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第49話 さてと、領民達の反応はどうかな。

キャラが増えてくると話が膨らむ一方で、キャラの把握が大変になるジレンマが(゜д゜)! 正直キャラ管理は苦手なので、これからもゆっくりと増やせていけたらと思いますが、どうなることやら(;´Д`)


 テシテシ、テシテシ、ポンポン、朝起こしイン森の中。カムドさんは自分のテントでと誘ってくれたが断って草の上で寝ることにした。理由は簡単、暑いからである。もちろん正直に伝えましたよ、ええ、正直に。カムドさんは笑いながら私の主張を受け入れてくれた。いつも通りに水術で顔を洗ってさっぱりしたところで、罠の確認へと向かう。


 罠の確認をしに結界の外側へと向かっているが、そこで会うゴブリンの皆さんとも挨拶を交わすのを忘れない。彼らはしっかりと見張りをしてくれていたのだ。もの凄い楽で逆に暇なくらいだったと苦笑していたのがほとんどの意見だった。いくらゴブリンエンペラークラスが率いている集団だったとしても、睡眠時は結構無防備であるため、その隙に襲ってくる魔物などもいる。私が張った罠は、氷結の罠で、結界に踏み入れたりすると凍るという至極単純なものではあるが、単純であるからこそ強力なのである。水術と格闘スキルしかまともなものがない(投擲術は趣味なのでカウントしない)けど、その分強くなっている。ぶっちゃけ、地龍はもちろん、影のボスだったドラゴンゾンビが十全な状態で召喚されたとしても、この罠を突破することはできない。


 罠にかかった魔物は結構いたらしく、朝食として美味しく頂くことになりました。捌いてもらったお礼として素材はゴブリンの皆さんに差し上げましたことを追記しておく。その他には何故か人が引っかかっていたという報告を聞いて驚いたが、考えてみれば、いくら私達だけで行くと伝えたけど、冒険者ギルドでは念のため偵察くらいはするでしょうけど、それを忘れておりました。気がついた斥候の人はゴブリンの皆さんに囲まれて最初は驚いていたが、私達の姿を見てホッとしていた。


「あ、フ、フロスト伯爵、ご無事でしたか。」


「いや、無事も何も、ここのゴブリンの皆さんは私達の仲間だから問題ないよ。とはいえ、話をしていなかったから仕方ないよね。とりあえず偵察任務ご苦労様。夜通し任務な上に、こんな目にあって大変だったでしょう。折角だから一緒に朝食を食べよう。」


「わかりました。ご命令に従います。」


「うんうん、それでよし。今支度している最中だから、ちょっと待ってて。折角だからゴブリンの皆さんと話でもしておきなよ。彼らは人語しっかり話せるから。」


「は、はぁ、、、。」


 斥候の人は何か狐に化かされたような顔で頷いた。少し心配はしたけど、杞憂に終わった。朝食の準備が終わってみんなを呼びに行くと、何か知らないけどもの凄く打ち解けてたのにはびっくりした。食事をしながら話を聞いてみると、斥候について話が合ったらしく、軽い技術交換みたいなものもしていたそうだ。うんうん、いい傾向である。フロスト領でもこうしてみんな仲良くしてくれるといいな。


 朝食を食べ終わり、斥候の人は一足先にフロストの町へと戻って問題ないと伝えてもらうことにした。仲良くなったゴブリンの斥候班の人と一緒に行こうとしていたけど、流石にそれはやめておいた。どうせこれからそっちへと行くのだから、その時に改めて話などすればいいと言って納得させた。ちなみに先程罠に掛かった獲物については別に真新しい魔物はいなかったので割愛。


 そういえば、どうして村人全員で私に会いに来てくれたのかをカムドさんに聞いてみると、平たく言うと全員が強くなりすぎて、寄りつかなくなってしまったらしく、平和なのは結構なのだが暇すぎたので、暇つぶしも兼ねて私が転生したのをユミールさんから聞いていたので会いに行こうと決めたらしい。住み心地が良さそうならそっちに新たに居を構えるのもいいかという流れだったそうだ。まさか領主になっているとは思わなかったが、それを聞いて余計に住居を移そうと考えたらしい。住民達も賛成したくれて今に至っているそうだ。そんな大事なことを暇だったからという理由で片付けてもいいのかと思ったけど、みんなで決めたことなんだし私がどうこう言う問題でもないからそれはそれでいいか。


