その2
兄弟達の話です。
「メイド~~、ティーくれ。」
姉のマルシェンヌ(13歳)が言った。俺は長いから「マル」と呼んでいる。見た目はとってもスリムだが、顔は超美形。どうやら俺の転生後の未来形らしい。
「おい、マルシェンヌ。そんな汚い言葉遣いじゃもらい手が薄まるぞ?」
「いいじゃん、別に。もう沢山来てるじゃん。」
姉は美形だから、どうやら結婚候補盛りだくさんって感じだな。
注意した兄もそう言われては反論出来ない。俺的には兄も美形だから、嫁候補多しだと思うのだが。
兄はロダビリアンという。面倒だから「ロビ」と呼んでいるのだ。みんながそう呼んでいるからだけどな。何故か皆あえて始めと三つ目を取ったみたいだ。
「アリアは絶対、ああ言う風になるなよ?俺だけの可愛い可愛い姫様でいてくれ!」
「ハイ♪ロビ兄様♪」
ロリコン野郎な兄は何かと使えそうだし、まぁ一応媚び売っているのだ。一応だがな、一応。
有る意味違う意味で賢いとは、地球でもよく言われたもんだ。可愛くいったらロビは頬を赤らめる。相当なるロリコンに間違いは無いだろう。
「でもー…アリア普通に可愛いし、候補いるよ?ママも納得な人までいるし。」
「うっ…マリア……俺もマリア…」
ソレばっかりは知らねぇよ、俺がやったわけじゃないし。我慢してくれよ、兄。
段々この喋り方キツくなってきた。ブリッこを尊重すべきなのかもしらない。
「でもさ、マリアの候補様凄いのよ!王子ッ。めっさ格好良かったわ!」
っていうかさ、マルは会ったんだね……。別に俺は興味無いし関係無いけどな。婚約者とか今時恥ずかしいだけだろ?こっちではお見合いやら政略結婚やらが半分を占めているらしい。自由じゃないんだな、この国。可哀想に……。
「どんな人なの?」
「とびきりイケメンで、それでもっておぼっちゃま。とりあえず非の打ち所の無いって感じ。私の候補者なんて、金持ちが理由で選んだらしいから、不の不の不細工だった。」
「へ・へぇ~~」
そりゃ不細工よりはイケメンの方が…じゃねぇよ。俺中身一応男だし、一応じゃなくてホントに。
男がイケメンでもときめかねぇよ?
それよりも、さっきから『ぐぉぉぉ』とか『がるぅぅぅ』とか奇妙過ぎる声が聞こえるのだ。一体コレは?気味が悪くてしょうがないし、鳥肌ヤバイです、ハイ。
「兄さま、さっきから聞こえる奇妙は声はなんですか?」
「これはレイチェルだな。」
「れ……れ…、レイチェル?」
また覚えにくい名前が追加されるようだ。英語風なのって覚えにくいんだよな、また。
姉の本名もう飛んだわ。「マル」しか覚えていない。ダル……兄も本名忘れました。
「アリアはまだレイチェルに会った事無かったか?」
「いいえ…、でも小さかったわね。今も小さいのは変んないケド。」
「そうか…。じゃーレイチェルに会いたいか?」
「うん!会いたーぃ」
興味無いけど、一応ノっておく。転生先が幼女っていうのも考え物だな、こりゃぁ。
この口調、いつまで続ければいいのでしょうか?
次回……登場ですっ。読めば分かるさ!