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第73話 さてと、食事を作るぞ×3

申し訳ありませんが、今回は台詞がほとんどありません。グダグダにはならないとは思いますが、楽しんで頂けましたら幸いです。


 よし、魔導具の準備よし、材料の準備良し、って、袋に口金合わせるの忘れてた、、、。袋に切り込みを入れて、って、硬くてできねぇ、、、。仕方ない、水術で凍らせて強引にいきますか、、、。よし、上手く出来たな。念のため接合部分はこのままにしておくか。この辺は領民達に教えた後、上手くやってくれるだろう。まずは最低限やれることをやっておかねば。


 改めて準備完了だ。では始めるとしましょうかね。まずは各種のお肉を用意します。ただ、牛さんは今回はあまり使いません。山羊さん、羊さん、ブタさん、トリさんの4種類がメインですかね。


 はい、説明がまだでしたね。今回作るものはとりあえず3品で。1品目はみんな大好きウインナーソーセージ。とりあえず4種類がそれぞれ個別のやつと、4種類を混ぜたやつを作るつもり。お肉をそれぞれ用意してからマーブルの出番です。しっかりと風魔法で細かくして頂きましょうか。あ、しっとりとさせたいから水分は飛ばさないようにね、うん、流石はマーブル。要望通りの状態で仕上げてくれました。


 得意げに「ミャア!」と鳴いてますが、非常に可愛らしくて結構なことです。細切れにしてくれたお肉はジェミニがキャッチというか、頭に大きなボウルを乗せてそれに収めていた。ジェミニも「どうです!」と得意げ。非常に可愛らしくて結構。で、私はというと、ただホッコリしていたわけではなく、スガープラントの茎と葉をひたすら乾燥させておりましたよ。今回は量が量なので、用意するスガーの分もそれに比例してかなりの量が必要だしね。もちろん白い部分は後で砂糖にしますけどね。今回はお肉を使いますが、明日以降はお乳も使用する予定なのでね。


 スガーを乾燥させたら、早速ラヒラスに作ってもらった魔導具を使って細かくすり潰す。魔導具の最上段に投入口があるので、乾燥させた大量のスガーを投入。魔導具を起動させる。ちなみに今回起動してもらうのはライムに決定。だって、私魔力ないから動かせないしね、、、。魔導具の中段と下段にそれぞれ魔石のようなものがあって、それに魔力を通すと起動するらしいので、我が達はもちろん下段の部分にあるやつに魔力を通してもらうと、上段が回転し始めた。何かゴリゴリ音がなっているので、実際すり潰しているんだろうな、ということはわかる。


 しばらくゴリゴリと音が鳴っていたが、いつの間にか音が消えていた。ラヒラス曰く、音が消えたら作業完了らしい。ちなみに、どれだけすり潰しても、粉は残らずに下段に落ちる仕組みだそうで、終わったら別に掃除する必要なく別の種類のものをすり潰せるのだとか。まあ、しばらくはスガーをすり潰す作業になるけど。


 すり潰しの終わったスガーを下段に開き口があるので開けると、そこにはかなり細かくすり潰されたスガーが箱にタップリ入っていた。それを取り出してボウルに入れる。大体、ボウル3つ分に対して今回のスガー1箱分といったところだろうか、そんな感じで振り分けていく。スガーの乾燥は終わっているので、投入口にある程度入れて、ライムに作動してもらう感じでそれを繰り返していった。


 マーブルとジェミニは肉の加工作業を既に終えていたので、今は私が挽肉とスガーを混ぜる作業の見学をしていた。練りすぎると温度が高くなってよろしくないので、こういうときこそ水術の出番である。ボウルを凍らせた状態にしてひたすら混ぜる。混ぜ終わった頃には、スガーのすり潰し作業もとっくに終わっていたようで、ライムも見学していた。まずい、私だけが遅れている、、、。とはいえ、この混ぜる作業をマーブル達に頼むわけにはいかない、、、。ただ、マーブル達は手伝いたそうにこちらを見ていた、どうする?


 そこで思いついたのは、建築班にサンプルというか、絵をを見せて、欲しいものをリクエストして急遽作ってもらうことにした。今回は原寸大に描いて急ぎで作ってもらうことにして、出来上がった絵をジェミニに持っていってもらった。その間に次のスガーを投入しておいてから少し休憩した。だって、しんどいんだよね、この作業、、、。


 それほど時間がかかることなく頼まれた品物を用意してもらった。何を頼んだのかというと、挽肉とスガーを混ぜる道具の部品だ。組み立てはこちらで行い、水術で凍らせて固定するので、いくらかき混ぜても温度が上がりづらくしてある。具体的には、中心に穴が空いた大きな円と小さな円の板とそれを通す棒、その棒には細長い板を通せる穴を数カ所開けてもらっておいて、その穴に通す細長い板を長さを変えた状態で、それを数組用意してもらった。また、大きな円の板には数カ所浅い穴を開けてもらってある。あとは握りやすい棒を1つ。正直こんなに早く作ってもらえるとは思わなかったが、早い分助かったのは事実だ。