 それ以上にムラの主要人物である4人はともかく、ムラの全員がまさかここまで人語が話せるようになっているとは思わなかった。それに驚いていると、カムドさんがそれだけ暇だったんだと笑って言っていた。いや、いくら暇とはいえ、ここまで話せるようになるのは大変でしょうに。


 こんな感じでみんなと話ながらフロスト領へと向かっていた。ちなみにマーブル達はゴブリンのみんなの所へ行ってはモフられたりしていた。マーブル達だけでも十分可愛いのに、フロスト領へ来たらさらにたくさんのモフモフがいるんだ。これにも驚くだろう。


 道中はかなり暗くなってきていたが、フロスト領までこのまま進んでいっても問題なかったので、野営することなくこのまま進んでいった。流石に子供達は疲れていたようだが、食事などで荷台に空きができていたので、そっちで寝ててもらうことにした。その荷台を見て思い出した。転生時にその荷台は持って行けなかったのでそれについて作ってくれた職人に謝ると、気にしないでと笑って許してくれた。そればかりか、今度あたらしい荷台を作ってくれるとのこと。それだったら、魔樹をふんだんに使って作って頂くとしましょうか。マーブルに念のためにその荷台につけた空間収納はどうなったか聞いたが、とっくに付与解除していたそうだ。何が入っていたのかは忘れてしまったが、知られるとマズいものは入っていなかったはず。昼食はしっかり摂っているのでご安心を。


 フロスト領が見えてきた、というかあれはアマデウス教会だよな。夜になると光るんだね。あれが不壊の加護か。何か「壊せるものなら壊してみせろ」と言わんばかりの存在感だ。そんなアマデウス教会に光に照らされるように建築中のでかい建物の一部が映っていた。フロスト城(予定)だろう。アマデウス教会ですらかなりデカい建物だというのに、そんなものは雑魚といわんばかりにデカくなりそうな予感。どうしてこうなった。その他には道沿いに明かりが灯されていた。外側から改めて見ると、最低限の完成だけでも素晴らしい町並みになってくれると確信した。領民のみんなの頑張りの結晶であり、ここをよくしていこうという、領民達の気持ちの表れでもあるだろう。私もここをさらに住みよくしていくために頑張ろうと思った。


 フロストの町に近づいてきた。領民達の姿が確認できた。領民達全員で出迎えてくれるようだ。これにはゴブリンの皆さんも驚いていた。斥候の人がしっかりと伝えてくれたのだろう。よく見ると、我が領のマスコットであるウサギ達も勢揃いしていた。


 さらに進んでいくと、待ちきれなかったのか2人の人影が走ってきていた。人型モフモフの代表であるクレオ君とパトラちゃんだ。それに反応してマーブルとジェミニが2人に駆け寄っていった。


「ねこしゃん、おかえりー!」


「ウサしゃん、おかえりー!」


 素晴らしいユニゾン率でのおかえりコールであった。これには周りの人達もホッコリだった。その後ろからウルヴ、アイン、ラヒラスとフェラー族長、あとはフロスト支部となった冒険者ギルドのギルド長がこちらに来た。


「アイス様、お帰りなさいませ!!」


「ウルヴ達、出迎えありがとう。何か問題とかはなかった?」


「特に問題はありませんでした。これが噂のゴブリン達ですか、なるほど、みんな通常のゴブリンではありませんね。」


「詳しい話は後にしよう。それで、彼らの住居については大丈夫かな?」


「それについても問題ありません。」


 ウルヴ達と軽く確認をしてからギルド長に話を振った。


「ギルド長、出迎えありがとう。斥候の人から連絡があったと思うけど、彼らが報告にあったゴブリン達だよ。彼らは以前からマーブル達と仲がよかったんだよ。それで、今回ここに住んでもらうことになった。」


