表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/51

ようこそ、ギルドバウトオンライン

ギルドバウトオンラインの世界では人間の他にも様々な生物が生息しております。


整った顔立ち、気品あふれる風格を持つエルフ


獣の耳や尻尾が生えているものから二足歩行で歩く動物のようなまで幅広い姿を持つ獣人


特筆すべきは逞しい筋力を持ちながらも正確で器用な小さき友人ドワーフ


さながら妖精のはねのようなものから天使のような翼を背に自由に飛び回ることのできる有翼人


そして、成人でも子供のような愛くるしい容姿をしているホビット


しかし中にはゴブリンやゾンビのような人間にとって非常に攻撃的で厄介な生物もいます。そんな彼らに対抗できるのはギルドに属し神の加護を受けた者たちだけ!



さあ、あなたもギルド《アークライト》に所属して世界を守ってみませんか?



『登録者二千万人突破!同時接続数五万人越え!

ギルドバウトオンライン大好評配信中!



『年齢と性別の他に人種とかも決められて更に容姿も弄れるのかこの項目だけでさなり時間がかかりそうだな』


PVを見て俺は納得するような相槌をうつ


かれこれ数時間か真っ白い空間で俺は一人ギルドバウトオンラインの公式PVを延々流しながら当分長い付き合いになるだろう第二の自分を作るためにウィンドウ相手に睨めっこをしていた


柄にもなく気合を入れて攻略サイトのキャラメイク指南が書かれたウィンドウを左手でスクロールしながら右手で項目を確認する


『ステータスは六項目、生命力、防御力、攻撃力、魔法力、俊敏性、幸運•••

へぇ〜、ここまでは普通のゲームみたいだな。でもMPはこのゲームにはなさそうだな』


生命力や防御力は言わずもがな、攻撃力と魔法力はそれぞれ技か魔法の威力や効き目に依存し、俊敏性で速さや運動能力が変わるらしい。

ただ、幸運だけはどれも曖昧なことしか乗ってないんだなぁ


それで、このゲームの特徴としてはMPの代わりに任意で使えるスキル側に一度の出撃で使える回数が載っているようだ




『それとなんだって?

•名前、性別年齢と種族のパーソナルデータ

•職業、境遇、動機

•最後にスキル欄

名前以外の項目は全てステータスに反映されてくるだって?これは慎重に選ばないとまずいな』


まずパーソナルデータ


MMOではディスプレイの初期設定時作成したアバターを元にさらにイジることができる


性別、その体格や年齢を元に性能が決まってくるようだ。ここは少し筋肉を増やそうか


さらにギルドバウトオンラインはファンタジー世界が舞台のゲームだ。

当然実在の人種のほか、獣人、エルフ、ドワーフ、有翼人、ホビットまで存在する。

それにあわせて自らを改造するできる


更に容姿だけでなく獣人なら体力や俊敏性、ホビットなら魔法力や幸運が上がるなどステータスが変動するから馬鹿にはできない


『人間の場合だけはステータス変更しない代わりに所得スキルが一つ余分にもらえるのか、ならこれで決まりだな。』


できることは一つでも多い方がいい、ということで俺は人間に決めた


「つぎは職業、境遇、動機。まるで面接の履歴書みたいだな」



・・・


ふっと、周りが余計真っ白く見えるのを感じた


「だめだだめだ!俺はゲームしてるんだろ!現実に戻るな、白けるな!」


気を取り直して職業、26種の中から選べられる

このゲームは基本的にソロではなく複数人で依頼を受けて問題を解決する仕組みとなっており敵と戦う前衛職と後衛で味方をサポートする補助職の二種類に分けられている


中には魔法使いやエンチャンターなど似ているようで性質が違うものまであるので慎重に選ばなければいけないのだが


『レビューサイトのオススメ度10点中9点、味方を守る最強のタンク、防御だけではなく剣や槍の適正や防御のバフスキルも所得できるチームの要・・・やっぱこれだな!』


俺は迷わずナイトの項目にチェックを入れた

ナイトはかなりオススメの職業のようだ。協力ゲームと銘打っている手前、一人では戦いは出来ないって明言されてるようなもんだ

ともなればあのプレビューのナイトみたいにカッコよく味方を守ってみたいな


境遇は人物のこれまでの背景。プレイヤーがいかにしてギルドに入ったか?で動機はプレイヤーの夢であったり労働の対価であったりとプレイヤーがなにを目的として働いているのかが書かれるようだ