 これらを簡単に組み立てて水術で凍らせて固定する。これで道具が完成した。私はその道具に握りやすい棒を差して水術で固定してから作業再開だ。暇そうにしていたマーブルとジェミニには完成した道具に乗ってもらってその上を走るようにしてかき混ぜてもらうことにした。幸いにも大きな円とはいえ、かき混ぜられるかどうか心配だったが、問題なく混ぜられるようだった。


 マーブルとジェミニは面白がって走り回ったおかげか、かなりのスピードでかき混ぜ作業を終わらせており、私の立場が全くなかったのは少し悲しかった。


 とはいえ、マーブル達のおかげで肉の準備がかなり早くできたことは間違いなかった。というわけで、次の工程に入る。次の工程は完成したタネを腸に詰めていく作業と2品目と3品目の作成を同時に行うつもりだ。ちなみに2品目はこれもみんな大好きギョウザである。というわけで、倉庫にあったキャベツとニラとニンニクと生姜を用意して、配分を決めてからマーブルに風魔法でみじん切りにしてもらう。マーブルも勝手がわかっているのか、あっさりとみじん切っていく。言葉は変だがそれ以外の表現が浮かばないので異論は認めない。


 マーブルがみじん切りを終えると、タネの入ったボウルを頭に乗せたジェミニが上手にキャッチしていきこちらも後は混ぜるだけだ。混ぜるのは先程の道具をそのまま使ったおかげで、ギョウザのタネも次々に出来上がっていた。


 私はというと、ウインナーソーセージの作成だ。腸の先端を口金に入れて、タネを絞っていく作業だ。最初は久しぶりだったので正直おっかなびっくりだったが、以前いた世界の塩漬けの腸と比べると薄さはかわらないのに案外頑丈だったので、慣れるのも早かった。とはいえ、進捗でいえばマーブル達に比べるとかなり遅かった。


 私がヒーコラしながら作業をしていると、どこから話を聞きつけたのか、食事担当をいつもしてくれる女性陣どころか、屋台のおっちゃん達までこちらに来てしまっていた。一応領主館ですけど、、、。まあ、いつもの領民だし、このくらいのゆるさが丁度いいのかなと半分諦めながら結局は手伝ってもらった。道具はあるしね。


 一応作り方を説明していく。今回は長めに5センチ絞り出してはネジって、また5センチ絞り出して、それからネジってを繰り返し手本を見せながら説明していく。流石は料理自慢達だ、すぐに覚えてしまったので、この作業は彼らに任せて次の作業にいく。次はギョウザの皮を作る作業だ。出番の薄かった小麦がようやく日の目を見るときがきたのだ。いや、押し麦ご飯が定着するまでは、小麦がメインだったんだけど、押し麦ご飯が領内に広がるとメインはそちらに移っていったのだ。というわけで、倉庫にある小麦を粉に変えていく。


 ちなみにこの小麦は強力粉になるのか薄力粉になるのかはわからない。そこまで専門的知識はないからね。それはこれから解決してくれるだろうから、料理自慢に丸投げにしよう、そうしよう。


 出来上がった小麦粉とその半分の量の水というかアマデウス教会にある湧き水を水術で熱湯にして投入、お湯を行き渡らせてボロボロにしてからこね始めて、しっかりまとまるまで頑張ってこねる。ちなみに塩はないので、スガープラントの茎をすり潰した分を少量入れてある。その結果、少しだけ緑がかった部分が見受けられたが仕方ない。しっかりまとまったものは、当分別の場所に移して寝かしておく。それが終わったらまた同じ作業をしていく。


 一通り終わった頃に、最初に寝かせておいた分が良い感じになったので、細長く伸ばしていく。その頃には腸詰めの終わった人達が出始めてきたので、先程のように実際にやって見せながら説明していく。細長く伸ばした生地を小さく均等に切り分け、その切り分けたものを丸めてから広げていく。麺棒は残念ながらなかったので自らの手でできるだけ円く広げていく。予想とは違ったのは、自分でも驚くくらい上手くできたことだった。腸詰めをしていた人達が全員作業が完了したということで、引き続き全員に手伝ってもらうことにした。流石に疲れているかなと思っていたが、全員やる気だったらしく、張り切って細長くしては切って丸めて円く広げていた。


 腸詰めの作業が終了していたので、3品目をやる前にウインナーソーセージを食べられる状態にまで仕上げていく。結構破れていたりするかな、と思ったが、そんなことはなく全部しっかりとした状態で完成していたのには驚いた。まずは腸の表面を乾かす作業だが、本来なら風を当てながら1、2時間くらい放置しなければならないのだが、私には水術があるので、その作業はあっさりと完了した。次はゆでる作業であるが、確か熱湯だと腸が保たなかったはず、、、。どうせ夕飯まで時間がかかるから、沸騰する動きの7割くらいでいいかな。あとは張ってくるのを待つだけだ。


 次は3品目だね。これもみんな大好きハンバーグである。タネは完成しているから、あとはタマネギをみじん切りにして投入すれば大丈夫、って、タマネギなかった(泣)、、、。仕方がない、そのまま成形してパティの状態でみんなに出しますかね、、、。ウインナーとギョウザに夢中で基本的なこと忘れてたよ、、、。

まあ、いいや。その分、調味料をふんだんに使ってソースの種類で楽しんでもらいますかね。


 というわけで、みんなに作ってもらったギョウザの皮を使ってタネを包む作業をしますか。以前いた世界でもギョウザはたまに自分で作ったりしていたので、包んだりするのは問題なくできる、はず? 


