どこかが違う
【西方平原国家における奴隷制】
どう考えても甘やかしすぎだろう、寧ろおれがなりたい。(聖徒王国の地主某)
西方平原国家の奴隷は土地付きの農奴が前身と言われるが他国からの移住者、政争に敗れた元貴族なんて変り種もいる。彼等は地主等【主人】に対して労役やその他を出す代わりに【保護・生計】を保障して貰っている。
その扱いにも国内法によってある一定以上の扱いが保障されており、他国における奴隷とは違うものとなっている。
主な例を挙げると主人間で奴隷の売買を行う場合、その売り上げの一部は奴隷の私有財産とする。子供の奴隷はある一定年齢になるまで売買・譲渡は許されない。傷病を理由にして奴隷の遺棄を認めない。主人となる者は一定以上の教育を修めないとならない等々・・・・・・・・・下手すれば他国の平民の労働者よりも整った環境にあるといえるかもしれない。
主人側からすれば格も資産も要求される面倒な法であるのだが、奴隷の扱いが適正化されることによって傷病率の低下や意欲が出ることによる労働効率の上昇、奴隷の反抗的態度を緩和させたりそれによる治安悪化の防止等々、恩恵があるので施行当初は渋々とであるが受け入れられ、現在では酷い扱いをする主人はほぼ見られず寧ろ奴隷の側が解放を嫌がられるようになっている。
-中略-
ある意味契約労働の一種ではないかと思うのだがこれは他国人である私の我見のなせる業なのであろうか?
【西方平原社会の特異性】より
「あんまり聞き訳がないと御主人様に言って奴隷から解放してもらってお城の官僚にさせてしまうからね!」
「やだー!官僚なんてやだー!」
「だったらごめんなさいは?」
「ごめんなさーい、ママ。」
「よーし、いい子だ。今度からおねしょ布団を隠したりするんじゃないよ。」
西方平原国家の某伯爵の下で寄宿する事となった勇者(笑)一行、伯が所有する奴隷達の集落を見物する。何処からどう見ても程度の良い農民の集落である。しかも通りすがりに聞こえるこの会話、小さい子と母親の会話なのだがどう考えても奴隷は良い事で官僚は地獄みたいな見方をしているし受け入れられている。勇者(笑)も聖徒王国王宮内の惨状を思い出して微妙に納得しているのだが・・・・・・あれはどう考えても第二公爵兄弟の自爆だしなぁ・・・・とか思い出してみたり。
食品過敏症があるならば料理人に言うべきことだな。(by厨房神)
俺二日酔いの薬過敏症だーねー(by酒精神)
道行く農夫も子供もふくよかである。
「奴隷頭様ー!それだけは、それだけは勘弁してくだせぇ!」
「なんて、無慈悲なこと・・・・・・・・おら達を解放するなんて!」
「お前等ご領主様の好意だぞ、しかも働く場所がないだろうからとお城の文官か徴税官に推挙してくださるそうだ。最下級とは言え役人だぞ、何を嫌がるんだ?」
「そんな雀の涙ほどの給金では今の生活より酷いじゃないですか!」
「おら達に飢え死にしろと?」
いやいやいやいや、お城の役人もちゃんと給金支払われています。ちゃんと嫁さん貰って子供も養っていますから・・・・・・・・
因みに奴隷頭も伯に雇われている役人扱いである。奴隷達の監督をして最大の効率を上げるのが彼の役目で有能そうな者を各所に推挙するのも役目なのである。
「そ、そんなぁ・・・・・役人なんて人でなし・・・・・・」
「お前そういうこと本人の前で言うかな?」
「お、おゆるしくだせぇ・・・・・・・ど、奴隷頭様!おらには可愛い妹と糞小憎たらしい弟が・・・・・・・・・・・・今ここを離れたら可愛い妹に憑く悪い害虫、固体名【伯爵の甥っ子】だの【のっぽの赤毛】だの【陰険薬師見習】だのがまとわりついて・・・・・・・・・・」
「大丈夫だ、おれがそれとなく面倒見て・・・・・・・・・・・」
「奴隷頭様!あんたもいもうとにつくがいちゅうかぁぁぁぁぁ!!あんなに可愛い妹を放置して一人城になんて・・・・・・・・・・・」
「妹偏愛も程々にしろよ。伯の甥っ子はまだ5歳だし、赤毛だの薬師見習だって出来は悪くないぞ。」
なんか人生相談とか説教になっているのは笑い話であろう。
勇者(笑)はあまりに常識を疑う光景に
「流石異世界、奴隷一つをとっても扱いがおれの知っている常識とかけ離れている。」
「おにーちゃん、あれって奴隷なの?どう見てもそこらの農家のにーちゃんにしか見えないんだけど。」
「鞭もってビシバシというイメージしかないよな。」
「うんうん、ぼくらもそんなだったし。」
「おかーちゃんなんかもどれいがしらによるつれていかれたけど・・・・・・・・」