一応これもキャラのステータスや所得できるスキルに反映されるようだがキャラとしてもなりきれるのか、感じが出るなぁ


オオニタもVR MMOは冒険や戦いだけではなく交流も醍醐味も大事だと言っていた。


「こーゆーのって中学の時よくこんなこと考えていたけど大人になっても考えるのって楽しいな」


昔はゲームのキャラに勝手に設定をつけて妄想しまくっていたけど、今はその設定をつけて第二の人生として遊べるのだから世の中本当に進化したよなぁ


あれこれ考えたが

ここはオーソドックスに魔物に家族を殺されてその復讐として生きるナイトとして生きることにした


ごめん。父さん、母さん、エミリ。勝手に殺しちゃって、後で埋め合わせするからな




それからステータスとスキルの設定

ギルドバウトオンラインは職業によって推奨、非推奨はあるもののある程度は自由にスキルを選ぶことができる。

例に挙げるとすれば魔法を使える武闘家とか、剣や格闘戦もできる魔法使いとか作れるってわけだ

ただし、覚えられる技には限りがあるし、一度のレベルアップで取得するかレベルを上げるスキルは限られてくるのでよく考えないといけない


「使用回数が書かれているのは俺が任意のタイミングで使えるスキルで『パッシブ』ってあるのが装備してある間ずっと効果があるスキルだな」


「ここは無難に防御スキルと剣の適性を入れて・・・【照明】は・・・いらないな。【ファイアアロー】も取得すれば飛び道具にもできるし事足りるだろ、これで完成だ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前 カズナリ 性別 男 年齢25歳

種族 人間(最初に所得、レベルをあげられるスキル+1)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

職業 ナイト

境遇 魔物に愛するものを失った

原動力 復讐

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ステータス

生命力20防御力25攻撃力15魔法力15俊敏性8幸運7

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

◼️スキル(スキルレベルキャップ2)

•ガードLV1 技ポイント12/12 攻撃された時防御体制を取り、ダメージを軽減する スロット1

•かばう パッシブ 味方を庇う スロット1

•剣適正LV1 パッシブ

•カウンター パッシブ

•ファイアアローLV1 技ポイント8/8 炎の矢を飛ばす、飛距離3メートル、貫通しない

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

装備

•鉄の剣 至近距離の敵単体を攻撃可能

•鉄の盾 丈夫な中型盾、武器との併用は不可


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


6時間ほどの格闘の末、俺は『俺』を完成させた


スキルと動機以外は後から振り直すことはできない、項目に抜けや間違いがないか一旦見直して俺は決定ボタンを押す



『それでは、ギルドバウトでの冒険を楽しんでいってください』


女性のアナウンスとともに俺の体は光に包まれた




そして



小鳥の囀り、ほおを撫でる風、温かな日の光

目を開けると白い空間はなく煉瓦造りの町の中にいた


「こ、ここはどこだ?着いたのか?ギルドバウトの世界に?」


プレビューの時とキャラメイクの時に何度も繰り返し見たあのオラカイト王国だ!


右を見ても左を見てもみんなファンタジーないでたちをした人だかりができている



上京したばかりの田舎の青年みたいにキョロキョロと見渡していると


『あの!』

「はいィ!?」


後ろから女の子に声をかけられた、今の今までそういう経験は数える程度しかないから俺は思わず裏声が出てしまった


なんだろう、落とし物か?中のシャツが出てしまったか俺は後ろを振り返る


と、そこには目線だけ横に逸らしている赤毛の可愛らしい少女がいる。多分年も少し離れたくらいだろうか。オドオドした仕草が余計にかわいい


そして少女は何かを決意したようにして俺にこう言った


「すみません!私のフレンドになってくれませんか?」

せぱたくろーです。

キャラメイクってやっている時ワクワクしますよね。VR MMOものの小説読む時とかここのステータス欄出てくると嬉しい派の人間です。


次回は4月8日(木)の投稿を予定しております。よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