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第75話 さてと、普通はありえないけど、受け入れることも大事だね。

急展開な感じがしないでもないですが、あくまでおまけ的要素だと思ってください。好評だったら別の話で進めていくこともあるかもしれません。あるいは、ちょこちょこ話の途中でいれていくのもいいかもしれません。楽しんで頂けましたら幸いです。


 ちょっとまて、今アマさんから、以前いた世界ではある程度聞いたことのある言葉だけど、こちらの世界ではまず聞くことがない言葉が出てきた気がするが気のせいだろうか?


「アマさん、えむえむおーって、もしかしてMMOのことですかね?」


「恐らくそれで合っていると思う。ワシもよくわからんのじゃ。お主は知っておるかの?」


「まあ、一応。アマさんが言ったのと、私が認識したので合っていればの話ですがね。」


「恐らくそれで合っていると思うぞ。何か向こうの世界での話らしいが、お主はやったことがあるかの?」


「私が認識しているものであれば、以前の世界ではやっておりましたね。」


 私が以前いた世界でやっていたのは、戦国時代が舞台であるRPGで、基本的には各大名に仕官した状態でプレイするもので、ごく少数ではすぐに出奔して浪人としてプレイしている人もいたらしい。全員が武士ではなく、武士の他にも忍者や僧侶、陰陽師なんてものもいたな。他に数種類存在しており、さらにその各職でもいくつかに別れていたな。ちなみに私がメインで遊んでいたのは僧侶の攻撃特化のやつだった。攻撃も回復もできるほぼ万能職で個人的には非常に扱いやすかったが、そのゲームはほぼパーティ前提で進む必要があったため、役割に特化したキャラの方がメンバーに選ばれやすい傾向があり、キャラこそ多かったが、メインでこれを使っているのはそれほど多くはなかった記憶がある。思い出したら久しぶりにやってみたい気持ちも少しは出てきたが、マーブル達と遊んでいる方が楽しいので、今はどうでもいいかな。


「それならば話は早いの。お主にはそのMMOとやらで遊んでもらいたいと思っておる。」


「・・・何で私? それに、そもそもこっちの世界では、MMOどころかコンピュータすらないでしょうに、、、。」


「そうなんじゃよ。ただ、これには理由もあってのう、、、。」


「・・・伺いましょうか。」


 話を聞いてみると、フロスト領で、アマデウス教会を通じて領民達が各々信仰している神々に祈りや報告などをするようになってから、上辺だけの信仰や、毎日変わらず定型句しか聞こえてこなかったり、そもそもお祈りすらされなかったりと、かなり退屈な毎日だった状況から改善された上、食べ物のお供えまで捧げられるようになり、喜んでいる神々が増えてきたらしい。


 その神々達の中に、他の世界の神々とも面識があったり、実際に交流している神もいて、その神々のうちの一柱が、信者からこのMMOがプレイできる環境一式をお供え物としてもらったそうだ。折角だから別世界の人達と交流を持たせてはどうか、という話になって、その役目をお礼と称した生け贄として私が選ばれたということらしい。いや、別にそういった余計な交流は勘弁して欲しいのですが、、、。え、拒否権なしですか、そうですか、、、。


 ただ、そのMMOについてだけど、世界観はここにいる世界と似ている部分が多いらしい。しかもその世界であたかも自分で動いているような体験ができる、いわゆるVRMMOというものらしい。


「いわゆる疑似世界を堪能してもらおうということじゃな。何、お主にとっては1つのプチ転生的なものじゃと思って気軽に楽しんでくれればいいのじゃよ。」


「いや、プチ転生って、何度転生すればいいんですかね? ひょっとしてまだ私は転生しないとならないんですかね?」


 くそ、このジジイ目をそらしやがった、、、。いや、以前話した内容だと、この先何度か転生するような感じの話はしていたな。とはいえ、少なくともアイス・フロストとして天寿を全うできる程度には長生きさせてもらいたいのですけど、、、。


「ま、まあ、それは置いといてじゃ。お主はVRMMOに少なからず興味はあるのではないかの?」


「そうですね。興味があるかどうかといえば、少しはあると言えますよ。でもね、今はやりたいことがたくさんあるので、ほとんど出来ない状況ですけど、、、。あと、この環境でどうやって始めろと?」