「とーちゃんが奴隷頭につれていかれてよくあさおしりかかえていたときも」
「第三伯爵のおっさんを殴れなかったのは残念だったな・・・・・・」
「しっかし、ほんとうにどれいなの?」
「俺もそう思う。どう見ても小役人が村人を勧誘している姿にしか見えない。」
常識的奴隷の扱い(?)を話している勇者(笑)と死霊っ子達
第三伯の奴隷頭って・・・・・・・・・・・両刀だったのか!業の深いことだ。
そんな、勇者(笑)一行の疑問点を答えるのが神官(光明神殿所属)である。
「まぁ、西方平原国家の奴隷は他とは違いますからね。どう考えても住み込みの小作人とかにしか見えないのは理解できますけど。」
「神官さん他とはどう違うんだい?」
「単純に奴隷を持つ主はある程度の教養とかないと所持を許されないのと十分な扱いを義務付けられていることだな。教養と言っても読み書き計算と良識くらいだが。」
「じゃあ、俺でも奴隷がもてますね。」
「えっと、勇者(笑)殿、貴方の辞書がどうなっているのかは知りませんけど・・・・・・・・・・神々を殴りつけるような者を良識あるとは・・・・・・・思えないのですがね。」
「ちょ!」
「話を続けましょう、奴隷の扱いでも無意味な殺傷、遺棄、性的暴行は禁止されているし、売り払うときも相手を十分吟味することと販売益の一部を奴隷本人の財産として渡すことが義務付けられているとか・・・・・・・・・・・後は生活と生命の保護。これだな、ある程度有力な主になれば他の有象無象からの理不尽な命令から守護してくれますから奴隷にとっても従う意味合いもあるのですよ。逆に主の側は奴隷を解放して平民として税をとれるようにしたいとか地代を取り立てたいという目論見もあるのですが当の奴隷自体がそれを望まないし・・・・・・・・・・・先ほどのようなやり取りがあるのです。まぁ、官僚に悪評については知りませんけどね。」
流石神官、口先で民を導く生業についているだけのことはある。
「ちょっと、地の文さん。それは酷いですよ。」
おっと、失礼。でも地の文に(略)
そんな会話を交わしているうちに
「だったら奴隷として主様が城の方に貸し出している形にしていただけますかねぇ、流石に下っ端役人の給金じゃ、おら飢えてやせてしまう。」
お前は少しやせろと聖徒王国の連中からすれば思ってしまうふっくらとした体つきの奴隷は奴隷頭に提案する。
「ふーむ、俺としてはそれをしたところで王かその辺に召し上げとなってしまうから意味ないと思うんだがな・・・・・・・・・・」
「そんなぁ・・・・・・・・・・ おれ達を生贄として見捨てられてしまうんで?」
「まさか、伯爵様もお前等の栄達を願っておられるぞ。」
「えーたつで飯は食えないからな。ちゃんと畑耕して種うえねぇと。」
「そういう事言って畑の別の種を植えてんじゃねぇのか?白い種とかよぉ・・・・・・・・」
「馬鹿言っちゃいけねぇ、樹の穴っ子やら山羊の穴っ子なら種付したりしてっけど畑に種付をしたおぼえはねぇで。お前と違うんだ。」
「ふっ!おらにはかかぁがいるからその畑に毎晩種付してしるんだ。そんなさみしいおめといっしょにするない。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前等日も高いうちからなんて会話しているんだ?」
「そういう奴隷頭こそ・・・・・・・・・・・ひぎゃ!」
「おまえら、ちゃんと出仕しろよ!伯爵様の顔をつぶすようなことがあったら・・・・・・・・・・」
奴隷二人組みの会話が下品になっているのに奴隷頭も呆れ顔で二人の顔を握りつぶしにかかる。
結局、宮仕えから逃げることが出来ない奴隷達であった。
子作りとは植え付けは似ているな。共に畑(女)をほぐして(耕して)おかないと種が上手く植わらない点なんかは(by大地神)
「大地神様流石にそれはたとえが下品すぎるというか・・・・・・・・」
どうした?神官、まさかこれくらいで耐えられないというのか?流石に童貞には辛いもので・・・・・・・(by大地神)
「大地神様っ!」
「ねぇねぇ、おにーちゃん。羊や山羊に種付って・・・・・・・・・」
「それはそこの神様に聞いてごらん。」
「かみさまおしえてー!」
勇者(笑)よ、人にその手の質問を押し付けるのはよろしくないぞ。それにチビ共、その手の質問は我よりも森林神(獣姦マニア)がよく知っているから彼にあったときに聞いてみるがよい。(by大地神)
その後、この奴隷二人組はそこそこ出世して王も大臣も怯えさせる中級官僚となるのだがそれはそれで別の話。
道具の手入れするからこれにて




