17話 眠気がふっ飛ぶモーニングコール
本日(2023/02/07)、三話目になります。
【計画編】最終話です。
『おはよう、圭介くん』
翌朝6時半、まさか経済界の大物にモーニングコールをかけてもらうとは思わなかった。
「お、おはようございます……!」
眠気も一瞬で飛ぶモーニングコールだった。
圭介は起き上がって即座に正座した。
「うち、5時起床でねえ。今か今かと電話を待っていたんだけど、来ないからこっちから連絡しちゃったよ。寝ていた?」
「い、いえ! もう起きる時間ですから!」
「で、桜子にはまだ何も言っていないけど、これからどうするの?
昨夜から部屋から出てこなくて、ご飯も食べないんだけど」
(……そのまま放置してくださいって言ったら、ブチ切れるよな)
「大変申し訳ないんですけど、今から妃那の立てた計画を話します。お父さんにもご協力お願いします」
「それは内容によるよ」
「はい」と、圭介は妃那から聞いたことを語ったが、話し終わっても音弥はかなり長いこと黙っていた。
「……あのう?」
「いやあ、それ、かなりキツいんだけど。
ていうか、あのお嬢さん、桜子をないがしろにした計画をわざわざ立てていないか?」
「いえ、そんなことはないと思います。この計画、彬も知っているので」
「うちの息子も? じゃあ、あいつ、昨夜から知っててあの態度なのか」
「桜子のために頑張るみたいなので、お父さんもできれば……」
電話口からため息が聞こえる。
「桜子を病院送りにする計画には腹立たしいものはあるけど、現状、これはまだまだ恋愛問題の域を超えてないからね。だから、おれも邪魔はしない」
「ありがとうございます」
「あ、そうそう、あのお嬢さんに言っておいてくれる?」
「はい?」
「この計画に失敗して、桜子が泣くようなことがあったら、会社もらうって」
(……妃那、すでにこの人を怒らせているんだもんな。2度は許されないか)
「死ぬ気で頑張ってもらいます。おれの未来のためにも」
音弥は笑って「じゃあね」と電話を切った。
(笑ってたけど、あれ、冗談じゃなかったよな……)
第5章パート2【計画編】、みんな(一部除外)が『計画』を知った時点で完結となりました。
次回からパート3【実践編】が始まります。
妃那の立てた計画通り、うまく事が進んでいくのか?
二話同時アップ、お楽しみに!
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