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ばずるねっと!  作者: e-pock
1/7

熊退治って異世界転生の基本だよな

ほんの一瞬で、世界の全てが切り替わった。

何の脈絡も伏線もなく、視界にいきなり入り込む広大な草原の風景。

木々の葉が風にそよいで葉が擦れる音。

青っぽい草の香りと、陽の温もり。

五感の全てがこれまでの現実とは、まるで切り離された今を生きてることを教えている。

「えっ!? えっ!?」

混乱と不安から、思わず自分の頭を触る。

だが、慣れ親しんだ自分とは明らかに違う感触。

こんなに髪の毛はサラサラじゃないし、頭の形だって綺麗な丸になってないはずなのだ。

すぐに、自分の手がいつもと明らかに違う別人のものだと気づく。

いつも目に入るから、自分の手の違和感は真っ先にわかると言っていたのはどの漫画だったか。

この身を包む黒い外套もいつの間にか手に持ってる本も、まるで覚えがない。

無意識的に誰かのものを盗んできてしまったのだろうか?

と、どこぞの万引き犯のようなことをぼんやり頭に浮かべていた。

その時である。


「おい坊主! 何をぼんやりしている!? 戦闘中だぞ!!」

深い響きを持つ渋い男の声が投げつけられる。

「え、ボク? ってうわああああ!!」

呼びかけに応じ、声のした方向を向くと同時に目に飛び込んできたモノに心臓が飛び出るほど驚愕する。

大地を踏みしめる四本の足。

全身を包む深雪の如く白い毛皮。

ピンと立った両耳に大きな口、そして鋭い牙。

以上の特徴を総合すると。

「大きな……犬う?!」

「狼だ!! 何度言えばわかる!?」

大声で吠えたてられて、思いっきり全否定されてしまう。

(何度って……これが一回目じゃないか!)

