『肯定論の行方』
『肯定論の行方』
㈠
自分の人生を肯定できない人間が、人の人生を肯定できる訳がない。しっかりした、矛盾しないやり方で、ともかく、自身を肯定論で守らなければならないことがある。自分を守れない人間が、人の人生を守れるはずがないのである。自分は、自分の人生を、肯定すればいい。
㈡
或る種の不可思議で、否定論も肯定論の中に入り込むことがある。否定の上にあるのは否定だが、否定を否定した上にあるのは、肯定になるからだ。こういう肯定論も、人間の様々な人生の曲解を否定した先に見え隠れするのである。自分は自分を、肯定する。
㈢
肯定論の行方は、特に、人から自分の人生を否定された人には、霧中に居る様でもある。しかし、そんな自分をも許せて、肯定できれば、これ以上素晴らしい人生経験はない。よって、自分を守ること、否定を否定すること、自分を許すこと、この様な体験からは、肯定論は肯定されるという、肯定論の行方があると思っている。