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川ゆかば水漬くばかめ!

河川神


流れる水を司る神。川の流域を守る地域神としての一面や川漁師や河舟の乗り手足りの守護といった職業神の一面も持つ。

【狭間の国】や【極東】では【川の民】や【山の民】の祖神として信仰される民族神種族神としての一面を持つ。



神殿協会 神学部教本【神族一覧】より

性病持ちの神職達の後釜が着任したのを確認して再び旅に出る一行。

なんだかんだと滞在した半月あまりの間に神殿の書類とか資料を粗方纏めて置いたのは仕事熱心というよりも暇だったからだろう。


旅路に出ること数日、適当な宿がないので野営となる。

近くに村があるのだが泊めてくれる宿がない、村で食糧を買い食事の準備をする。

月毛の馬車馬は馬車から解放されたのが嬉しいのかそこらを適当に歩き回っては草を食んでいる。

彼のためにも屑麦を用意してあるので落ち着いたら食わせる予定であるが・・・・・・・・・勇者(笑)の菓子寄越せと小僧っ子を突いている。夜中に脱走して近所の雌馬に夜這いかけないように気をつけないとならないのだろう。御者(古女房は在所に残している)の苦りきった顔が目に浮かぶようである。寝床は馬車になりそうだ・・・・・・・・・・・

他の馬達も馬具をはずされてもあまり遠くに行かずにその辺でのんびりとしている。時折小僧っ子を突いて勇者(笑)謹製の固焼き菓子を強請ったりするのだが微笑ましい光景だろう。馬の涎塗れにされる小僧っ子はたまったものではないが。


数台の馬車と十数頭の馬と十人あまりの人に五体の死霊は思い思いに過ごすのである。




ある程度の支度が済むと勇者(笑)は木の枝でこしらえた竿と繕い糸、町で仕入れた釣り針を用意して川へと向かう。


「にーちゃん、川に落ちるなよ。」

「俺がそんなへまをするかっての!」

軽口を叩く小僧っ子に軽く拳を落とし川へと向かう。


「勇者(笑)殿夕飯のおかず期待しておりますぞ。」

「はははははっ、それは期待しないで待っていろ。」

「俺も持ってくればよかったな。」

「人日騎士爵・・・・・・・・・次の町で仕入れて置けば?」

「そうするとしよう、今あるのは毛ばりだから川釣りに向かないし・・・・・・・・・水辺が私を呼んでいる。」


人日卿は釣り好きだったようだ。思い思いに酒を飲んだり愛馬の世話をしたりする一行を尻目に勇者(笑)は川へと向かうのである。


歩く事数分、川原までは直ぐにわかったのだが川原に降りる道がわからず迷っていたが適当に進んでいるうちに見つける。

勇者(笑)は死霊っ子達が期待に満ちた目で見ているのを尻目に糸を縛り付け餌を取り付ける。えさは練った芋、俗にいも練りと呼ばれるものである。



芋練といっても芋ともち米を焚いたものじゃないぞ。(by厨房神)

蒸かした芋を潰して蛹粉とかを入れたものだろう。もっとも奴の場合は練った芋に蜜を加えて発酵させただけなのだがな。(by漁労神)

勿論湿布でもない。(by療養神)


神様方要らぬ解説有難う御座います。そもそも芋菓子なんて今の若いのが判るわけないじゃないかとか、釣りえさのイモネリは正しいけどしゃしゃり出るほどでもないし、芋湿布なんてそれこそマニアックなものを!!と、突っ込みいれたくなるのを押さえて押さえて・・・・・・・・・・


勇者(笑)は蟲を触るのが嫌なので練った芋を餌に針を川に落とす。


「おにーちゃん、なにがつれるの?」

「何お菓子川に投げているの?」

「ふふふっ、暫く待てまて・・・・・・・・・・俺のイモネリの匂いにつられて魚が喰らいついてくるんだ。そのうちもっと岸から離れないと飢えた魚が集まってくる羽目に・・・・・・・・・」


びちびち・・・・・・・・ぱくぱく・・・・・・・・・・


岸辺に群れる小魚の群れ・・・・・・・・・


「ほんとうだ!」「すごーい!」

「たくさんいるねー!」


「ああ、そうだな・・・・・・・・・・・・・」

狙っていたのと違うのと冗談で言っていたのに本当になるなんてと驚きで言葉が途切れる。

勇者(笑)作のイモネリを手に死霊っ子が小魚に餌付けをする。


「おもしろーい!どんどん集まって・・・・・・・・」

「あつまりすぎてきもーい!」

「ここで網を持ってすくっちゃえ!!」

「でも食べる部分ないよ。」「そだね。」


小魚共の命運は可食部分の少なさで助かったようだ。


ちっちっちっ!甘いな死霊っ子共、目高みたいな小魚は一度揚げてから佃煮にするとうんまいんだ!(by漁労神)


まぁ、勇者(笑)も狙いは大きめの魚だから・・・・・・・・

気を取り直して深みに向かって・・・・・・・


ぽちゃん



流れていく浮き草を眺めたりしているうちに手ごたえが!


ぐいっ!ぐいいっ!


勇者(笑)が何とか引き上げるとそれは藻?ちがう、なんか髪の毛っぽいものが・・・・・・・・・・



くぉらぁぁぁぁぁ!ワシの鬘還せ!(by河川神)

「うわぁ!すいませんすいません!」

いきなりワシの鬘を釣り上げるとは失礼なことをしくさってからに!おかげで逢引中の人魚チャンに『はげは嫌いよ!』と振られてしまったじゃないか!(by河川神)

「スイマセンスイマセン本当にスイマセン・・・・・・・・・・って、何ではげの隙間から髪の毛が?」


鬘を釣り上げられて怒り心頭の河川神、そのハゲの間から髪の毛を発見する勇者(笑)・・・・・・・・


おもむろに近づいてハゲを撫でてみると


ぺりっ!


「うわぁ!川の神様のハゲの下から毛がはいている!!」

「ばかだなぁ。はげづらというんだ。」

「なんではげのかつらしているんだろう?」


ふふふっ!ばれてしまっては仕方がない。これは神々の宴会用のネタの仕込みなのである。それを台無しにしやがって最近の異世界人は何を考えて・・・・・・・・・・・・『ここでネタの仕込みしてんじゃねぇぇぇぇぇl!!』げふぼっ!(by河川神)


さいごのげふぼっ!は勇者(笑)の菓子をぶつけられた今際の一言である。

理不尽な菓子の一撃を食らった河川神はそのまま川に沈み込みあがることはないのである。

その後河川神は釣り上げられた鬘というネタで神々の宴会で大いにウケを取る事が出来たのである。


「しっかし、ここは人魚とかの水着が取れてヤーン☆とかじゃないのか?」


流石にそこまでお約束に走るのはどうかと・・・・・・・・・


「かみさまばいばーい!」

沈み込む神様に手を振る死霊っ子。まぁいつもの光景である。


もう一度獲物を狙おうと糸をたらすのである。


ふむ、台風である。眠れないのである。

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