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名乗る名前は中二臭くて

腐文学


男色を題材にした女性向け文学の一傾向。主に思春期前後の男児を題材にすることが多い。男色を題材にした文学はこの世界にもあったのだが、【忌々しき異世界人】がこれを世界的に廃腐・・・・・・・・・・もとい配布した事で上流階級の女性を中心に流行してしまった。近代における異世界人災害の一つ【腐渦】とは腐文学の大流行をさす。


おかげで恋人や配偶者が腐化してしまった男性陣は涙目、自らが腐文学の題材となるおまけ付き。どうして、敵対国同士である聖徒王国と魔王領ではカップリング論争で加熱し、その脇では男性がお互いに嫌な顔をして対応策を練るはめになるのか?誰も答える者はない。


この事が切欠で人魔協調の先駆けとなるのだが歴史書をどれだけ紐解いてもそれに対する記述は出てこない。誰もそんなこと書きたくない。



節制神から事情を聞かされた勇者(笑)、まず自らの名を得るよりも早くに願いを口にする。

「俺を呼ぶために使われた奴隷達はどうなっているのですか?」

命が尽きて死んだよ。(by節制神)

「蘇るとかないのですね。」

残念ながら・・・・・・・・・・・・・死したものが蘇るのは摂理に反する。(by節制神)

「ならば、花を。」


勇者(笑)は彼等に対する弔意を顕にする。感傷に浸る馬鹿な者である。

それに対し同席の議長は何事かつぶやき、雑役の一人が駆け出していく。


愚かで優しい男よ、躯が眠るとは言っても彼等が其処にいるわけではない。汝の願いは其処の議長が適えるだろう。感傷で願いを使うか・・・・・・・・・・・(by節制神)


「まぁ、彼等もまた被害者だ。俺はまだ恵まれているけど彼等の事を忘れるのはあまりに可哀想だろ。もし、死後の世界というのがあるのならば彼等が安穏とできることを願う。」


勇者(笑)はまたしても感傷で願いを発する。それに応えるは黒衣をまとう仮面の神である。


ふむ、自分よりも眠れる他人を案じるか。愚かな若者よ。案ずるな我が懐は痛みを抱えた魂を眠らせる聖域である。何れ癒えた彼等が世界を巡ろうと旅立つその時までは我が面倒を見るとしよう。そもそも、汝の願いは何一つかなえる必要のないものではないか。(by冥界神)


いきなり現れて、勇者(笑)に対して答えを発した冥界神は節制神の皿の上にあるケーキをつかみ上げると一口で平らげる。


ふむ、美味。(by冥界神)

冥界神、それは我の分であるぞ!いきなり着て掠め取るとは!!(by節制神)


ケーキを取られて噛み付く節制神に余裕の面持ちで指についたクリームをなめる冥界神。人界の美味に満足気である。

神々のやり取りに仕方がないとばかりに自分の皿を差し出す勇者(笑)。其処でも性質の悪いのがいるのだった。


卓が置かれた錬兵場の片隅で勇者(笑)のクッキーを食らって沈黙していた文芸神に芸術神である。

節制神の席にケーキが置かれたときを見計らって一気に間合いを詰めてくる。

だが勇者(笑)はポケットの中からクッキーを取り出すと女神達に向かって投擲する。



がつんっ!


着弾する音は同時だったので音はひとつしか聞こえない。

勇者(笑)の投擲技術はここにきて格段と進歩している、これに気がつかないのは本人だけであろう。


クッキーを食らってうずくまる女神達、こいつらに自重とかと言う概念はないのだろうか?