と、不満に浸る間もなく、自称狼は二の句を継いでくる。

「ボケてる場合じゃあないぞ。アイツが危ない」

そう言いながら狼がマズルを向けた先に、釣られるようにして目を向ける。

そこには……


「グオオオオ!!」

と、雄叫びをあげ、大きく両前足を振り上げる巨大な熊。

後ろ足二本だけを地面につけて、筋肉で肥大化した上体を垂直に持ち上げているため威圧感がものすごい。

その熊の足元に、なにやら人間のようなシルエット……いや、人間のようではない。

完全に人間だ。

それも、女の子。

頭部を覆う真っ赤なフードと、腰まで届くような桃色の髪を土埃で汚して尻もちをついている。

すらりと伸びる、白い脚が絶妙な角度でクロスされてえんじ色のミニスカートの中身をギリギリ隠していた。

「くっ……!!」

幼さが少し残る均整のとれた面立ちと、くりっとした猫目に闘志を滲ませながら矢を右手に、弓を左手に取って弦をぎゅうっと引き絞る。

矢尻は熊の眉間のへと正確に向けられているが、発射までの時間が明らかに足りない。

「前衛は俺。後衛は坊主で……」

何やらチュートリアルじみたことを言う狼の言葉は耳に入らなかった。

「おい、考え無しに突っ込むな!!」

気がつけば、背中にぶつけられる狼の声を置き去りに、少女に向かって全力疾走していた。

走りながら思う。

刷り込みとは恐ろしいものだと。

危機に陥っている可愛い女の子を助けるありきたりな筋書き。

大好きなゲームで何度も何度も繰り返されてきたお決まりのパターンは、知らず知らずのうちに脳に染み付いて、そういうものだとすっかり教育されてしまう。

そんなことを考えてるうちに、熊の茶色い巨体はもう目前だ。

「やめろおおお!!」

声を張り上げながら、熊の広い背中に向かって全身で体当たり。

大声を出すことに慣れていないせいで、喉が痛い。

でも、そんな痛みが気にならないほど熊と衝突した前半身が痛い。

決死の突撃にも関わらず、熊はピンピンとしている。

攻撃をしたのはこっちの方なのに、ダメージはこっちの方が深刻だ。

熊がその巨体をぬっと振り向かせて眼下の少女から、背後からの襲撃者に目線を移した。

振り上げられる丸太のように太い前足。

鋭い爪が太陽に光る。

まずい。

まずい。

まずい。

人助けは崇高な行為だが、力量が伴わなければその結果は無惨なもの。

熊の爪と残酷な現実が、すぐ目の前まで迫り来る。

「うわあああ!!」

熊の前足を払いのけるように、右手をブンッと振り回す。

お化け屋敷で脅かされた人がとっさにお化け役を殴ってしまうという事例がある。

びっくりして思わず手が出てしまう。

追い詰められた生物が最後に見せる攻撃性。

それを、熊に対して行ったところで貧弱な人間の腕なぞ簡単に吹っ飛んでしまう。

……が、そうはならなかった。

左腕に抱えられたままになっていた本から、淡い金色に光るカードがピュンと飛び出る。

そして、悪あがきのように振られた右手の動きに合わせるように空と舞い飛び熊の凶悪な顔面に勢い良くブチ当たった。

「ギャヒンッ?!」

鎧袖一触。

ペチンと当たった一枚のカードのその威力だけで、熊の膨大な重量が嘘みたいな軽さで吹っ飛ぶ。

草の地面に大きい筋を作り、土を巻き上げながらざざあっと転げていった熊は、やがて木の太い幹にブチ当たることで勢いを殺してようやく止まった。

「へ?」

驚いたのはこの攻撃を行った張本人だ。

軽く腕を払っただけで、この威力。

これは……こんなものは……

「チートじゃん!!」


全ての事の始まりは、4月6日。

高校の入学式の前日に、兄が死んだ。

交通事故だった。


「入るよー」

ノックと共に声かけてから、ガチャリとドアノブを引く。

そうしてしまってから、ふと気づく。

この部屋の持ち主——依田よりた 影一えいいちはもう居ないのだから、いちいち許可を得なくて良いのだと。

分厚い丸レンズのついたメガネを、低い鼻に向かって指で押し上げながら影一の双子の弟、影ニ(えいじ)は主を失った部屋をゆっくりと見渡した。


通夜と葬式を終えて、ようやく落ち着いた頃 。

何だか心が無限にぼんやりとして、悲しいと感じることすらできなくて、最低限の生活と学校のタスクをこなすだけであとはベッドでゴロゴロ、ゴロゴロ。

青春まっただ中の新高校生とは思えない、鬱々とした春の日々は四月十一日をもって終わりを告げる。

その日、影ニは気づいたのだ、極めて唐突に。

「兄ちゃん……エロいの残してないだろうな?」

例えばベッドの下。

例えば国語辞書の箱カバーのなか。

例えばパソコンの隠しフォルダ。

そこに、思春期の健全な男子のアレソレを処理するための桃色ピンクなコンテンツが収められているのかもしれない。

このまま誰にも見つからないならそれが一番良いのだが、そうもいかないだろう。

いつかは遺品の整理で大掛かりな掃除の手が兄の部屋に入る。

特に、母親に見つかるのが最低だ。

「……捨てておいてやるか」

同じ男として、アハンウフン的なサムシングを誰にも見られたくない気持ちはわかる。

弟にもそりゃ見られたくないだろうが、親連中に発見されるのよりははるかにマシだろう。

こうして人生で一番お盛んな体を持つ男としての情けから影ニは兄の部屋へ探索に入った。


まず、目につくのは大きな本棚。

そこには

『転生したら熊だった件——やられ役を回避した有能熊ちゃんは野生の王国を作る——』

『七色の声〜超絶カワボはダンジョン配信を制す〜』

『犬だと思ったか?実はフェンリルなんだぜ最強テイマーのチート無双』

などのいわゆる異世界転生チート系のラノベがぎっしりと詰まっている。

「兄ちゃんこういうの好きだったからなあ……」

影ニの地味顔に、弱々しい笑顔のようなものが浮かぶ。

苦笑しているつもりだが、まだまだきちんと感情表現できるほど心は立ち直っていないのだ。

長いタイトル群を左から右へ、目で舐めるように眺めていく。

うん。無い。

ひょっとしたら本を全部出した裏側とかにエロ本が隠れてるのかもしれないが、そこまで本格的に探すのは後日でも良いだろう。

時代はデジタル。

ソッチ系コンテンツが眠ってると思しき有力候補は必然……

「パソコン、だよなあ」


スイッチを入れると、ハードディスクが唸りを上げる。

お年玉を貯金して買ったPCは、学生が持つには不自然なほどハイスペック。

一分もしないうちにで立ち上げを完了させる。

影ニはパソコンを操作し、『eiichi』と題されたフォルダをまずは開く。

「えーと……右クリックで、隠しフォルダを表示、と」

予想通りに、ファイルがひとつ姿をあらわす。

てっきり画像か動画ファイルだと思っていたそれは、テキスト形式。

「小説かあ、良い趣味してんなあ……」

と、兄の性癖を垣間見る気持ちで呟く。

そんな呑気な気持ちも、ファイル名を見て吹っ飛ぶ。

『遺書』。

薄暗い部屋に光るディスプレイには確かにその文字が躍っていた。

「えっ……」

ごくりと唾を飲みながら、何かに操られるようにファイルを開く。

中身を見るのが怖い、とようやく自分の気持ちに気づいた時にはもう自分の指は操作を終えていた。

冷たく光る画面に、活字の列が浮かぶ。

『影ニへ。これを見てるってことは、さてはエロいの探しに来たな?

