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四季の花と母と

作者: 武田道子

四季の花と母と



まだ凍てつく一月と二月

窓辺に飾られていたシクラメンと桜草


春よこい、早く来い 

どこかで見つけた一本の猫柳


窓を開けるとさーっと春の香り

花瓶に一枝の綻ぶ梅の花

 

淡いピンクのバラと柔らかな香り

花弁に光る雫が朝を光らせる


真っ白な百合の花一輪

天高く、空はどこまでも高い


鮮やかな黄色の小菊

玄関先で秋を迎える


一枚、また一枚、そして最後の一枚

鮮やかな衣は大地を埋める


雪粉が舞う

静かな時間が積もっていく


シクラメンと桜草の鮮やかな色が

まだ冷たい窓辺を明るくする新春



日に日に移り変わる季節の中

花の命は短く

人の命は短く

されどその一瞬の美しさがもたらす

穏やかな部屋

ささやかな目立つことのないどこにでもある草花

それらがとても優しくて

花瓶の水をかえるだけで

生き生きと輝きを取り戻す

素直で元気な草花

華やかでありながら凛と揺るがない姿と香り

豪華な神々しい白百合に身が清められ

母のいた庭

母の愛した草花

紅葉した町並みを染めていく霜月に

遠く逝った母を思う


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