少なくとも事を拗らせた一端は聖女にあるのだが、それを拡大させたのはこの腐神どもである。

場にいる者たちは何か腐った汚物でも見るような目をして見下ろしている。


地の文、どうしてあなたまで汚物を見るような目で見ているの?(by芸術神)


流石にこの行動が神としてどうかと・・・・・・・・・・・ あっ!勇者(笑)さん私にも一人前よろしく。


勇者(笑)は持参した菓子を新たに取り出し、場にいる神々(腐神二柱除く)と地の文の為に用意する。


今度は一口大に作られた小さなシフォン生地の焼き菓子である。大皿に盛られたそれは、別添えのジャムとかクリームをつけて食べるのだろう。一口ごとにいろいろ楽しめるのはうれしいものである。モグモグ・・・・・・・・・


地の文、仕事をするように。(by冥界神)


おっと、役割を忘れてしまった。沈黙が場をおおう。

見守る兵士達は漂う甘い香りに物欲しそうな表情をするのだがそれも一瞬のこと、誰にも気づかれぬうちに集中を取り戻すのだった。



さて、話を戻そうか。異世界の若者よ、願いはあるのか?(by節制神)



勇者(笑)は悩んでいる。

「俺を元の世界に返すということはできないので?」


勇者(笑)の問いに新たなる神々が答える。


ふむ、それは無理とは言わぬが難しい・・・・・・・・・・・君が召喚された時、体は死亡してしまったのだ。うむ、召喚で魂が抜けた体はふらりと転んで顔面から・・・・・・・・・・・に・・・・・・・・

周りにいた者達は慌てて引き上げるのだが、意識が跳んでいる君の体を手当てしようにも中身をかぶった君に躊躇している間に・・・・・・・・・・・・・身体が死亡して荼毘に付されている。故に今から戻っても別人として生きるしかないか、魂だけ戻って元の世界の流れに任せて再び生れ落ちるのを待つかしかない。

とりあえず、今回君の召喚を担当した我が眷族はこちらで処理した。あまりにも痛ましすぎる、我としてもできうる限りのことをしよう。(by境界神)


あれは痛ましすぎる。召喚で魂が飛んだ衝撃で倒れて体が死亡とかはよく見かけるのだが、まさか・・・・・・・・・(by戦神)

少なくとも残された体の尊厳を保っていくのは嗜みだと思うのだが・・・・・・・・・・。・・・・・・・・とは、酷すぎる。(by風神)


勇者(笑)の問いに答えるように現れた神々は口々に痛ましげに答えると勇者(笑)の足元に襤褸切れのようになった者を投げ落とす。

「えっと、体が死んだのは理解しましたけど何がそんなに・・・・・・・・・・・・・酷いって何があったのですか?教えてください!!」


聞いて後悔しないな。いや、後悔するだろうが気を強く持つのだぞ。お前が倒れた拍子になぜ其処にあったか判らぬのだが腐った豆が大量に投棄されていてな、其処に突っ込んでしまったんだ。包装されていたとは言え人一人が倒れた衝撃でそれも破けて腐った豆まみれに・・・・・・・・・

慌てて其処から助け起こした者はいたのだが・・・・・・・・・・・・・意識がない状態で腐った豆まみれ、手当てしようにもあまりの惨状に手を出しかねる。そうして、君の体は死亡したのだよ。まだ、体が仮死状態とかならば手助けもできたのだが・・・・・・・・・こうなってはな・・・・・・・・・・・本当に悪いことをした。そして其処のボロクズが召喚を許可した我が眷属境界修復者だ。(by境界神)


勇者(笑)は憎憎しげに境界修復者だったものを見る。ぼろぼろに叩きのめされていて、どこから手をつけてよいのかというか殴るところなんて残っていない有様だった。腐った豆まみれの死に様なんて・・・・・・・・・・・・・新聞の三面記事に残るような死に方を・・・・・・・・・・・


ああ、君の名誉の為に関係者の認識を熱中症か脳卒中で倒れて、手当てできる者がなくおろおろしている間に容態が悪化して死亡、ということにしておいた。あと、男の子の秘密な書籍とかもこちらに梱包して置いといた。家族が遺品整理しても見られて恥ずかしいものはないだろう。(by境界神)


「其処までしてくれるならば、パソコンの中身も・・・・・・・・・・2ギガのエロ画像が・・・・・・・・・」


ふむ、落雷事故が必要かな。(by雷神)