でも、残念でした。俺は三日PCの電源切りっぱだったらそういうセンシティブなのは自動で消去されるソフトってやつ入れてんだよ』

「エロいの無いのかよ……」

素っ頓狂な反応をしてるのはわかってる。

でも、あまりに予想外のことが身に降りかかったのでどう言ったら適切なのかわからない。

ドクドクと早鐘を打つ胸を押さえながら、影ニは画面をスクロールさせて文字列の先を見る。

『で、ここでグッドニュース! エロは無いけど、かわりに俺の一番大事な宝物をくれてやる。どうだあ? 兄ちゃんに感謝しろよ?』

「数分先に産まれただけで兄貴ヅラすんなよな、ウゼえ……」

そう悪態をついてみても、言い返したり、殴ってくる相手はここにはいない。

それが影ニにはとても寂しい。

機械仕掛けのPCは操作する者の心情などお構いなしにただ、機構を回転させるのみだ。

『部屋がそのまんまならPCの横にVRヘッドセットあるはずだ。無かったら買え』

「こいつ学生の懐事情ガン無視だな」

影ニはゲーム好きではあるが、VR方面はいまいち食指が動かなかった。

全感覚没頭型のVRでは、ながら作業ができないというのが一番の理由。

影ニのゲームプレイスタイルは、ソーシャルゲームの周回で発生するロードや演出の待ち時間を使って、今となってはレトロタイプとなったテレビ画面に映すコンシューマーゲームを消化するというマルチタスクギンギンなものである。

『影ニがこういうの興味無いの知ってっけど、やってみると楽しいぜえ?』

「まあ、そこまで言うなら……」

まるで、こちらの心情に合わせてAIが打ち返しているようだ。

双子だから相手の気持ちがわかるってことなのだろうか。

……バカバカしい。コミックに毒された自分の思考をブンブンと頭を振って散らし、影ニはVRヘッドセットを頭につける。

そして、PCデスクとセットになったゲーミングチェアに腰を落ち着け、人間工学にマッチした曲線の背もたれに身を預けた。

こめかみ部のスイッチをオンにしながら、もう一度だけ兄の『遺書』の最後の一文を思い出す。

『アッチに着いたらみんなによろしくな。きっとお前とも仲良くやってくれるはずだ。良い奴らだかんな。で、カンジンのログイン名とパスワードは……』

視界を覆い尽くすのは無機質なシステム画面。

空中に立体キーボードがホログラムめいて浮かび上がり、VRゴーグル越しに認識された指の位置に従って反応する。

『c011mec01e1330』

と、遺書の指示通りに打ち込めば『Welcome』と文字が浮かび、光のトンネルをくぐって空に飛んで行くような、派手に3D映像が展開され始めた。

五感がリアルからバーチャルへと遷移していく眠りに落ちるような浮遊感に身を任せる。

(英字を数字に入れ替えてコールミーコール。で、末尾の四桁はボクらの誕生日を逆にしたのかな)

なんだか使ってる文字の種類が少ないし不用心だな、と兄の情報リテラシーを疑ったところで……視界が一面の草原へと切り替わった。


「残心だ残心! まだくたばってねえ上にヘイトはお前だ坊主!!」

狼の声でようやく我に帰る。

カードの一撃による、吹っ飛ばし効果はあったものの致死ダメージには至らない。

吹っ飛び状態から立ち直った熊は、グルルと低く唸りながらのそりと立ち上がり怒りのこもった眼光をこちらに向ける。

「チートじゃないじゃんっ!!」

「さっきから何を言っている?! 俺がタゲ取りする! 坊主は下がれ!!」

言いながら白い狼が、熊に向かって風のような速さで走っていく。

なんとか視界に収めて、HPバーを見るとそこには『ヴァナルガンド』というアバター名。

「アオーン!!」

仮称ヴァナルガンドが熊の目前にて大きな遠吠えを響かせる。

少し距離を置いても耳が痛くなる音量は、熊にとっても耳ざわりだったようで殺気を狼へと向け直す。

そうして熊からのヘイトが逸れたところで、少しだけ落ち着きを取り戻し己自身の頭上を見上げる。

案の定『コール』というアバター名が浮かんでおり、青色のH Pバーは体当たりの自傷ダメージ分だけちょちょ切れていた。

(あのパスワード、こういう意味だったのか?! 不用心すぎるだろ! 情報リテラシーはどうなってんだ、リテラシーは!!)