「フロスト伯爵、おかえりなさいませ。キースから話は聞いております。キースはこれでもここのギルドでは一、二を争うほどの凄腕の斥候ですが、その彼をもってしても罠に掛かってしまったと聞いておりますが。」


「そっちかい。それは悪いことをしてしまったね。ぐっすりと寝たかったから、私が周りに罠を張っておいたんだけど、どうやらそれに掛かってしまったようで済まなかった。」


「えっ? その罠って伯爵ご自身が仕掛けた罠だったのですか?」


「いや、そのことよりも、来てくれたゴブリンさん達に興味を持って欲しいのだけど、、、。」


「ここに来てくれたゴブリンの皆さんについては、キースの話だけで十分です。領地の脅威にならないのであれば問題はありませんし、これだけの強さをもった方々がここに住んでもらうということは、こんなに心強いことはありません。それで十分ではありませんか。それよりも、そのアイス様の仕掛けた罠について私は興味があります。」


「いや、単なる水術だから、それ以上でもそれ以下でもないんだよね、、、。」


「えー、、、。」


 変な食いつき方をしたギルド長に少し呆れつつ、回れ右をして向きを変えると、人型モフモフと戯れていた我が愛しのモフモフ達はその手を離れて、私の横に並ぶ。


「はぁ、まあ、いいや。改めて、ゴブリンのみなさん、フロスト領へようこそ! 私達はあなたたちを大歓迎します!!」


「アイスさん、いえ、フロスト伯爵、我々フォレストゴブリンはフロスト領の住民としてここの皆さんと一緒に発展に貢献していきたいと思います。」


「さてと、時間も時間なので、これから軽くみんなで食事にしようか。」


 私達はまだ夕食を食べていなかったが、領民達も私達を待っていてくれたらしくまだ食べていなかったそうだ。それは悪いことをしたな、、、。そういうわけなので、食事班のみんなが用意してくれていたらしく広場で歓迎会を含めた食事会になった。領民達がどういう反応をするか不安は多少あったが、間もなく打ち解けてくれた。ゴブリンのムラのみんなが人語を普通に話せるのが特によかったと思う。


 ゴブリン達は領民達に混じって飲み食いを楽しんでいた。そういった中で、斥候の人キースさんは朝食の時に特に仲がよかったゴブリンと再会を喜んでいたし、ギルド長とカムドさん、フェラー族長はウマが合ったらしく盛り上がっていたし、ウルヴはハインツさんと何か熱く語り合っていた。エーリッヒさんとアインが仲良く話していたのは正直意外ではあったが、後で話を聞くと、諜報関係で相通ずるものがあったらしい、正直納得した。ラヒラスとエルヴィンさんが飛び道具がきっかけで語り合っていたらしい。正直、ゴブリンのみんなに来てもらって嬉しかったし、それを喜んで受け入れてくれた領民達にも感謝した。


 ちなみに、私はというと、マーブル、ジェミニ、ライム達とモフモフ天国を堪能していた。言い方は悪いが、領民達がゴブリン達と仲良くしている間にモフモフを独り占めしていた。ファーラビットも一角ウサギも通常ならば強弱はともかく、倒す倒される存在ではあったが、改めてこうしてみるとやはり可愛い。貴重と言われるベリーラビットについても同様だ。ウサギさん達、君達も立派な我が領民だから早く馴染んで欲しい、というのが本心だ。


 そういえば、ベリーラビット達はそれぞれ頭に何かがついているが、名前の通りベリー類を乗せている子もいるが、そればかりではなく、ニンジンとかの野菜も乗せている子もいた。ジェミニに聞いてみると、基本的に頭に乗っかっているのが好物だそうで、それを見つけるのが上手なのだそうだ。ごくたまに頭に乗せているものをくれる場合もあるそうだが、これが絶品らしい。いつか食べられるといいなと思ったが、とりあえずこの子達とも仲良くなる必要があるだろう。


 こんなそれぞれが和気藹々とした感じの中で今日という日が過ぎていった。




いつもご覧頂きありがとうございます。もしお気に召して頂けましたら、評価や感想などをお待ち申し上げております。また、ブクマ登録や誤字脱字のご指摘も随時お待ち申し上げます<(_ _)>

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