れている。
「このこ、このこ・・・・・・・・・・」
「たすけてあげて・・・・・・・・・・」
と心配そうに勇者(笑)を見る死霊っ子、そんな死霊っ子を見て
「神官さん、この子大丈夫でしょうかね?」
と問いかける。
「随分と痩せこけて・・・・・・・・・・見捨てられたか?栄養失調と脱水だね。何か食べ物ある?」
「それなら・・・・・・・・・硬いのしかないや。」
小僧っ子が軍用菓子(激硬)を手にして・・・・・・・・・
「せめて水と鍋があれば・・・・・・・・・・・・・」
「わかった!」
と飛び出す死霊っ子達二名。残りの死霊っ子も不安げに飛び交っている。
「豊穣の神よ、貴女のが願い乞う。幼き命の灯火を途切れさせぬよう今一度の生気を吹き込みたまえ・・・・・・・・【気付け】!」
豊穣神の神官の神術に幼子の意識がかすかに取り戻される・・・・・・・・・・・
「おなかすいた・・・・・・・・・・・」
「もうちょっとだ!直ぐに美味しいのが来るぞ。」
「おにーちゃん、あれあれ・・・・・・・・・・・お菓子出して!」
空腹の訴えに死霊っ子がゆうしゃぱうわぁのちから(意味不明)を使えと言ってくる。
それに気がついた勇者(笑)が冷たいプリンを作り出し幼子の口に含ませる。
「あ、甘い・・・・・・・・・・・・・」
と一口口に含んでおちる。
「えっ!」
「大丈夫だ。まだ死んでいない。」
そうしているうちに鍋と水を取りにいった死霊っ子達も戻ってきて・・・・・・・・・
幼子に水を含ませ・・・・・・・残りで小僧っ子の持っていた軍用菓子をふやかし火にかけるのである。
暫したって・・・・・・・
「あ、あまいもの・・・・・・・・・・・・ゆめ?」
甘い粥の香りに釣られてなのか目を覚ました幼子が寝ぼけて・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・おむかえ?」
どーもー、冥界への案内人です。(by冥界神配下の案内人)
「仕事速いね、でもまだ待ってもらえる。」
いいよー、待機料金は勇者(笑)殿の菓子で良いかな?(by案内人)
「そのくらいならば今【眠りの園】に向かっているのがいるから分けてもらえるよう頼んどくよ。」
悪いね、冥界でも人気でさ勇者(笑)殿の菓子が・・・・・・・家内から強請られて・・・・・・・っと、幼子のほうは良いのかい?(by案内人)
「やっぱおむかえか、死ぬんだね・・・・・・・・あたち。」
「おにーちゃん・・・・・・・・・・・」
「にーちゃん、案内人さんと何やっているんだよ。」
「・・・・・・・・・・・・【菓子作る神官】殿」
案内人の姿に死期を悟った幼子(まだ死んでいません)に不謹慎なやり取りの勇者(笑)と案内人に冷めた目で見る場の一同。周りの視線に気がついた勇者(笑)は取り繕うように・・・・・・・・・
「あはははははっ、そこのちっちゃいの。粥食うか?」
と暖かい粥をゆるりと注ぎ込んで一匙すくい口元に持っていくのである。
流し込まれる甘い粥・・・・・・・・・・・・
その一口ごとに身体に活力が送り込まれる。弱った胃には何口かくらいしか受け付けず。満足そうに目を閉ざす。
「【菓子作る神官】、これでしばらくは持つでしょう。後はもう一度目を醒ますかどうか・・・・・・・・・この子の力次第です。」
「そうですか・・・・・・・・・助かります。」
そうしているうちにこの幼子の兄弟分らしい子供達が・・・・・・・・・・・
「帰ったぞ!」「生きてるか!」「今日は大漁だ!」
と、手に盗品や残飯らしき食べ物を持ちながら近づいてくる。そして、勇者(笑)たちを見るや否や!
「何しているんだ!」
とガキ大将らしき子が怒鳴ってくる。
「アニキ、神官様だぜ、オレ達にかないっこないよ。きっとオレたちを捕まえて・・・・・・・・・・・・」
「くそっ!」
身分が遥かに上の大人の姿を見て・・・・・・・・・何されるか判らないと逃げ腰になる浮浪児たち。
「可哀想だがあいつは・・・・・・・・・逃げるぞ!」
「ちくしょー」
後ろ暗い生活をしているせいか直ぐに逃げ出す体勢になるがそこに
きゅるりら・・・・・・
とか細い腹の虫、眠っている幼子から・・・・・・・・
まだ幼子が無事なのを知ってガキ大将が・・・・・・・・助けるにはと躊躇う・・・・・・・・
その躊躇いを見た豊穣の神官は
「そこの子供、待ちなさい。貴方達が逃げたらこの子は見捨てますよ。」
と脅しをかける。その一言で浮浪児達は逃げることが出来なくなる。
「豊穣の神官さん、その脅しは酷いでしょう。ガキども、とりあえずそこの粥を平らげるのを手伝え。」
と勇者(笑)が甘い粥を勧めるのだから、浮浪児達に勝ち目はなかった。
同時刻【眠りの園】
「小僧っ子はどうした!」
「上巳騎士爵様か小僧っ子と勇者(笑)は死霊っ子達に連れられていったぞ。」
「おやおや、上巳卿貴方の料理人が来ないけど勝負を前に逃げ出しましたか?」
「うるさい!」
「まぁ、私も鬼じゃないから勝負は後日という事で・・・・・・・・」
「くっ!」
「あたしは後日は面倒だから降りさせてもらうよ。」
「ちょ、神殿料理人。」
「流石に見習い相手にするのは大人気ないだろ。」
「・・・・・・・・・・・・万全をもって知らしめてあげたいと思ったんですがね。仕方ないでしょう・・・・・・」
「あのぅ、貴方方何しに来たんですか?」
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ!」」」」」」
勝負事しか頭になくて死霊達を慰撫することを忘れていたな。おいっ!
さて、酒でも飲みますか。
暇な方がいれば私のエッセイ【魚屋がふざけて言ってみる】にお付き合いいただけると・・・・・・・・・・
読まないよねw