「それに関しては心配はいらぬぞい。教会を少し改造すれば済むしの。」


「いや、簡単に言いますけど、今の教会の状況だと不壊状態ですから、無理ですよ。」


「そこはワシらがやるから大丈夫じゃ。問題なのは広さじゃが、とりあえずVAMMOはアイスしか出来ない状況じゃから、それほど広さは必要ないの、大会議室の部分を少し減らして、そこに充てるか。」


 何やらブツブツ言っているが、その点はあまり気にしていない、というか気にしたら負けの気がする。


「これでよし。大会議室を少し狭くして部屋を作っておいたからの。この部屋はお主しか入れないようになっておるからのう。」


「ん? 私しか入れない? マーブル達は?」


「お主しか出来ないのじゃから、マーブル達が入れるわけがないじゃろ。」


「えー、マーブル達も一緒じゃないんですか? だったら、やりま「も、もちろん一緒にできるようにしておくぞい!! 少し待っててくれ。」」


 そう言うと、アマさんは聞いたことの無い言葉で話し出す。恐らくこのゲームに関係している神々に連絡を取っているのだろう。流石に神の言葉自体はいくらアマさんの加護があってもわからないらしい。というより聞かせられない内容なんだろうな、、、。いや、アマさんならわかるでしょうに、私がマーブル達と別行動することは絶対にないと。


 話し合いはそこそこ時間がかかっていた。アマさんは時々こちらを見ては話し、黙ったと思ったら、お茶を飲んで少しまったりしーの、まったりした後はしばらく話してはお茶をのみーの、いろいろと相談しているようだ。少し驚いたのは、マーブル達とも話し出したことだ。私にはその内容は全く聞こえてこない。非常に退屈である。


 あまりに暇なので眠っていようかとも思ったけど、考えてみたら、今の私は実質眠っている状況なので、眠りようがないのだ。仕方がないので、勧められた減ることのない煎餅を頂きながらノンビリ待つことにした。

いつもなら時間が来ておさらばしていたのが、未だにその状態は解けていない。


 話が終わったマーブル達に話の内容を聞こうとしても、マーブルは「ミャア。」と言って申し訳なさそうにそっぽを向いた。恐らく内緒だよゴメン、という感じかな。その証拠にジェミニは「申し訳ないですが、こればかりはアイスさんでもお話できないです。」と申し訳なさそうに言うし、ライムに至っては、「あるじと一緒に冒険するためのはなしあいー。ぼくは、たのしみー!」と嬉しそうに、しかもこれ以上話してくれなかったのだ。内緒ではあるが、どうやらVAMMOでも一緒に行動できるように取りはからってもらいっている最中なのだろう。信じて待ちますかね。


 アマさん達の話し合いが終わったようで、その表情は疲れ切っていた。


「やれやれ、ようやく話し合いが終わったぞい、、、。とりあえずお主の希望は通ったぞい。」


「それはよかったです。まあ、要望が通らなければやらないつもりだったので。」


「お主の場合は、脅しとか条件変更の手札でなくて、本当にそう思っているからのう、、、。まあ、よいわ。とりあえず数日あればどうにかできるそうじゃから、プレイ開始はそれが終わってからじゃの。」


「こちらとしては、別に問題ありませんよ。とりあえず余裕を持って一週間後に始めるとしますかね。」


「それで構わんぞ。ただ、お主の要望に応える代わりに、初期の登録時にかなり制限されるそうだが、その辺りは問題ないかの?」


「マーブル達と一緒に行動できるなら特に問題はないですね。そもそもガッツリやる予定はないので。」


「そうじゃな。ゲームに夢中になりすぎて領内のことが疎かになってはいかんからの。」


「あ、そうだ。ゲームをやる部屋へ転送ポイント置いてもいいですかね? 確か、こういったタイプのやつって睡眠状態になるみたいですから、寝る時間に軽くやる感じで進めていく予定ですし、そんな時間に教会にこもって、なんてしていたら、領民達に怪しまれますからねえ、、、。」


「それは構わんぞ。もし何なら領民達も巻き込んでしまうかの。」


「それはアリかもしれませんが、しばらくは私達だけでノンビリやってみますよ。」


「それもそうじゃな。一応使い方を説明しておくぞい。部屋の中には大きな箱があるので、そこに入ってもらうと電源があるから、それを入れてくれるだけでよい。箱は2つあって、1つはアイス用じゃな。もう1つはマーブル達に入ってもらう用じゃ。ちなみにどっちに入っても問題ないぞい。ちなみに起動スイッチを入れたら、あとは向こうの指示に従ってくれい。」