「ちょ!俺の世界に災害起こさないでよ、そっちにも管理者いるでしょうに!」


問題ない!君の家のブレーカーが少し落ちる程度だ、雷ガードのないパソコンなんてものは一撃で十分。(by節制神)



微妙に勇者(笑)の存在する世界についての知識も持ち合わせている神様達、いくら比較的近い世界だからといっても無茶のしすぎである。そのまま偽の戸籍とか用意して・・・・・・・・・


地の文、いらぬことを言わぬように。(by節制神)



「なんだか、知られたくない私物がこっちにあるのは助かるし死亡したんじゃ仕方ないか・・・・・・・・って!いえるかぁぁぁぁ!」

腹立ち紛れに境界修復者を蹴る勇者(笑)、やくざである。


苛立ちは判るがこの世界で骨をうずめるのが一番なのだが何か希望はないか?(by節制神)


息を荒げている勇者(笑)、思案すること暫し

「ならば、勇者(笑)という呼び方を何とかして欲しい。ただでさえ『勇者・・・・・・・時代遅れ』だとか『勇者っぽいもの』だの『とりあえず呼び方が決まらないから勇者(仮)としておきましょう』だの・・・・・・・・・・・・・今となっては『勇者(笑)?ああ、王宮専属菓子職人だろう。』だとか『違うだろう、副宰相付けの会計監査官だろう』だの『(笑)はないよな(笑)は』といわれるし・・・・・・・」


其処まで一息で言うと息継ぎをして

「俺を勇者(笑)って呼ぶんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」



勇者(笑)の叫びは王宮まで届き、それを聞いた侍女さんの

「あらあら、まぁまぁ、勇者(笑)様ったらまた叫んでいらっしゃるわね。」

といつもの事のように言われるのである。





ふむ、ではどのような名を望む?(by戦神)

「本名を言おうとすると名乗るなといわれるし。」


一応本名を名乗るのはごく親しいもの相手にだけという風習がある。

本名から呪いがかかったりするとか言われるので公にしないのである。

決して作者が名前考えるのを面倒くさがっているわけでもない。

ましてや・・・・・・・・・


そこうるさい!(by作者)


失礼しました。どうしたものだろうかと考える勇者(笑)。

「異界の若者とかでは?」


異世界系のもの一杯いるからよく判らなくなる。異世界人はそこらを探せばうじゃうじゃとまではいかないけど百くらいはいたはず。(by境界神)


もっと、個性を出さないと・・・・・・・・・・・(by森林神)

個性と称して獣耳愛好家(ケモナー)は良くないだろうしな。(by漁労神)

うるさい。(by森林神)


分析結果から出てた【かせいじん】は?(by文芸神)


勇者(笑)は即座に文芸神の頭にクッキーを打ち付けた。

そんな名称を登場人物名にしたくない!

【かんとんじん】だの【しんせいじん】だのではないだけましだろうが。何の話だか・・・・・・・・・


【みぎまがり】・・・・・はうばっ!(by芸術神)


芸術神は硬いクッキーがお好きと見えるらしい、思い切り食らっているのである。


【菓子作り】とか【副宰相付会計補佐】とかだろうかな。(by生徒王国担当地方神)

【黒髪】とかもありだろうが後ほど困るからお勧めできぬな。(by節制神)


「【男前な勇者様】とか【異界経営学士】じゃだめ?」


汝がそう呼ばれて大丈夫ならばとめぬぞ。(by風神)


想像してみよう、

「かっこいい勇者様荷物もって。」「男前な勇者様今日は菓子作りの仕事が・・・・・・・・」

想像完了、棒読みで呼ばれるとかからかい半分で呼ばれるのが目に見えて理解できる。

そもそも経営学士と呼ばれるほどには知識はない。


「うん、やめておこう。」


賢明だな。(by厨房神)


さて、どうしたものか?

勇者(笑)の名称が思いつかない。どうしたものか?


酒でも飲んでいるとしよう

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