 もの凄い数の皮を作ってもらい、今度はそれを包む作業をやはり実際に実演しながら説明していく。流石に最初は手こずっていたが、10個も作ると慣れてきたのか、形も速度もかなり良くなっていた。やはり人がいると作業がはかどるね。


 みんながギョウザ作成に勤しんでいる頃、私はハンバーグ改めパティの成形作業に入っていた。これも以前いた世界では作っていたので問題なく作業は進んでいた。あと、ギョウザとは違い、大きく作っても問題なかったので、できるだけ大きく作って個数を減らす作戦をとった。その作戦が功を奏したのか、ギョウザの作成が終わる前にパティの成形が終わったので、タレをいろいろ混ぜたりして、多くの種類を作ることができた。また、それでも余裕があったので、いくつかはパティの形を変えたりする余裕さえあった。形を変えても厚さは変えなかったけどね。ちなみに、猫の形やウサギの形、スライムの形などいろいろと作ってはマーブル達も嬉しそうにしていた。やはりこういう楽しみも大事だよね。


 こうしてヒーコラしながら作業がどうにか完了したが、気がついたら昼食を摂るのを忘れていた、、、。時間も中途半端だったけど、折角だからということで、作ったものを一部だけ試食としてここにいた全員に食べてもらうことにした。


 まずウインナーだが、思っていたのより少し柔らかく仕上がってしまった。しまった、ちょっと混ぜすぎたかな。でも、美味しかったからよし。周りの反応もかなりのものだった。ただ、正直言うと、味の違いがあまりわからなかったのはちょっと悲しかった。屋台のおっちゃん達はある程度わかっていたようだったが。


 次にギョウザだが、これはもの凄い反響があった。ラー油こそ今はないが、酢と醤油を混ぜたタレにつけてから食べるギョウザは絶品だ。これは上手くいったな。一部では酒が飲みたいという意見が出ていたが、生憎フロスト領には酒はほとんど出回っていない。何せ私も作り方知らないからねぇ。一応葡萄酒とハチミツ酒についてはある程度目星がついているが、もう少し先かな。


 最後にハンバーグ、いやパティだが、これもなかなか反響があったが、ギョウザがやはり一番みたいだな。とはいえ、ステーキよりもこちらの方が好みだという人もいてこれはこれで楽しめた。ちなみに試食として出したのは普通に丸形のやつです。


 試食も終えて一旦解散となってから、休憩も兼ねてマーブル達とモフモフタイムを楽しんだ後、折角だから白い部分のみ残ったスガープラントの精糖作業を行った。とはいえ、以前いた世界ほどしっかりとしたものは無理だけど。それでもこの世界ではかなり上質なものに分類されると自負できる仕上がりにはなった。これは今後フロスト領を発展させる切り札となり得るものだから、少しずつ更に質を上げたりしていきたい。


 そんなことをしているうちに、夕食の時間になると、食事班や屋台組の面子が領主館へとやってきて準備を行い始めた。こう言った準備については私は参加していない、というか参加させてくれない。領主らしく準備が終わるのを大人しく待って欲しいとお願いされては断れない。


 準備も終わって、今日の担当であるフェラー族長が私達を呼びに来た。会場はいつものウサギ広場である。私達が到着すると、領民達だけでなくギルド職員や冒険者達が今や遅しと待っていた。用意された席に着いて挨拶を行う。みんな待ち遠しそうにしていたので、簡潔に済ませることにした。


「みんな集まってくれてありがとう。今日はこの領地で取れた素材だけで作り上げた新作料理だ。これからみんなにも作り方を教えるから、これを我が領の名物料理として発展させて欲しい。みんなの工夫に大いに期待したい。では、食材となってくれた生き物達に感謝して、頂きます!!」


「頂きます!!」


 新作料理は大好評だった。冒険者ギルドでは酒を大放出して大盛り上がりとなっていた。少しずつ懐かしい味が増えて、領民のみんなも食べられる美味い料理の種類も増えて万々歳だね。


 あ、そうだ。アマさんにこれらの品々をお供えしないとな。喜んでもらえる自信はあるけど、口に合うといいな。


いつもご覧頂き誠にありがとうございます。もし、お気に召して頂けましたら、評価や感想などを頂けますと、大いに励みになります。また、ブクマ登録や誤字脱字のご指摘なども随時お待ち申し上げております<(_ _)>


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