「正直、あまり気は進みませんが、やることはやりますけど、余り期待はしないでくださいね。」


「それはお主次第じゃから、ワシはこれ以上言うことはないぞ。ふう、疲れたわい、、、。ではアイスよ、また後日会おう。あ、連絡はお主が供えしてくれたときにするからの。グッスリ眠るのじゃぞ。」


「はい、アマさん、それでは、また。」


 少しまどろんだ後、感覚的にはあっという間に、心地よい感触の中で起きた。ちなみに、今日のコカトリスさんは任務失敗のようで、まだこちらには来ていなかった。


「いやあ、寝た気が全くしない、、、。」


 精神的にはあまり眠った気がしないけど、体調的にはぐっすりだったようで、調子自体は悪くなかったのが不幸中の幸いである。


 さてと、今日は乳製品の加工をいろいろと試す仕込みを行っていた。が、失敗した。保存性を優先したためかなり低めの温度で冷やしておいたのが災いして、菌が死滅しており、調整済みの牛乳状態になってしまったのだ。まあ、普通に美味しいお乳ではあったので、ミルクとしてそれぞれスタッフが美味しく頂きました。まあスタッフって私達4人+@しかいませんが、、、。


 リベンジということで、お乳を調達しに私達は洞窟に向かいました。地下1階では豆柴達、2階ではハニービー達の熱烈な歓迎を受けて、モフモフを堪能してお乳の存在する地下3階へ。ちなみに各階には領民達がそれぞれ来るようになっており、領民達から挨拶を受けてのことだった。地下3階では戦闘訓練を行っているようで、所々で戦闘しているのを見かけた。メインとなっていたのは狩り採集班の面々だったが、休日で訓練をしている面子も顔を出している形だった。


 私達はとりあえず狩り採集班に合流して1体ずつおこぼれをもらって乳搾りを堪能していた。狩り採集班のメンバーは特に私達が1体を拘束して乳搾りをするやり方をことある毎に見学していた。使いこなせるようになれば、領民達にも多量のミルクが出回ることになるだろう。


 手に入れたミルクが十分な量になったので、フロストの町に戻る旨を伝えて、狩り採集班のメンバーに別れを告げて領主館に戻って作業再開する。完成したのはホイップクリームにバターとその副産物としてのホエーなどだが、正直最低限のレベルにすら達していないものでもう少し研究が必要だと思った。とはいえ捨てるのは勿体ないし、そこまで味もひどいわけではないので、これもスタッフ(4人+@)が美味しく?頂きました。


 そんなこんなで約1週間が過ぎ、アマデウス教会でお供えをしたときに、アマさんから声が掛かった。


(アイスよ、待たせたの。準備は整ったから最初は簡単でよいから起動させてみてくれい。)


 返事をしようとしたら一方的に途切れてしまった。どうやらここでは会話は無理らしい。まあ、ここには領民もいるし、こんなことで騒ぎが起きても面倒だろうから、それは致し方ないだろう。マーブル達にも聞こえていたらしく、少しワクワクするような眼差しでこちらを見ていたので、早速部屋に向かうとしますか。


 基本的には領民達は祈りを捧げる場と水くみ場以外には行かない、まあ、別に他の部屋に来ても全く問題はないけど、、、。場所的には神官部屋(とはいえ、基本的には私が密談するときにしか使わない)内に入り口とは別のドアがあった。どうやらそこから入るらしい。私が手を触れるとドアが開いた。部屋の中には私が入れるくらいの箱が2つあったので、これが道具なのだろう。


 箱の大きさはセミダブルくらいの大きさで、余裕を持って寝られるスペースといった感じだ。私がその1つに入って仰向けに寝ると、マーブル達はもう1つの箱に入っていった。箱の中にはしっかりと枕も設置されており、枕に頭を乗せると、左側に丁度いい感じの場所にボタンがあったので、そのボタンを押す。


 何か起動する音がしたかと思ったら、強くまどろむ感じに襲われたので、その感じに身を任せていた。


 さてと、何が始まるのだろうか。ワクワク感も少なからずあるが、それ以上に面倒くささも感じていた。しかし、ライムの嬉しそうだった表情を思い出して、その期待に応えるべく大人しく待つことにした。





いつもご覧頂き誠にありがとうございます。もし、お気に召して頂けましたら、評価や感想などを頂けますと大いに励みになります。


また、ブクマ登録や誤字脱字のご指摘なども随時お待ち申し上げております。


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