などと、場違いなツッコミを心の中に入れてる間にも事態は勝手に進行していく。

「射て! エコー!!」

熊の粗雑な噛みつき攻撃を、敏捷性を頼りに避けながらヴァナルガンドが吠える。

「わかってる!!」

エコーと呼ばれた少女は、もうすっかり体勢を立て直し、整った美しい構えで弓を持ち熊を見据える。指先まで神経が通った繊細かつ精密な動き。一瞬の緊張を息を止めて押し殺し、無心で矢を射った。

赤い曳光を引きながら飛ぶ一矢は、ぴょんと横跳びして射線をあけたヴァナルガンドの鼻面をかすめて熊の太い腹部へと突き刺さる。

「ギャオオン!!」

熊の頭上にあるHPバーがほとんど見えなくなるほど短くなり、危険を示す赤に色づく。


「よっし、瀕死ダメ! テイムの時間だぞ、少年!!」

仮称エコーからの指示に。

「あ? え?」

やはり、“コール”は即応できない。

ゲーム慣れしてはいるが、借り物のアバターをいきなり使いこなすことができるほどVRでのプレイヤースキルは高くない。

まごつくコールに、痺れを切らした声色でヴァナルガンドが

「テイムカードだ! テイムカード! いっつもドヤ顔でそう詠唱してんだろうが!!」

と、がなり立てる。

(あ、コレ魔法少女アニメで見たやつだ)

コールは通信教育で習ったところが、学校のテストで出てきたような心持ちを味わう。

魔法少女のアニメの第一話では、小さくて可愛いマスコットが。

『さあ! あいつらにマジカルステッキを向けながらこの魔法の言葉を言うんだ! キルゼムオール!!』

と、まあこんな感じで戦い方を教えるのが定番だ。

自分は魔法少女ではないし、マスコット役の狼もやたらとゴツいが流れは一緒だろう。

コールは本の表紙を熊に向けて叫ぶ。

「ちぇ……テイムカード!!」

少し、噛んだ。

が、詠唱は成立したようで本からまばゆい光が立ち上る。

光は、青息吐息の熊に向かって伸びると、その巨体を包みこむ。

そうして金色の光に縁取られた熊のシルエットは、ギュンッと手のひらにすっぽり収まるほど小さな長方形——カードへと変形する。

元は熊だったカードは、これまたピュンと飛んで来て、コールの本のページの隙間に潜りこんでしまった。

「これで、うまくいった? のかな……」

事態把握のために、本のページを開き、先程のカードを取り出すと……

「ウォッフッ!!」

「わあ!!」

あの恐ろしい熊が再び眼前にあらわれた。


「ウォフ! ウォフ!」

「あはは! やめろ、やめろってー! くすぐったぁい!」

テイムされたばかりの熊は、さっきまで敵対してたのになぜかなつき度最大で、コールを草地に押し倒してもふもふなハグと共にぺろぺろとほっぺたを舐め回している。

そんな光景をバックに。

「はい、というわけでグリズベアーのテイム成功! カードテイマーのクラススキルのおかげで、初期なつき度最大! ほんと、便利だよね」

エコーが虚空に向かって何やら説明口調で告げる。

「だがキチンとお世話しないと、どんどんなつき度は下がっていくぞ! 気をつけてくれよな!」

続いてヴァナルガンドも同じように言葉を続ける。

熊のケモノ臭さと舌のヌルヌル感に翻弄されながらも、コールはその違和感に気づく。

そして、すぐに頭に浮かんだ疑問への回答を得ることになる。

エコーとヴァナルガンドの視線の先、何も無いと思われた空間にうっすらと半透明のウィンドウが浮いている。

そこには

『エコ姐のHP調整パねえ』

『四足アバターで良くあんなに動けるな』

『なんか今日のコールきゅん下手じゃね。花粉症ちゅらいの?』

といった文字列がゆっくりと流れている。

(えっ、まさか配信されてた?)

その仮説を裏付けるように、エコーたちは芝居がかった締めの挨拶を始める。

「そんじゃ、また今度も私たち! バズるねっ、と!!」

エコーが両手を使って大文字のBのハンドサイン(立てた右人差し指に左の人差し指、中指、薬指を横から突き立てる)をキメる。

「みんなー、バイバーイ!!」

「歯ァ磨いて寝ろよ! 風呂も入れよ!!」

手を振るエコーと、尻尾をパタパタ振るヴァナルガンド。

そのモーションが少しばかり続いたところで、コメント欄と思しきウィンドウは消える。

どうやら配信が終わったようだ。

そういうシステムなのか、熊も勝手にカードに戻って本へと帰った。

何が何やらまったくわからないが、とにかく無事に終わったのなら一安心。

そう、胸を撫で下ろしていたのだが……


「なあ、少年。声はクリソツだけど絶対、中の人違うよね? 詳しい話、聞かせてもらえるかなあ?」

声のトーンを二段階ほど落としたエコーが、びっくりするほど冷たい目で見下ろしてくる。

……どうやら、修羅場はまだまだ続くようだ。

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